計7時間!!『境界線上のホライゾン』にXmasイブイブの夜が燃えた!
#アニメ
Blu-rayの売上が好調、一気に秋アニメの主役に躍り出た『境界線上のホライゾン』。その第1期終了を飾る、1話から12話までのオールナイト一挙上映+最終13話先行上映会「境界線上のホライゾン オールナイト上映会~きみとあさまで~」が、12月23日の23時から翌朝の6時まで、東京・新宿の角川シネマ新宿 シネマ1にておこなわれた。
『境界線上のホライゾン』は川上稔の同名ライトノベル(電撃文庫/アスキー・メディアワークス刊、キャラクターデザイン原案:さとやす[TENKY])を原作としたテレビアニメ。原作小説は既に一定の認知度を得ていたが、平成の三国志演義とでも言うべき登場人物の多さ、世界設定の複雑さ、本の厚さから、原作になじみのない新規視聴者に理解を得られるかを危ぶむ声も放送開始以前にはあった。
しかし実際にはこの23日のイベント中、MCが「アニメから入った人はどのくらいいますか」と訊ねた際に、7割から8割に迫る観客が挙手をしたことによっても裏付けられるように、独特の作品世界に魅了された新規ファンが続出。Blu-rayのAmazonランキング上位進出につながっていた。
オリコンチャート初登場となった12月21日付のBlu-ray総合デイリーランキングでは『境界線上のホライゾン 1【初回限定版】』が安室奈美恵の『namie amuro LIVE STYLE 2011』を抑えて2位にランクイン。1位の『TIGER & BUNNY 8(初回限定版)』とともにサンライズ/バンダイビジュアル勢のアニメ作品がワンツーフィニッシュを果たした。
思えば『タイバニ』もノーマークの状態から大ヒットアニメへと躍進した先例。同一レーベルから一年に2作ものサクセスストーリーが誕生したことはたいへんな驚きと言える。
深夜アニメの世界ではBlu-rayのセールスが1万枚を超えるとヒット作、と言われるが、『境界線上のホライゾン』はまさにそうしたタイトルのひとつになった。
クリスマス三連休初日の夜遅く、総計7時間にも及ぶ長丁場のイベントにもかかわらず、会場はチケットを握りしめたファンで満席に。著名声優のトークショーがおこなわれること、同好の士と一気に全話を観られる、とりわけ最終話を世界の誰よりも早く観られることが、人々の心を揺り動かしたようだ。
開演に先立ち、まずサウンドトラックの発売日が1月25日に変更された旨が告知されたあと、注意事項のアナウンスの際、MCからこんなひとことが。
「お分かりの場合はJud.(ジャッジ)で答えていただければと思います。Tes.(テス)は認めません」
「Jud.」も「Tes.」も『境界線上のホライゾン』の舞台となる架空世界で通用する、了解に似た応答の言葉だが、「Tes.」は主人公と対立する勢力のもの。観衆はこれを了承して、一つひとつに「Jud.」と答える。この辺りの雰囲気は会場内架空貨幣が流通するSFコンベンションの類にも似てノリがいい。
トークショーにはホライゾン・アリアダスト役の茅原実里(写真左)、葵・喜美役の斎藤千和(中)、インノケンティウス役の中田譲治が登壇した。
挨拶の際に中田譲治は「今日、出がけにはスカートをはいてこようかなーと思ったけど、あんまり寒いんでパンツで来た人いますか」と魅惑の低音で問い、反応を探ったあとに怒声で「女なら女らしい恰好をしろ!」とキレ芸を演じる。これで場内のテンションがかなり上がった。
また、最終回にあたっての気持ちについて訊かれると「ぼくは昨日のおかずも思い出せない。キャラがいっぱい出るじゃないですか、だからあれ、これだっけ、と考えながら、なかなか筋に集中できなかったんですけれども。あらためて観直してみると、一人ひとりが個性的で、とってもかわいくて、ああこういう話だったんだ、このキャラいいじゃんというような発見がいくつもあったので、きょうは睡魔と戦って最後まで観ていただければ」とコメントした。
もう上映会が始まりそうな雰囲気だが、じつはトークショーはまだまだ続いた。
・MIC(もっとも印象に残ったキャラクター=Most Impression Character)は誰
・今後期待のキャラクター
・アフレコ中もっとも輝いていたキャストは誰
・全話観直すならこの瞬間を見逃すな
MCがお題を出すたびに3人が答えていく。中田譲治の回答が軒並み長いうえ、ひとつに絞り切れないことがしばしばだったが、これは原作を読み込み、すっかりファンになっているからでもあるのだろう。
斎藤千和は見どころに関して「(自らが演じる喜美の)1話の……をノーカットで余すことなく聞いていただくことができる(※テレビ放送ではピー音になっていた部分の規制がBlu-rayでは外れている)、そこを楽しんでいただきたいです」「戦闘のシーンは本当に細かいところまで描かれています。ちょっと歩くだけでおっぱいが揺れたり(笑)。みんなが驚いているのに喜美だけ全然驚いていないとか、愚弟の行動に喜美だけ肯定的な表情をしている。それも見逃さずに。だから私は(台本に)一同と書いてあっても入れないことが多いんですよ。一同が驚いていても喜美だけ驚かないので。余裕を持った表情をしていたりするので、ぜひ大画面で観ていただきたいです」と語った。作り込みの細かさはたしかに『境界線上のホライゾン』のストロングポイント。その質が人気の源なのかもしれない。
このあと第2期放映時期が2012年夏に決まったと、PV内で発表。中田譲治は暗転時にアドリブで「Coming soon…」と重ねてノリノリだった。
2期への意気込みは、という質問に対して茅原実里は「1クールのアフレコが終わりまして。ここから物語が動くというか、始まる。(1クールかけて序章だった、とMCに答えられ)そうなんですよ。本当にそう思います。だから2期が私自身も楽しみです。いまお休みが寂しくて。毎週毎週、たくさんのみなさんに会ってアフレコさせていただいていたので。早く次のアフレコが始まらないかなという気持ちでいっぱいです」と答え、早くもやる気をみなぎらせている。
最後に最速先行上映された第13話には、弘中・隆包(CV:安元洋貴)、江良・房栄(CV:浅野真澄)、フアナ(CV:田中理恵)、フローレス・バルデス(CV:三瓶由布子)、ペデロ・バルデス(CV:川原慶久)といった「三征西班牙」の新キャラクターが登場。2期への布石が打たれた。
1期が序章に感じられる原作の長大なボリューム、1万枚を突破しそうなBlu-rayの売れ行きを考えれば、先々への期待も高まる。
プレゼント大会もあり、眠気にも負けずに盛り上がった上映会。納得感のある心地よい疲弊と2期への渇望を携えて大勢のファンは24日の日の出を迎えた。
(取材・文=後藤勝)
境界線上のホライゾン 〔Horizon on the Middle of Nowhere〕 2
1月27日発売!
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