「収入はピークの半分! でも……」テレビから消えても生き残る”一発屋芸人”の経済学
#ダンディ坂野
先日ある記事で、ダンディ坂野の現在の収入について触れていて、現在はピーク時の半分ほどだという内容があった。
一見半減して大変そうにも思えるが、よく考えると、ピーク時の収入といったらおそらく相当な額ではないか。そうなるとその半分といっても、下世話ではあるがそれなりに十分な金額のような気がしてしまう。
いわゆる”一発屋”の芸人で、ブームが去った後に、仕事と収入が激減してしまう人は少なくない。しかしその一方で、テレビでの露出は減ったものの、営業でひっぱりだこになり、ブームの時に匹敵する(あるいはそれ以上の)忙しさの人もいたりする。
営業に向く芸人、向かない芸人、その違いはどこにあるのだろうか。人気バラエティーや情報番組などを手がける放送作家は、営業向きの芸人について、こう語る。
「まず大前提としていえるのが、芸が分かりやすいこと。分かりやすいギャグがあるかどうかですね。テツandトモさんの『なんでだろう』とか、ダンディさんの『ゲッツ!』とか、誰でも知ってるこれというネタや、そのギャグだけでひと盛り上がりがあると確証される人は、営業でウケると思います」
これは、営業が行われる場に特徴がある。
「見ているお客さんが、みんなお笑い好きな人であるとは限らないというところですよね。人気者の芸を見て、『いや~、アレ見られた、よかったなぁ』ぐらいの軽いノリでいいんです。だから、普通の漫才をやって、いくら面白くても、営業には向かない場合は結構ありますね。変な言い方ですが、『ゲッツ!』をやってくれれば、それだけで十分、それだけで価値があるということはいえますね」
一方で、ブームが沈静化した後にもテレビの世界に残り続ける芸人もいるわけだが、今のテレビ番組に求められているのはどういった類の芸人なのだろうか。前出の作家は言う。
「テレビ番組は、そのときどきのトレンドを拾った番組づくりをするのが基本です。それで、今は依然としてトークが中心になることが多いので、自然とトークがうまい人が使われることになっていきます。もしくは、いじられたときの切り返しがうまい人ですね」
さらに、本来のお笑いに何かプラスアルファがある芸人はテレビで使われることが多い。
「クイズ番組なんかだと高学歴を持っていることでしょうし、何かの資格の1級を持っていることとか。そのときのテレビの流れに乗った特徴的なものを持っていれば、それに合わせて声がかかるということはよくあります」(同)
また、テレビを離れて、営業のプロとしてやっていくという道もひとつの正解なのかもしれない。
「綾小路きみまろさんみたいなタイプもいますからね。あそこまでいけたら本当にすごいです。ただ、特に地方はその傾向が強いですが、『テレビに出てるあの人が来た』というのが結局は大きいんです。ある程度はテレビに出て広報活動のようなことをしておかないと、時間がたつにつれて営業の場での価値もだんだんなくなっていきます」(同)
売れていた時代を知らない人が増えてくると、営業で当時の鉄板ギャグをやっても、「何それ?」状態になってしまうわけだ。
「あの人は今」や「一発屋芸人特集」などでも、定期的なテレビでの露出をしていくこと。これが営業を成功し続けさせるためにも大切なことのようだ。
バブリー!
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