「一桁寸前……」視聴率垂直落下の『南極大陸』TBSとジャニーズの醜い癒着
#ジャニーズ #SMAP #木村拓哉 #本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」 #本多圭 #南極大陸
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前回の当コラム(記事参照)で危惧した通り、TBSとジャニーズとの癒着の賜物である、木村拓哉主演ドラマ『南極大陸』の視聴率が、第5話にして13.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)まで落ちた。「1話あたり製作費6,000万円もかけて、この数字とはなんだ」と、TBSの上層部を慌てさせているようだ。
あるTBSの制作スタッフは、「裏番組で、バレーボールや日本シリーズがあったから」と弁解したが、それ以外にも視聴率が落ちる理由はあった。今回の作品は、キムタクには不相応だったのだ。
キムタクは時代劇映画『武士の一分』や、TBSの創立55周年記念ドラマ『華麗なる一族』で、シリアス路線を演じてみたが、どうもいつものキムタクと変わらない。『南極大陸』では、キムタクを将来的に高倉健さんばりの俳優にしたいというジャニーズ側の思いもあって、映画『南極物語』での健さんとダブる役回りに挑戦させた。明らかに健さんを意識して、低く野太い声を出してみても、やはりキムタクはキムタク。演技が板についてなく、違和感がありすぎる。要するに演技力がないのだ。
最近、車のCMでキムタクと共演したビートたけしにキムタクについて聞いてみたが、「いい役者じゃない?」と言うだけで、それ以上多くを語らなかった。たけしは先だって、2012年秋公開予定の映画『あなたへ』において、27年ぶりに高倉健さんと共演。改めて、健さんの存在感に敬服したという。察するところ、キムタクにはその存在感がなく、『南極大陸』では個性的かつ豪華な演技派脇役陣に飲まれてしまっているのだ。
それにしても、なぜTBSは、これほどまでにキムタク贔屓なのか。いや、最近では香取慎吾主演の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のドラマや映画でも大ゴケしているように、SMAPへの優遇ぶりが目に余る。その理由は前回のコラムでも指摘したが、それだけではなかったようだ。
TBSの関係者によると、彼らがSMAPに頭が上がらない大きな理由のひとつが、毎年、TBSが中心になって手がける複合施設・赤坂サカス内に期間限定でオープンする「SMAP SHOP」にあるという。
SMAP SHOPは、SMAPの関連グッズを販売するタレントショップだが、08年から毎年年末に1カ月ほど限定で、赤坂サカスのTBSストアにて営業されている。これは、同年にオープンした赤坂サカスへの集客のための目玉イベントで、テレビ事業が不振の同局にとっては、SMAP SHOPから得ている経済効果はバカにできないものになっている。単なる物販売り上げではなく、同ショップ目的でやってきた女性たちがサカス内の他の施設でもお金を落としてくれるのだ。
こうした旨みを知ってしまったTBSには、SMAPとは切っても切れない関係ができてしまった。そして今は、SMAPファンを相手に商売をするために、公共の電波を利用して、SMAPを接待しているような状態だ。昨年公開したキムタク主演映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』にしてもしかり。TBSが製作委員会の中心である同作品に客を呼ぶために、電波を使いまくり、テレビ事業の赤字を埋めるための収益を確保。宣伝のために他局のバラエティ番組にまで出演して、PRに奔走するキムタクの姿は哀れみさえあった。そんな”タレント”に、高倉健をタブらせようということ自体、無理があるのだ。
前回、TBSの制作スタッフによる「ジャニーズと心中したくない」という訴えを紹介したが、その言葉がいよいよ現実になろうとしている。SMAP人気の低下が叫ばれ、SMAP SHOPだっていつまで続けられるかわからない中、「ドラマのTBS」を本当の意味で復活させたいのなら、SMAPに限らず、主演俳優の知名度に頼ることはやめ、優良なドラマを制作できる人材育成や環境整備をすることが最優先だろう。
(文=本多圭)
黄金期からはや15年。
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