フジテレビから、朝日新聞まで……主要メディアの戦略を網羅『マスコミは、ネットを一体どうしたいのか?』
「(略)当面は有料課金型でいく」(フジテレビ)
「民放はこれまでも無料広告モデルで運営してきたので、(略)シナリオが描きやすい」(日本テレビ)
8月の月間平均視聴率トップ2である大手テレビ局の間でさえも、ネット事業への姿勢は180度違う。
ネット黎明期と呼ばれる1990年代中頃から、はや15年。いまだにマスコミ各社のネット事業は暗中模索の中にある。
「マスコミは、ネットを一体どうしたいのか?」
過去、無数のマスコミ関係者が挑み、答えを出せなかったこの「古くて新しい」問いに今回挑んだのが、IT業界専門紙である電経新聞の社長兼編集長を務める北島圭氏だ。
その苦悩の軌跡が刻まれた本が、10月5日発売された。タイトルはずばり『マスコミは、ネットを一体どうしたいのか?~主要マスコミ31社への徹底取材でわかった、マスコミとネットの現実~』
1カ月ほど前より、本書がサイゾーから出版されるとの情報を聞きつけたマスコミ関係者から、「いつ出版されるか?」「見本でもよいので今すぐ入手できないか?」などとの問い合わせが相次いだ。
本書執筆の動機について北島氏は、「ネットがメディアとしての役割を大きくする中、既存のマスコミはどのようにして生き残ろうとしているのか。そのあたりの動向を知りたいと考えた」と語るが、ネットとマスコミの関係を論じた本であれば、既に書店に溢れているのが現状だ。
しかし、それらは往々にして、評論家的なモノ言いに終止したり、ネットとマスコミを無闇に対立させたり、現状の有様を大げさに煽っているものも多い。それに対し本書は、あくまで「当事者」として核心に迫りつつ、細かい事実の積み上げの上に、全体像を浮き彫りにさせようとしている。
一例を挙げよう。例えば出版社。「ネットから火を付け雑誌創刊にまで至らせた実績のある扶桑社」に対し、「新潮社は試行錯誤の結果『やはり紙』に回帰した」が、何が両社の違いを生んだのか? このような生きた事例を100以上ピックアップし、取材を通じ入手した膨大な証言やデータ、海外事例、そして第一線で活躍する識者の知見も交え、徹底的に分析したのが本書である。
そのために北島氏は、文字通り「可能な限り」多くの関係者に取材を行い、その数はマスコミ4媒体(テレビ局、ラジオ局、出版社、新聞社)で計31社、各社のネット戦略責任者やキーマン50人以上にも及んだ。
メディア関係者のみならず、メディア、ネットと付き合わざるをえないすべての現代人必読の本である。
【本書で検証される約100以上の事例の一部】
「ネット事業で成功している意外なあの企業の取り組みとは?」
「なぜ日テレは、動画配信サービスで他社に先駆け黒字化を達成できたのか?」
「NHKオンデマンドで見えたネットユーザの意外なニーズとは?」
「ラジオNIKKEIがDL数累計1億件を突破した理由とは?」
「なぜニッポン放送は『ネットラジオは柱にならない』と断言するのか?」
「日本初の本格的有料ネット新聞を開始した日経新聞の思惑は?」
「なぜ産経新聞は、いち早くネット事業に取り組むも、いまだ黒字化が見えないのか?」
【本書で取り上げたマスコミ企業】
・テレビ局/ラジオ局
NHK、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、ニッポン放送、ラジオ日本、TBSラジオ、J-WAVE、FMヨコハマ、ラジオNIKKEI
・出版社
講談社、集英社、新潮社、扶桑社、光文社、双葉社、サイゾー、アルファポリス
・新聞社
日本経済新聞、産経新聞、朝日新聞、全国新聞ネット、時事通信、毎日新聞、信濃毎日新聞、山梨日日新聞、神戸新聞、日刊現代、日刊自動車新聞、ジェイ・キャスト
マスコミは、ネットを一体どうしたいのか? 主要マスコミ31社への徹底取材でわかった、 マスコミとネットの現実
必読です。
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