千葉・バス立てこもり「マスコミを呼べ!」容疑者・荘司の知人が告白するその”主張”とは
#事件 #刑務所
「マスコミを呼べ! これを渡すんだ!」
「分かった、要求があれば聞くから」
16日朝、千葉市中央区のバス立てこもり事件で、ナイフを持って運転手と女性を人質にとった男は、片手にマスコミ宛の封書を持っていた。「緊急事態発生中」の表示を点灯させて繁華街の道路脇に停車された路線バスの中で、警察による約1時間の説得の末、警察がバス内に突入し、男は現行犯逮捕された。
幸い人質にケガはなかったが、捜査関係者によると犯人の荘司政彦容疑者(65)は、「前に服役したときひどい扱いを受けた。何度も警察に訴えたけど、取り合ってもらえなかった」と動機を語ったという。所持していた封書には数十枚の分厚い資料が入っていた。
荘司容疑者は2000年に大阪市で内縁関係の女性を絞殺したとして殺人罪で実刑判決を受け服役。”ひどい扱い”というのはこのときのものだというが、出所直後の08年12月にも、千葉大医学部の駐車場で通行人の女性の首を8分間も絞めて逮捕されており、再び服役している。当時も「刑務官からのひどい扱いを警察に訴えたが受理してもらえなかったから騒ぎを起こした」と話していたことが分かっており、つまり”服役中の不当な扱い”を主張するために2度の事件を起こしたというわけだ。
そこまでして荘司容疑者が訴えたかった”ひどい扱い”とは一体どういうものだろうか。荘司容疑者は昨年春ごろに出所していたが、実は昨秋アルバイト先で2週間ほど一緒に働いたという男性(49)が、荘司容疑者の主張の一部を聞いていたと告白している。
「私も過去に2度目のスリで服役したことがありまして、彼とは刑務所内の話で盛り上がったんです。すると彼は『俺は何も悪くないのに何度も懲罰房に入れられた』と興奮し始めました。所内では刑務官に点検用意と言われたら正座して待たなければならないんですが『ヒザが悪くて少し動作が遅れただけで厳しくされた』とか、『何もしていないのに不正連絡をしたと懲罰を受けた』とか語っていました。また、それを抗議すると『あとで行進中に背後から蹴られたり、刑務官がストレス解消のために自分に嫌がらせを続けた』とも言っていました」
この話になると荘司容疑者は「絶対に不正は許されない」と一方的にまくしたてていたというが、男性は「そうですね、と話を合わせると『一緒に警察に訴えよう』と誘われたこともあった」という。
もしかすると刑務官の不当な行ないは事実だったかもしれないが、どんな主張であっても犯罪行為を伴っての訴えが聞き入れられるはずもなく、今回の事件で適用される人質強要罪で起訴された場合、6カ月以上10年以下の懲役刑で実刑判決が予想される。荘司容疑者の持っていた封書が表になることはなさそうだ。
(文=鈴木雅久)
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