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「大阪市が食い物にされる!?」

橋下徹大阪市長の懐刀・中田宏前横浜市長を現役横浜市議が実名告発!(後編)

otashigi02.jpg中田前市長の”実績”についても、
「まやかしだ」と一刀両断の太田市議。

前編はこちらから

 自身のスキャンダル報道の真相と地方政治の実態を記した前横浜市長・中田宏氏の著書『政治家の殺し方』(幻冬舎刊)。市長在任中から中田氏を追及してきた太田正孝市議は、同書の内容について「すべてがゴマカシ」と憤る。前編ではスキャンダル報道の”本当の真相”について語ったが、後編に当たる今回は虚飾に彩られた疑惑まみれの中田市政の実相を明らかにする。

――中田氏は、横浜市長時代に行革で約1兆円もの負債と市職員6,000人の削減を実現したと同書の中で触れていますし、自身も至るところで吹聴しています。今回、大阪市の区政改革のまとめ役に就任するのも、そうした実績を橋下市長が評価してのことだと思うのですが……。

太田 市職員6,000人の削減といっても、定年退職などに伴う自然減と、多くは外郭団体に職員を移しただけで実態は何も変わっていない。別に行革の成果でもなんでもありませんよ。横浜市の借金を1兆円減らしたというのも、そこには”カラクリ”があるんです。

――そのカラクリというのは?

太田 中田氏がいう「1兆円」とは、市債残高で約4,400億円、横浜市建築助成公社の借入金残高で約3,400億円、横浜市土地開発公社の借入金残高で約1,200億円などをそれぞれ減らしたといったようなことを指しているのでしょうが、これが大きなまやかし。公社関係の借入金は中田氏が減らしたわけではないし、これらの借入金は本来、横浜市の負債にカウントすべきものではないんです。

――どういうことでしょうか?

太田 横浜市土地開発公社の主な業務は市営の駐車場の管理運営などのほかに、住宅の建築・取得のために横浜市民へ融資を行うことなんですが、要は同公社が金融機関からお金を借りて市民に住宅資金を融資しているわけですよ。つまり、”銀行からの借入金=市民への貸出”だから、純粋な負債ではないわけです。同公社の借入金残高が約3,400億円減ったというのも、それは市民が普通に同公社へ返済しただけのこと。別に中田氏の行革の成果ではありません(笑)。横浜市土地開発公社の借入金にしても土地を購入するためのもので、資産として土地が残っているわけだから、こういうのは負債にはカウントしないんですよ。

――なるほど、ということは中田氏が純粋に減らした負債というのは市債残高分の約4,400億円なわけですね。

太田 そこも微妙で、実は横浜市には中田市長時代に作った約1,000億円もの”隠れ借金”とも言うべき負債があるんです。

――自治体が市債を発行しないで借金なんてできるんですか?

太田 ところができるんです。たとえば、横浜市が施設を建てるといったようなとき、通常は市債を発行して資金を調達するのですが、「PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)」という手法を使えば、市債を発行せずに施設を建てることが可能なんです。つまり、市債を発行しないので、見かけ上は横浜市の借金がないことになるんです。

――PFIというのは、どういう手法なんですか?

太田 施設の整備から資金調達、サービス提供までを民間業者に委ねて、その代償として自治体は”施設提供サービス購入費”を民間業者に支払うという手法です。正しく行われれば自治体にとってコスト削減にもなるし、民間の力を最大限に活用できるのですが、横浜市の場合は極めて不健全な形で行われてきました。というのも、民間業者がノンバンクなどから高金利の資金を調達して建てた施設を横浜市が借り入れるという形を取っていたんです。

――つまり、結局は横浜市がその高金利を負担しているというわけですね。そうしたノンバンクの金利は市債の金利より当然高いわけですから、起債による借金よりも市の財政を圧迫しますよね。

太田 そういうこと。バランスシート上の借金を減らすために、中田市長時代の横浜市はこんなインチキをやっていたわけです。実態はただの”粉飾決算”ですよ。そう考えると、中田市長時代に減った借金なんて3,000億円程度。それも、「受益者負担」だとかいって以前は無料だった公会堂などの使用に料金を課したり、税収をアップさせたりと別の形で市民からカネを巻き上げていますから、中田氏が称する行革とやらで減らした借金なんてもっと少ないでしょう。

――じゃあ、橋下市長は中田氏のそうした”まやかしの実績”にダマされちゃったわけですね。

太田 彼は”人たらしの名人”ですからね。横浜の大物財界人から聞いた話なのですが、その財界人と寿司屋で同席した際、中田氏が上着を脱がないのでその財界人が促したところ「私は●さん(財界人のこと)が上着を脱ぐまでは脱ぎません」といったようなことを中田氏は言うんだそうです。その財界人はいたく感激して中田氏を支援するようになったそうで、そんなことぐらいで中田氏を支援するのもどうかと思うけど(笑)、ことほど左様に中田氏は人に取り入るのが上手いわけです。しかし、「開国博Y150」の大失敗でいよいよゴマカシがきかなくなって、任期途中で逃げ出しちゃったわけですよ。

――25億円もの大赤字を出したY150の大失敗は、どう取り繕っても申し開きができないですもんね。

太田 市議会が参考人招致を求めても、多忙を理由に逃げ回っていますからね。こんな本を書く暇があったら、まずは議会へ出て横浜市民にきちんと説明するべきでしょう。それに中田氏が市長を辞めても、彼が残した”負の遺産”は今でも横浜にダメージを与え続けているんです。

――どういうことでしょうか?

太田 中田氏は市長時代、自分と親密だった企業や個人にさまざまな便宜供与を図っているんです。たとえば横浜の観光名所の1つであるマリンタワー、あれは横浜市からの委託で地元の不動産会社が管理運営を行って月々のテナント料を横浜市に支払っているのですが、いくらだと思いますか?

――マリンタワーの展望台だけでも年間収入は約2億円だそうですから、月に支払うテナント料も相当なものなのでしょうね。ほかにもレストランやショップがあるわけだから……。

太田 ところがたったの240万円。マリンタワーのテナント料を設定するに当たっては専門家が鑑定したそうなんですが、横浜市の観光に活用されるスペースについては基本的にタダという訳のわからないルールをデッチ上げて格安のテナント料にしちゃったんですよ。2億円も収益を上げている展望台部分のテナント料がタダですからね。事業者の選定についても露骨な”出来レース”だったし、あり得ませんよ!

――そこまで便宜を図ったということは、その不動産会社から中田氏へ対してなんらかの見返りがあったということですよね。

太田 その不動産会社から中田氏へ数百万円の献金があったことが確認されていますが、実態はそんなものじゃきかないと思いますよ。それと市役所の駐車場ですが、なぜか民間業者が管理運営しています。

――ああ、あれ、市役所の駐車場というのは行政財産なのに、なぜ民間がやっているのか不思議に思っていたんですよ。

太田 民間に委託したほうがコストを削減できるというのが横浜市の言い分ですけどね。あの駐車場は市役所に用がある人は1時間無料なんですが、それ以外のクルマの駐車も認めて駐車料金を取っているわけです。土日なんて市役所が休みだから、バンバン駐車料金が入ってきて業者は大儲け(笑)。あまり感心できるやり方ではないにせよ、それでも業者から委託費が入れば財政の厳しい横浜市にとっては少しでもプラスになるのかなと思っていたのですが、実は横浜市は業者から委託費を取っていない。つまり、業者にタダで市役所の駐車場を貸して商売をやらせているんです。

――えっ、じゃあ横浜市にとって何のメリットもないじゃないですか!?

太田 だから、これも中田氏が市長時代に行った露骨な便宜供与なんです。こうしたケースは他にもあって、彼が市長を辞めた後も契約上の縛りがあるので今でも続いているんです。結局、中田氏が市長時代にやったことなんて横浜を私物化しただけなんですよ。今度は大阪市政に携わるようですが、私は大阪の人たちが彼に食い物にされないかと非常に危惧しているんです。
(取材・文=牧隆文)

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最終更新:2013/09/09 20:06
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