コミケ超直前!「自爆行為!」のウワサまで……東方ホワイトキャンバス騒動の真相
#同人
本サイトでも既に報じている「東方Project」(以下、東方)。その原作者である、同人サークル・上海アリス幻樂団の代表・ZUN氏と同人ショップ・ホワイトキャンバスの間での批判の応酬、秋葉原界隈の同人誌ショップなどでは「ホワイトキャンバスの自爆行為」とささやかれていることが、取材によって明らかになった。東方が一大ジャンルに成長するまでに、少なからず貢献してきた、ホワイトキャンバスに、いったいなにが起こっているのだろう? 折しも今日からはコミックマーケット。東方と神主(ZUN氏の愛称)を愛して止まないファンたちは、戸惑いを隠せないのではないか。
「ホワイトキャンバスは数年前から、支払いが遅れたり、報告された売り上げと返品数が合わず”売り上げをごまかしているのではないか”といった疑念が持たれるなど、トラブルが相次いでいました。そこにきて、この騒動です。基本的に版権管理が緩やかで儲けさせてくれたはずの当人にケンカを売るなんて……。ホワイトキャンバスはもう二度と東方は扱えないでしょう。店を閉めるか別のジャンルに鞍替えするしかありませんね」
とは、絶対匿名を条件にして話してくれた同人誌ショップ関係者。この人物によれば、ホワイトキャンバスのビジネス手法は、あくまで同人である立場を取り「同人であれば自由に使って構わない」というZUN氏の懐の深さを悪用するものだったという。
「東方は、同人である限りはロイヤリティを要求しません。そこで、同人誌ショップやオタク系企業の社員が、既存の同人サークルに依頼し、原資やアイデアを法人から提供させてグッズを製作販売する方法を取るという事例がありました。これでも、表向きは”うちは同人サークルで、同人誌ショップに販売を委託しているんです”と言うことができる。ホワイトキャンバスは、この手法で収益を上げていたのではないかとウワサされています」(同前)
同人であることを一つの柱にしている東方では、一線を越えてしまったがためのトラブルが、これまでにも起こっている。10年には、AT Projectという同人サークルが、二次創作の東方同人カードゲーム「夢幻」を製作販売し、ユーザーから激しい批判を浴びる事件もあった。この事件で、もっとも問題になったのは「同人」のはずなのに、商業流通でも販売していたこと。このサークルは、謝罪文を発表し商品を回収することになった。
対するホワイトキャンバス側は「係争中のため不払いの金額相当額の全額を供託している」としているが、この訴訟とはどんなもののなのか?
「詳細は明らかではありませんが、秋葉原でもっとも真実味がある話とされているのは、実態はロイヤリティの額をめぐっての訴訟ではないかという説。ただ、ほかの商業ベースの製品で揉めている例はないので、払えない額ではないと思います」(同前)
そして、ホワイトキャンバスは、東方のファンを激怒させる、取り返しのつかない決定的ミスをやってしまっているとも。
「ホワイトキャンバスは”誰もが知っているけど公然の秘密”であった、ZUN氏の本名を晒して批判しています。これでは、神主が可哀想と思う人ばかりで、ホワイトキャンバスに味方する人なんて誰もいませんよ」(同前)
■ZUN氏は訴訟の当事者ではない
この騒動がはじまってから、Twitterなどでは「返本がツっ込み入れても一向に行われない」「売上金を間違って振り込んじゃったから返してね! でも振込手数料はお前持ちな!(と言われた)」といったサークル関係者のツイートが相次いでいるし、2ちゃんねるには社員とおぼしき人物の内情暴露の書き込みも見られる。
こうなってくると、どこまでがデマで、どこからが真実かはわからない。すべてが真実と捉えるのも、これまた危険だ。
そこで、ホワイトキャンバス側に電話取材を行った。まず、係争において問題となっているのが、ロイヤリティの金額であることは「事実ではありません」と全面的に否定する。
「訴訟の件は、取引の中の見解の違いによって、私たちが支払いを差し止めているものです。また訴訟は、弊社と黄昏フロンティア(の運営管理会社である有限会社SUNFISH)との案件です。ZUN氏はライセンサーで黄昏フロンティアはディストリビューターという関係です。つまり、訴訟は弊社とディストリビューターのものなのに、第三者であるZUN氏が、憶測でものを書いているんです。ですので、どういうつもりでしょうかという思いで文書を上げた(12月20日の同社の公式コメントのこと)。あのPDFがすべてです。係争中の案件ですので、様々考えて書かせて頂いた。読んで頂ければ、普通の人ならばわかるはずです」(対応した担当者)
その上で「今、お話ししたこと以外を書かれたら抗議する」と釘を刺された。
コミックマーケットでは多くの同人誌ショップの社員が、同人作家への委託依頼や挨拶回りをしている姿が見られるが、ホワイトキャンバスの人々は、本筋の商売よりも説明に追われることになるのではないか。前述のように、東方や同人ソフトの隆盛に同社が功績が大きかったのも事実だ。魔理沙を愛して止まない筆者としても、この騒動は悲しい。よって、この問題は引き続き追っていきたい。
なお、筆者はコミックマーケット期間中は、新著『マンガ論争6』が先行発売される東4ホールガレリア側(救護室横)特設販売スペースに常駐する予定なので、情報提供などは、こちらへ。(ホワイトキャンバスも出展する)企業ブースの状況など、なにか動きがあれば、コミックマーケット開催中も随時、続報をお知らせするつもりだ。
(取材・文=昼間たかし)
魔理沙も泣いとるよ。
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