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「3.11」と「その後」を忘れない……後世に伝えるべき地震と原発の記録

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 日本中が一瞬にしてパニックに陥った2011年3月11日14時46分18秒。太平洋沿岸部の3県を中心に甚大な被害をもたらしたマグニチュード9.0は、人々の平穏な時間の流れを”震災前”と”震災後”に隔てた。

 そして今日、運命のあの日から9カ月目を迎えた。後世で”震災の年”として記憶されるであろう2011年も、もうすぐ終わろうとしている。もちろん、各メディアは震災関連のニュースを発信し続けてはいるが、その数は地震発生当初とは比べるべくもなく減少し、その多くは震災の人的、物的な被害に対する具体的な言及を離れ、震災当時とそれ以降における政府及び東京電力の対応への批判が中心となっている。

 しかし現地には、かさぶたにさえもなっていない生々しいキズが残っている。ニュース報道で頻繁に用いられるベクレルやシーベルトといった単位は、あたかも被害の実情を正しく数値化しているように聞こえるが、そこには現実を現実として受け入れるための大切な要素――”痛み”が欠けている。

 そんな痛みを再確認するためのDVDが、竹書房から2作リリースされた。1作目は東北放送(TBC)が製作した『東日本大震災の記録~3.11宮城~』。タイトルが示す通り、宮城県内各地で撮影された震災発生当時及び大津波到達当時の記録映像を中心に、専門家による巨大地震・大津波のメカニズムの解説、そして地震直後は停電のために視聴できない人が多かった、当日のTBCニュースの映像などが収録されている。

 このDVDは、製作者である東北放送の「この東日本大震災の記録が、今後の地域防災・防災教育に役立てられるとともに、時代を超えてより多くの人たちに伝えられ、将来起こりうる被害を未然に防ぐ一助になればと願う」という序文の通り、多くの人が見るべき第一級の映像記録である。発売後、宮城県や東北地方を中心に品切れの状態が続いているという。

 興味深いのは、これが震災で直接被害を受けた地元放送局による映像という点だろう。そこに映し出されているものは、地元放送局だからこそ捉えられた津波に呑み込まれてゆく町の様子や、なす術もなく見つめる人たちの姿、それはまさしく人々を襲った痛みであり、リアリティである。だが、そうした映像を記録し続けるカメラマンたちもまた余震の恐怖や身近な人の安否に関する不安に押し潰されそうになる被害者の一人であるはずだ。だからこそ事実を追う人間の裏側にある葛藤や痛みが、見る者の心に迫る。われわれは記録として残されたこの映像を繰り返し見ることで、また後世に伝えることで将来への教訓としなければならない。

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 続いて紹介する『放射性廃棄物~終わらない悪夢~』は、原子力企業が行なっている核再処理の実態に迫ったドキュメンタリー。福島の原発事故により原発の安全神話は完全に瓦解したが、この作品では、仮に事故が起こらなくても人的被害をもたらす可能性の高い核廃棄物の問題に切り込んでいる。

 福島の原発事故は、日本の電力事業におけるターニングポイントとなるだろう。そうならなければおかしい、と言った方が正しいだろうか。いずれにせよ、原発再開に「YES」と胸を張れる人間は確実に少なくなっている。このドキュメンタリーを見る限り、世界でもその流れは加速していく。最終的な行き場もないまま垂れ流される使用済み核燃料からの放射線、そしてひとたび事故が起これば……。

 フランスでこのドキュメンタリーが製作されたのは2009年だが、それから2年を経て原発を取り巻く環境が大きく変わった現在でも、その”警告”は胸に突き刺さる。

 〈貴重な震災の記録〉と〈原発のタブーに迫るドキュメンタリー〉、震災の年の締めくくりとして、見る価値は充分にある。3.11で得た大きな痛みを風化させないためにも。

●竹書房
http://www.takeshobo.co.jp/

DVD 東日本大震災の記録~3.11宮城~

もう9カ月、まだ9カ月。

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放射性廃棄物 ~終わらない悪夢~

NHK-BSでも放送されました。

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最終更新:2011/12/11 12:00
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