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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 大槻ケンヂさんの至言「ネガティブを売りにすると自家中毒に陥るんです」(後編)
【第30回】小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談

大槻ケンヂさんの至言「ネガティブを売りにすると自家中毒に陥るんです」(後編)

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前編,中編はこちらから

──じゃあ、須藤●気さんとかならいいですか?

大槻 そういうスピリチュアルっぽい感じな方向にも行かなくていいです。それよりスポーツとか、編み物とか、ボランティアとか……。

──あ、編み物じゃないですけど、ニードルフェルトやりました!

大槻 なあにそれ?

──ほわほわの羊毛フェルトに、針をチクチクチクチク、千回二千回と刺し続けて……作業としてはブードゥの呪いのようなんでけど、それでお人形とかを作るんですよ。

大槻 あら、そうそう、それでもいいですよ。ようし分かった! ハワイアンキルトのカリスマがキャシー中島だから、ニードルフェルトのカリスマになろう。それでいいじゃん!

──でも、超気持ち悪い人形ができちゃうんですよ。ちゃんとお手本見て作ってるのに絶対そうならなくて……。

大槻 ああ……そうだった。出ました、小明ちゃんの話法が。僕が、「こうじゃない?」って言ったときに、「でもそうすると……」って転がしていく。もう、じゃあ自分で考えればぁ!? なんでそれをやめないの!? 「でも……」って、もう120回くらい君は言ってるよ!! 小明ちゃん、このまま三十路を過ぎると、もう冥府魔道ですよ。妖怪が生まれるんです。

──いつの間にか妖怪になりつつあったのか……7年前にもアドバイスをしてもらったというのに……!

大槻 本当だよ、もう! 急いでキャラを変えようよ! 昔ね、プロレスラーで中西学っていう、すごい野獣バカキャラだった人が、急にスーツを着てインテリキャラになったことがあって、全然意味分かんなかったけど、それくらいの変身をやろう!

──そのキャラ変更、オーケンさん以外の誰に響いたんですか?

大槻 誰にも響かないよ。だからすぐに元に戻ったんだけど、プロレスラーってたまにやるのよ、そういうキャラ変えを。飯塚高史っていう、ルックスもよくて試合運びもうまいんだけど人気ないレスラーがいたのね。とにかく暗いのよ。で、その人が一度、J・J・JACKSっていう、「日本の陽気なやつら」っていうタッグチームを組んで、それが(笑)、もう(笑)、本当に(笑)、なんか(笑)、プロレス界の恥くらいに言われて(笑)、結局沈んじゃったんだけど、最近になって突然スキンヘッドにして、ひげを生やして、鉄の爪をつけて、リングアナを出てくるなりネクタイだけの裸にしちゃって結構ブレークしてるから、小明ちゃんもそのようにしてぼやきキャラをやめてみよう。……でも、キャラでやってるんじゃないもんね、染み付いちゃってるもんね。

──そうですね、わりと意識せずに出ちゃってて……。でも、「ブレずに続けることが大事!」みたいなことも聞きますけど、キャラ変えって、そんなにしていいものなんですか?

大槻 キャラ変えは、これがダメだったら次はこのキャラで! って、どんどんやってく分にはいいんじゃない? 天功さんだっていいんじゃない? だって、引田天功さんからいろんな派生が生まれていくかもしれないし。北朝鮮、絶対いいって~。本物からオファーが来るまでやればよかったんだよぉ。引田天功からすり替わりで小明ちゃんになるとかさぁ。コロッケからの美川憲一現象ですよ、神無月からの武藤敬司とか、ふたりで営業回れたら世界中で活躍できたよう。

──おこぼれで離島のひとつくらいもらえたかも?

大槻 もらえたよ! 絶対もらえて、あと、なんか勝手に移動するミッキーマウスとか……。

──それはいらない! でも、以前、うちの母親が天功さんの朝風まり時代のアイドル動画を見て「あ、小明?」って、自然に私と間違えたことがありました。

大槻 だからそこだったんだよ! 天功さんにしたって、スタイルもいいから「でも結局、若い子より私!」っていう伸びしろがあるじゃん。で、小明ちゃんも、そのー、あのー、えー……そう! いろんな人に目をつけられて、とにかく天功でブレークだよ!!

──やっと私の人生にブレークが見えてきたよう……な? あの、私、全然まだグラビアアイドルあきらめてないですから。夢はグラビアアイドルですし。

大槻 う~ん、それは、おっぱい入れるのが一番ね。

──急に巨乳になるんですか?

大槻 スリム巨乳最高。全然そう思う。ほしのあきさんだってそう、榎本加奈子さんだってそうだった。おっぱいさえ大きければ、最初の写真集は絶対売れるし。

──私の写真集、おっぱいないせいか6割返本でした。

大槻 そう、おっぱいないからだよ。問題点はみんな分かってるじゃん。おっぱいにいくか、天功にいくかだよ。むしろおっぱい入れて引田天功のモノマネすればいいんだよ。そしたら後はいくらぼやこうといいよ。……そこだよ!! シンプルさ!!

──やっぱりおっぱいは偉大ってことですね! 前々回、みうらじゅんさんに相談させてもらったときに、「SPA!」(扶桑社)の「グラビアン魂」に出してもらおうと思って、私のデビューから現状までのエロスクラップを作ってアピールしたんですけど、「会話の途中にロフトプラスワンとかが出てくる女では抜けない」って却下されたんですよ。おっぱいさえあればもっと違った返事だったかも……悔しい!!

大槻 うーん、そうね。今『モテキ』とかでもプラスワンが出てきたりとか、サブカルの認知度が高くなってきてるから、一般ユーザーが「サブカルってなんだ?」っていうときに、「小明という女の子がサブカルでアイドルと称しているらしい」ていうのが耳に入れば……。

──でも、趣味と知名度がメジャーじゃないってだけで、特にサブカルな知識が豊かなわけじゃないですよね、私。

大槻 また「でも」だ!! ああ~!! もうっ!! めんどくさいなあっ!! めんどくさいから売れないんだよぅ!!

──えぇー!!

大槻 そこだよう! あのさ~、捕まった加護ちゃんの彼氏の関係者みたいな人が言ってたけど、加護ちゃんの男は、加護ちゃんの前に華原朋美と付き合ってたのよね。その人が言ってたけど、やっぱり朋ちゃんはめんどくさいって……。

──なんか、情報源が「BUBKA」(コアマガジン)とか「サイゾー」っすね(笑)。

大槻 バレちゃったぁ~っ!! うぅ、でも、そうなの、そう……。だから、もう、アイドルっていうのは、やっぱり彼女になってくれて従順に見える方がいいわけだから、めんどくさそうな子は、アイドル好きは嫌なんです! 世のグラビアとか見る人は、おっぱいがボンッとあって、エロそうにして、めんどくさいこと言わない子がいいんです! そりゃそうじゃん!? 男はみんなそうだよ! それは、台風のとき爺さんは川の様子を見に行くな、と同じくらい、重要なことですよ!!

──台風の時期は、恒例行事なのかしらってくらい、毎年見に行って持って行かれてますね。

大槻 きっと姥捨てみたいなことなのでしょう。あと屋根に乗っちゃうお爺さんも。そしてお婆さんは山で熊と戦う。

──デンデラ~!

大槻 あはは、『デンデラ』すごいよねぇ(笑)。……話を戻すけど、そのぼやき話法の女性を矯正するにはどうすればいいのかな。全部肯定するのがいいのかなー。「でも私なんて……」って言われた後に、「本当だよ!」って、全部肯定で返す男子はどうなの?

──それちょっと嫌ですね、むしろ叱って、道を正してほしい。

大槻 あ、分かった! つまり叱ってほしいんだね! でも、正されちゃうと叱られないからぼやき続けるんだ! そういうことか! うん、分かった! だから常に漫才みたいに小明ちゃんがぼやいて、常にそれを肯定して、「そうじゃないよ!」って、ず~っとエンドレスでやってる夫婦生活みたいなのができれば、それが一番あんたは幸せなんだよ。そうすれば、アイドルでいたいなんていう戯言も言わなくなるよ。

──え?

大槻 そんな世迷い言も、もう言わないと思う。

──私がアイドルでいたいのは世迷い言? そんなバカな! でも、そんな彼氏がいたら素敵かも! いい人いないですかね~?

大槻 そいつを求めて旅をしたらいいと思う。屋久島とかにいるかもしれないよ。まぁ、どっかにはいると思うわ。とにかく、もう、アイドルでいたいなんて思わないように!

──いや、だから、全然あきらめてないですから!

大槻 まだそんな戯言を言っている。困ったなぁ。じゃあ、AKB48みたいに、ぼやきを48人集めてBYK48とか、天功似を48人集めたTNK48を作って、天功が48人で、まさにイリュージョン! とかやりゃいいじゃんよ。

──どっちも、そんなにいたら壮観でしょうね~。

大槻 ……あとは、本当にぶっちゃけなアドバイスだけど、フツーにMUTEKIとか出たら?

──できれば嫌です。あと、誘われないです。

大槻 どうしろっていうのよ~! キ~!! もうね、年もごまかして、佐賀県あたりのゆるいご当地アイドルのオーディション受けなよ。で、落ちちゃってね、あはははは(渇いた笑い)。そのとき分かるんじゃないかな? 自分は何者かっていうのが。……以上! きついことを、俺は言ってやった! 帰る!

――えっ、ちょっ、待っ、あ、ありがとうございました……!
(取材・文=小明)

●おおつき・けんぢ
1966年、東京都生まれ。ロックミュージシャン。87年に「筋肉少女帯」としてメジャーデビュー。一躍スターダムに上り詰め、「特撮」でも活動中。また、92年に処女小説『新興宗教オモイデ教』(角川書店)を発売。以降、文筆家としても多数の作品を著している。

●あかり
1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/
サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中

5年後の世界

6年ぶりの新作です。

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最終更新:2018/12/19 14:59
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