「精算すべきは”ドン”との関係」”暴力団排除の指針”発表のNHKにモノ申す!
#NHK #紅白 #暴排条例
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!
NHKが、番組出演者周辺からの暴力団排除の指針を発表したことで、年末の『紅白歌合戦』の出場者の選定が注目されている。だが、NHKに出入りしている筆者の知人の音楽プロモーターは「出場者は去年弾かれたK-POP勢が加わるだけで、例年とたいして変わりませんよ」と言う。
10月1日に東京都で暴力団排除条例が施行される前から、活字メディアでは、過去に暴力団との交際が発覚した芸能人や黒い交際のうわさがある芸能人の名前が飛び交っている。テレビ局が作成したといわれる「BG(ブラック芸能人の略)リスト」まで出回っている。
名前を挙げられた歌手や所属プロは『紅白』出場を控えて、さぞ戦々恐々とした日々を送っているだろうと思われていた。特に、北島三郎をはじめとして演歌勢は、当落に怯えているのではないかと。ところが、前出の音楽プロモーターによると、騒いでいるのはマスコミだけで、本人たちは平然としているという。なぜなら、当局は、暴排条例は過去の暴力団と交際は問わない――つまり”現行犯”以外はお咎めなしという方針だからのようだ。
暴排条例施行前に”黒い交際”のうわさがあった芸能人や所属プロの中には、一時的にせよ、暴力団との交際を断ち切ったり、暴力団側からのアプローチに対しても無視を決め込んだりしている者が多いという。それに対して、暴力団幹部から「こっちから付き合いはゴメンだ」と”絶縁宣言”されている芸能人も多い。
警視庁は暴排条例施行に向けて、芸能人やプロダクションが暴力団へ利益供与を行なっているという点を暗に喧伝している節があった。確かに、昔は興行に暴力団が絡むことで利益を得ていたということはあるだろう。だが、最近は興行で客を呼べる歌手はほとんどいなくなり、また警察の目が厳しいために、そこで暴力団が利益にあずかることは稀だった。暴力団にとって、芸能というシノギは決してうまみのあるものではなくなったのだ。反対に、芸能人が暴力団幹部に金品をもらっいるというのが現実だ。このように、散々、芸能人に利益供与しながら、島田紳助の引退騒動以来、急に煙たがられたとあっては、暴力団側から手を切りたくなるのは当然かもしれない。
話は逸れたが、NHKが暴力団排除の指針を出しても、歌手側としては、痛くも痒くもないということだ。「今は交際していない」と主張する歌手側に対して、それを追及できるほどNHKは腰が据わっているわけでもないし、そもそも、そう簡単に歌手たちを切れないという、これまでの蓄積がある。
何よりも芸能界において問題なのは、暴力団との関係より、テレビ局の制作・編成と芸能プロとの癒着だ。当コラムでも何度も指摘しているように、テレビ局側は特定の芸能プロの接待攻勢にズブズブに浸かっているし、視聴率やスポンサーを獲得できるタレントを抱えている事務所などにはめっぽう弱い。『紅白歌合戦』についてもご多分に漏れず、番組スタッフは、演歌からJポップにまで影響力を持つ「芸能界の実力者」に”毒まんじゅう”を食わされてきており、この実力者の意向を汲んで『紅白』出場者も決まってきた。今年も同じ。簡単にその構図からは抜けられないのだ。
本当にNHKがクリーンさを求めるのなら、まずはこの実力者との関係を見直さないといけない。この実力者こそ、暴力団と深い関係を続けてきた当事者なのだから。そうした意味では、当局もこの実力者を暴力団との「密接交際者」として認定し、公表すれば、芸能界は大きく変わるのではないだろうか。その日は遠くないと、筆者は信じたい。
(文=本多圭)
けっこうユルいんです。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事