マカオの新名所「The House of Dancing Water」メディア取材レポート
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マカオのカジノ複合施設「City of Dreams」の特設シアターにてロングラン公演されている、水を使ったエンターテインメントショー『The House of Dancing Water(水舞間)』(以下THODW)。その1周年を記念したメディア取材ツアーが行われた。
2006年にラスベガスを抜き世界一のカジノ都市へと変貌を遂げた、中華人民共和国マカオ特別行政区。日本からは香港経由や直行便など4~5時間程度でアクセスできる地の利もあり、日本人にも人気の高い観光地として年間41万人もの邦人観光客が押し寄せているという。
もっとも、マカオの集客力はギャンブルだけにあらず、ポルトガル統治時代の町並みを中心とした世界遺産をはじめ、カジノ複合施設にたむろする売春婦や独自のサウナ浴場など、リーズナブルな性の歓楽街として世の男性から支持を集めている。
加えて現在はハイパー円高モード。マカオの通貨でもある香港ドルは、アメリカドルと固定相場の関係のため、円高パワーにものをいわせたマカオ豪遊が楽しめる絶好のチャンスでもあるのだ。
そんな折、日刊サイゾー編集部に届いたのは若きカジノ王からの招待状。ホテル、カジノ、ショッピングモール、テーマパーク、シアターなどを有するマカオの一大カジノコンプレックス「City of Dreams」のオーナー、ローレンス・ホー氏が「ぜひ日本のメディアに見てもらいたいショーがある」というのだ。
件のショー「THODW」は、City of Dreams内にある特設劇場で昨年9月より公演されている。日本でもおなじみのサーカス集団シルク・ドゥ・ソレイユにて『キダム』『サルティンバンコ』など数々の演目を手掛けるフランコ・ドラゴーヌ監督による最新作のひとつであり、巨大なプールを使う大がかりな舞台装置のため、ここマカオでしか見られないのだという。
開演当初からチケットが取りにくい状況が続くTHODWだが、この度380回の公演で70万人以上の来場者を魅了し、秋に1周年を迎えるにあたりその記念式典と観劇に日本のメディアが招待されたというわけだ。
香港経由でマカオに入国するなり早速観劇へ。270度の客席を持つ特設の円形劇場は形状こそサーカスのそれだが、ステージ全体が水で満たされている点が通常と大きく異なる。この巨大なプールのステージが、劇中どんどん動いて変化するのだ。
開演直後はなみなみと水をたたえる海のようなステージなのだが、その海底から巨大な海賊船が浮かび上がってきたかと思うと、次のシーンでは固い地面にさっと切り替わりアクロバティックなサーカスが繰り広げられる。あるときは80メートルもの高さからダイブできるほどの深さになれば、あるときは波が打ち寄せる浅瀬になり、またあるときはバイクが走り回るドライなフロアへと目まぐるしく切り替わっていく。
しかも、決死のダイブをしたアクターが再び海面に浮かび上がることなくステージからはけたり、水面からゆっくりせり上がるフロアに横たわった人々が、ゾンビのように這い上がってきたりと、「どこにはけたのか?」「どうやって出待ちしていたのか?」「きっと練習中や本番中に死人や怪我人が出たに違いない」と思わずにはいられない驚異の演出が目白押し。
ストーリー自体は、現代のマカオの水夫がどういうわけか剣と魔法が支配する世界に紛れ込み、王国の後継者争いに端を発するバトルに巻き込まれていくという内容なのだが、ほとんどセリフがないので、性別や年齢、言語に関係なく、誰もが楽しめるスペクタクルショーとなっている。
終演後「あれは、やばい……」と取材ツアー参加者らで絶句したのだが、さらにやばかったのは、通されたホテルの部屋。初日はCity of Dreams内にあるハードロックホテルの部屋があてがわれたのをはじめ、2日目はさらにグレードの高いグランド・ハイアットのツインベッドルームにチェックインするなど、これでもかとホー氏のおもてなし攻勢は続き、思わず財布のひもがゆるんだ筆者はカジノで4万円”する”始末。
とある媒体の編集者も、はっちゃけすぎたか明け方クラブイベントでモエシャンドンを頭からかぶる姿が目撃されたのを最後に、翌朝のバックステージツアーに現れることがなかった。かつてハンター・S・トンプソンが『ラスベガス★71』で描いた往事のラスベガスの乱痴気騒ぎもかくありなん?
そんなわけで断じてホー氏に懐柔されたわけではないが、City of Dreamsでしか観られない『The House of Dancing Water』は一見の価値ありですっ。風俗ついででもかまわないので、マカオに立ち寄った際はなんとしてでもチケットを手に入れたい。そう、未曾有のハイパー円高モードのうちに、ね。
(文=熊山准)
これでバッチリ!
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