気の毒すぎた『イケ☆パラ』AVのような『ろくでなしBLUES』……夏ドラマ総決算!
#アイドル #ドラマ #AKB48 #前田敦子
思い返せば、前田敦子主演『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』(以下、『イケメン☆パラダイス』/フジテレビ系)ばかりがネタにされていた印象の今夏の連ドラ。前クールの『マルモのおきて』(同)のような突発的なブームも起きず、正直「どんなドラマやってたのか分かんない」なんて人も多いかもしれない。
しかし、慢性的な低視聴率傾向に悩むテレビ局様が、暑い中、汗をかきかき作り上げたドラマの数々。もったいないので、風化する前に数字と共に振り返っていきたい。
■4人に1人が観ていた「えなりかずきの披露宴」
視聴率トップは、NHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』(NHK総合/平均16.2%/ビデオリサーチ調べ、関東地区 ※以下同)。7月24日放送分では、平均視聴率18.9%を叩き出すなど、さすがの安定感を見せた。
そこに続くのが、刑事ドラマ『新・警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日系/15.83%)。2006年にスタートした同シリーズは、これで6シーズン目。渡瀬恒彦&井ノ原快彦のコンビは、『相棒』(同)同様に固定ファンを獲得しているという。
さらに刑事ドラマのパイオニアであるテレ朝は、黒木メイサと多部未華子が事件解決に挑む『ジウ 警視庁特殊犯捜査係』(テレビ朝日系)を放送。黒木メイサが城田優を相手に初濡れ場に挑戦した効果もあってか、最近の深夜帯ドラマにしては大健闘の平均8.6%を記録した。
視聴率の上位は以下の通り。
1位『江~姫たちの戦国~』(NHK総合)16.2%
2位『新・警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日系)15.8%
3位『渡る世間は鬼ばかり』最終シリーズ(TBS系)14.9%
4位『ブルドクター』(日本テレビ系)13.1%
5位『絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)13.1%
6位『チーム・バチスタ3アリアドネの弾丸』(フジテレビ系)12.8%
コメディ要素の強いものや、若手俳優が多数出ているような派手な作品は上位に見当たらず、「刑事もの」や「医療もの」といったマジメなテーマに人気が集中。若者のドラマ離れを示唆する結果といえるかもしれない。
3位の『渡る世間は鬼ばかり』最終シリーズは、全10シリーズ通算500回を迎えた最終回で、22.2%を記録。瞬間最高視聴率は25.0%に達し、夏ドラマ唯一の20%超えとなった。
ちなみに最終回の山場は、えなりかずき演じる”眞”の結婚披露宴。しかしおめでたい雰囲気のまま終わるかと思いきや、最後の最後で角野卓造、赤木春恵、泉ピン子のスター選手が食卓に集結。3人は静かにお茶をすすり、泉ピン子のアップからそのまま画面はフェードアウト。橋田壽賀子は、実に『渡鬼』らしい素朴なラストシーンを見せてくれた。
■前田敦子vs瀧本美織vs川口春奈、男装ドラマ対決の行方は!?
『イケメン☆パラダイス』、『美男ですね』(TBS系)、『桜蘭高校ホスト部』(TBS系)と、なぜか3作品も重なった”男装系ドラマ”。「主人公が男装していることを隠している」「周囲はイケメンだらけ」といった設定が同じであり、ネットでは各主演女優(前田敦子、瀧本美織、川口春奈)の男装姿を並べ、「前田が一番男に見える」「美織ちゃんのショートカット最強かわいい!」「川口はヅラかよ……」などと、ドラマの新たな楽しみ方とも取れる盛り上がりを見せていた。
ちなみに『イケメン☆パラダイス』は、夜9時台の放送にも関わらず平均視聴率は6.9%と惨敗。前田敦子含めいろいろと気の毒なドラマであった。
一方、この中で唯一ジャニタレが出ていた瀧本美織主演『美男ですね』(TBS系)は、夜10時台の放送で平均9.9%。良いとも悪いとも言えない数字だが、『イケメン☆パラダイス』のような悲劇は免れた。
■「AVに出てくる高校生みたい」、劇団EXILE版『ろくでなしBLUES』
全ての原作ファンに衝撃が走った『ろくでなしBLUES』(日本テレビ系)。森田まさのりの超有名ヤンキー漫画を原作に、主要キャストを劇団EXILEとEXILEのメンバーが務め、主題歌を三代目J Soul Brothersが担当するという、まさにEXILE版『マジすか学園』(テレビ東京系)とも言える作品であった。
同作は「原作を現代風にアレンジ」したというが、外見の面影はなく、キャラクターを判別させる為の配慮からか、劇中に原作イラストがカットインするという演出が施されていた。
中分けヘアの”大尊”をはじめ、鼻の小さな”米示”、気の強い”千秋”など原作からかけ離れた登場人物たちに、原作ファンは困惑。ネットでは「『ろくでなしブルース』ってこんなにチャラい漫画だっけ?」「森田先生は何でOKしたの?」「AVに出てくる老けた高校生みたいだ」などといった意見が飛びかっていた。
視聴率を見ると、一時は1.1%まで落ちたものの、やはり全国に所狭しとひしめき合うEXILEファンがしっかりチェックしていたようで、全話平均で2.4%。深夜1時台の放送にしては決して悪くない結果となった。
平均視聴率が15%を超える作品が、大河ドラマと『新・警視庁捜査一課9係』のみという寂しい印象の夏ドラマ。小栗旬が河童の特殊メイクで出演した『荒川アンダー ザ ブリッジ』(TBS系/平均2.0%)や、激しいいじめが衝撃的なケータイ発ドラマ『金魚倶楽部』(NHK/2.2%)など、趣向をこらした作品も多々あったが、世間的にはさほど話題にならなかった。
なお今月からは、高視聴率確定の『相棒 season10』(テレビ朝日系)をはじめ、香里奈、吉高由里子、大島優子が共演する『私が恋愛できない理由』(フジテレビ系)、亀梨和也主演の『妖怪人間ベム』(日本テレビ系)、榮倉奈々や菅野美穂が濃厚で官能的な恋愛劇を繰り広げる『蜜の味~A Taste Of Honey~』など秋ドラマが順次スタート。今のうちにラインナップをチェックして、気になるドラマの初回を見逃さないように気をつけよう。
※クールをまたぐドラマの平均視聴率は、7月~9月の放送分から算出。
(文=林タモツ)
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それでもDVDは出るよもちろん。
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