声優ユニットゆいかおり、 出会いから現在までを振り返るロングインタビュー
#声優 #ゆいかおり
歌とダンスと演技を高いレベルでこなす声優ユニット、ゆいかおり(小倉唯&石原夏織)が1stアルバム『Puppy』(キングレコード)を9月21日に発売した。
インディーズデビューからのシングル全曲に新曲を多数追加してのフルアルバムは、作曲に前山田健一、俊龍らを迎えた、2人の集大成ともいえる。その内容に加え、これまでの歩みから、11月27日に決まった初のワンマンライブにかける意気込みまでを語ってもらった。
最新アニメのメーンヒロイン役が増え、アニメファン内での認知度も上昇。ブレーク間近の気配が漂ってきたゆいかおりを今のうちにチェック!
──まずは1stアルバム発売おめでとうございます。
小倉唯 最初はゆいかおりの2人でアルバムを出すなんて想像していなかったので、本当にうれしい気持ちでいっぱいです。この1枚にこれまでのゆいかおりの曲がたくさん入っているので、今まで応援してくださった方はもちろん、今回のアルバムから聴いてくださる方にも楽しんでいただける内容になっています! とにかくたくさんの方に聴いていただけたらなと思います。
石原夏織 自分たちのアルバムを作るのは、きっとすごく難しいことなんだろうなとか、だいぶ先のことなんだろうなって思っていたので、いざ制作が決まったときはすごくうれしかったです。いい作品にしたいという気持ちが強かったですね。早くみなさんの手に取ってもらいたい、聴いてもらいたいなっていう気持ちでいっぱいです。
──2008年に2人が出会ってから3年、短かったですか? それとも長かったですか?
小倉 私はもう、あっという間ですね。
石原 私も短かったかな。
小倉 思い返すと、いろんなことがあって長かったなと思うんです。でも、その時間が過ぎていく感覚はすごく短かったです。あっという間に次から次へと進んでいって。
石原 私もあっという間でした。特にメジャーデビューしてからは余計に早く感じました。たくさんのことに触れ合って自分の中の容量が大きくなったことによって、以前よりもスムーズにお仕事ができるようになったからなのかもしれません。
──なるほど。ゆいかおりを結成してメジャーデビューする前と後とでは体感速度が違った。
小倉 それはあるかもしれないですね。まずはメジャーデビューするという目標に向かっていって、それがかなってからまたいろんな課題や目標が見えてきて、めちゃくちゃスピードが早かったですね。
石原 そうですね。目標ができて、それを達成する喜びがメジャーデビューの前よりも多くなったからかもしれないです。そのおかげで充実しているからこそ、早く感じるんじゃないかと思います。
──この夏に楽しかったことは?
小倉 舞台(『Q―あなたはだぁれ?―』)が楽しかったです。
石原 舞台だねー!
小倉 あと私は『アニメロサマーライブ2011』に出させていただいたので、それも楽しかったです。
石原 アルバム制作もすごく楽しかったです。
小倉 夏はひたすら歌ってた(笑)。
石原 ねっ! スタジオで歌ったり、MUSIC CLIPを撮りに行ったり。シングルと違ってレコーディングの数も多くて、自分たちの楽曲がどんどん増えていくので、「次はどんな曲ができるんだろう」とか、「ゆいかおりにはこんな新しいジャンルの曲が歌えるんじゃないか」とか、そういうことが考えられて楽しかったです。アルバムが完成に近づいていく過程や、夢だったことが形になっていくのが幸せでした。
──1曲(「未来形アイドル」)だけカバーなんですよね。
小倉 これは私たち2人がメジャーデビュー前にステージで初めて歌わせていただいた曲だったので、思い入れがあります。これがきっかけでゆいかおりが結成されたと言っても過言じゃないくらい。そういうきっかけの曲なんです。
石原 2人とも大好きな曲で、事務所の社長に「2人でこの歌を歌いたいんです」話したら、「チャレンジしてみよう」って言ってもらって。そこから2人で歌うようになったから。すごく思い出深い曲ですね。
──社長の包容力の大きさを感じる(笑)。
石原 即決だったよね。「前座で歌う?」「そうしまーす!」って。
小倉 2人で楽しんで歌ってた。懐かしいな。
石原 しかも唯ちゃん、この曲が最初の振り付けだったんだよね。
小倉 そうなんです。いちばん最初に振りを付けた曲でもあるので、やっぱりね、大切な曲だよね。でもまさかあのときは、自分たちのアルバムに収録されるなんて思ってもみなかったよね。
石原 ね。思ってなかったよ、本当に。
小倉 ちょうどこの「未来形アイドル」が主題歌であるアニメ『VS騎士ラムネ&40炎』のメーンヒロイン2人のキャラクターがピンクと青で、そういうところでも運命を感じるよね。
──アルバムリード曲の「PUPPY LOVE!!」はどんな曲ですか。
小倉 アルバム名の『Puppy』は、私たちがいつも子犬のようにはしゃいでいる、っていうところが由来の”ぱぴー”なんです。「PUPPY LOVE!!」は初めての恋という意味で、初めて恋をした女の子が、びっくりしておどおどしちゃったりとか、あわあわしている様子を描いた曲になっているので、ドタバタ感がすごく耳に残るかわいい曲です。
石原 歌詞もすごい早口だったり、ドタバタ感が表されていたり……。困惑して「わけ分かんない!」って言っているサビとか、すごく「PUPPY LOVE!!」っぽくてお気に入りです。ゆいかおりのいつものドタバタ感もこの中に表れているなと。ゆいかおりらしい曲になったんじゃないかなと思いますね。
──唯ちゃんのソロ曲(「キュッ!キュッ!CURIOSITY!!」)は前山田健一さんが手掛けていますね。
小倉 (眼を丸くして)いやもう、初体験でしたね、この曲に関しては。未知の世界というか。初めに歌資料をいただいたときにびっくりし過ぎて、「これはどうしよう」みたいな。
石原 私にも言ってたよね。
小倉 いろんな人に「どうしたらいいと思いますか?」って相談しました。すごくノリのいい曲だし、語りかける感じのRAPが多いので、テンションを上げてやるのがいちばんだと思って臨んだんです。1回この曲が耳に入るとすぐ口ずさめて、頭に残るので、録っているときはすごく楽しかったです。前山田さんもすごくレコーディングを楽しんでくださっていたので(一同笑)。(収録の)一発目から椅子ごと後ろに吹っ飛んでいっちゃったみたいで。
石原 萌えるとバーン! と、後ろにいっちゃうんですよ(笑)。
小倉 「いいねー! いいねー!」と言ってもらって(笑)、すごく楽しくできました。
──それまでの蓄積がまったく通用しない(笑)。
小倉 そうなんです。しかもいろんなアドバイスというか、お願いが来るんですよ。「もうちょっとここはこういう感じでお願いします」「もっと語って、ささやいて」みたいな。なので、アドリブみたいなものもけっこうあったんですが、現場の雰囲気が良かったので、楽しく歌えることができました! 今までに聴いたことのないジャンルの曲だと思うので、ぜひみなさんに聴いていただきたいですね。歌詞も私がいつも物事に興味津々なので、そういうところを汲んで好奇心旺盛な女の子の歌詞になっています。私の好きなラムネやアルパカも歌詞の中に入れていただいているので、私らしい曲になっているんじゃないかなと思います。
──キャリー(石原)のソロ曲(「Magic starter」)は作曲者の俊龍さんがインディーズデビュー曲の「恋のオーバーテイク」以来のお付き合いということで、よく分かってくれているみたいなところがありますね。
石原 そうですね。「Shooting☆Smile」のハモりのパートでファルセットを使う部分があって、それがすごくきれいだったのを俊龍さんが覚えていてくださって、今回の間奏の静かな部分ではファルセットを入れたんです。今まで一緒にやってきたからこそ、ピンポイントで得意なものを入れてくださっているのは、俊龍さんだからこそだなって思いますね。
私自身も、やりたいことがあっても自信がなくて一歩を踏み出せずに落ち込んだりすることもあるので、それをコンセプトに入れて、”やりたいことがあるなら勇気を出して一歩を踏み出さないとその先が見られないから、頑張ろうっていう”って背中を押すソングなんです。だから唯ちゃん同様、私のソロも自分の感情とかが入っている曲で。きっと私のことも分かっていただけるんじゃないかなと思います。
──ドタバタとシリアスと分かれたかな。
小倉 そうなんですよ、もう差がすごくて。びっくりしました。
石原 私のは伸びやかに歌うような歌で。ダーク調だったり、今までにないようなかっこいい感じの曲なので、唯ちゃんから私の曲に入るときのギャップに毎度笑っちゃうんですよ(笑)。「おお、なんだこれは!」って。
小倉 そう、でも逆にそれがすごいなって思います。ゆいかおりはお互いの特徴や個性がまったく違うのに、2人で歌うとすごくいいハーモニーになるので。
──磁石の両極みたいなのにね。
石原 そう、だから今まで出してきたシングルはよく重なりあったな、って思ってあらためて思いましたね。
──これまでシングルを4枚リリースしてきましたが、振り返ってみてどんな変化がありましたか?
小倉 歌に対するレコーディングのときの気持ちというか、考え方が大きく変わった気がします。「Our Steady Boy」はメジャーデビューとしていちばん最初に録った曲だったんですが、このときはうれしさと頑張らなきゃっていう気持ちがいちばん強かったので、本当に2人が一生懸命頑張って歌いました! という感じになっているんです。それ以降は歌詞の構成や意味を考えられるようになってきて、Aメロだったらしっとり歌って、Bメロからちょっと上がってサビで爆発する、とかちゃんと段階を踏んで歌えるようになったことは、いちばん変わった点じゃないかと思います。あとDメロの雰囲気の付け方とかが、昔に比べるとできるようになったかなって。
石原 私も最初のころは「とりあえず上手に歌おう!」みたいな感じだったんですが、歌っていくうちに、徐々にああしていきたいな、こうしていきたいなという気持ちが出てきたことによって、うまくできないと悔し涙を流したりするようになりました。心も体も成長しているんだなとすごく実感しましたね。
──メジャーデビュー直後は体力が課題とも言っていたけれど、いろいろと克服してきた感じですね。あらためてこの1年で成長したのはどんなところでしょう。
小倉 今年は声優さんのお仕事もたくさんやらせていただいたので、声優業に対する気持ちも大きく成長したんじゃないかなと思います。でもまだまだ課題はあるし、ゆいかおりとしても目指していけることはたくさんあるので、むしろこれからだなって感じがします。
自分の課題とか、これからもっとこうしたいということが、アルバムを出してはっきりしたんですね。体力もそうですし、声優としての演技力にも課題が見つかってきて、いろいろと頑張らなきゃなという感じがします。
石原 メジャーデビュー直後に比べたらタフになりましたし、歌も自分に合う方法を見つけられるようになりました。そのおかげで以前は歌えなかった高いキーまで歌えるようになったり、目に見えるところではそういう部分が成長したと思います。
精神的にも強くなりましたね。悔しいなと思ったら次は絶対にうまくなるとか、次こそは絶対みんなにいいと思ってもらえるように切り替えられるようになりました。あきらめないし、自分で決めたことは必ずやろうって意志が強くなりましたね。
あとは声優さんとしても徐々にいろいろと決まってきているので、さらにステップアップして頑張っていきたいと思います。
──確かに2人とも、いい役がめぐってきていますね。
小倉 初めて主役を射止めたときはうれしさもすごく大きくて、同じくらいプレッシャーや緊張も大きくて。私がメーンヒロインとして最初に演じた役は難しいものだったので、楽しさとかもあったんですが、この役をどうこなしていくか、どう向き合っていこうかなと、そういう役作りの面で今まででいちばん苦労したなという感じです。でもその分、現場で学べたこともたくさんあったし、これからにつなげていけることもたくさん発見できました。
石原 私がこの春に演じたのは無口な役だったので、一言一言が重要だから、感情を少なめにしてどうやって乗せれば、見てくださっている方に印象付けられるのかなとすごく考えました。どうしても感情が乗ってしまうので、その抜き方がすごく勉強になりましたね。来年の作品で演じる役は自分とは正反対なので、どう演じたら完全になりきれるのか。今度はメーンヒロインなので緊張するかと思ったんですけど、テンションを上げた方がいい役柄だったので、本番ではまったく緊張せず素直に楽しんでやれました。自分でもびっくりしたんですけど、楽しくてしょうがなかったですね。
──年末には初の単独ライブがあります。
石原 ゆいかおりでワンマンライブということは初めてですし、きっと今までに歌ってきたライブイベントよりも歌う曲数が多いので、いくら体力が前より増えたと言っても、絶対まだ足りない部分があると思うんですよ。そういう部分を増やしていって。ファーストライブは人生で1回しかないので、そのファーストライブを素敵で最高のものにできるようにしていきたいです。ぜひみなさんに来ていただいて、盛り上がって素敵なものを作っていけたらなと思います。頑張ります!
小倉 ずっと夢見てきたのがアルバムとワンマンライブだったので、アルバムを出した後にすぐワンマンライブを開催できることを、本当にうれしく思ってます。みなさんぜひ『Puppy』を聴いて予習をしてもらって、ライブで盛り上がりましょう! 出演側としては体力がいちばん重要というか。ゆいかおりはほとんどの曲で振り付けが激しいので。
──結局そうだよね(笑)。
小倉 そうなんです、結局ほとんど激しいので、歌とダンスの体力を上げていって、ぜひ素敵なライブを成功できるように頑張りたいと思います。よろしくお願いしまーす!!
(取材・文=後藤勝)
●ゆいかおり1st LIVE「PUPPY LOVE!!」
日時:2011年11月27日(日)
[DAY]開場13:30/開演14:00
[NIGHT]開場17:30/開演18:00
会場:原宿アストロホール<http://www.astro-hall.com/>
料金:前売り:¥4,000(税込)当日券:¥4,500(税込)
*オールスタンディング
*入場時、ドリンク代\500別途必要となります。
*整理番号順のご入場となります。
*3歳以上有料
<一般発売>
2011年10月1日(土)10:00より以下各プレイガイドにて受付いたします。
ローソンチケット 0570-000-777 Lコード 75442
イープラス <http://eplus.jp/>
*詳細は “ゆいかおり”公式HPをご確認下さい。
【ゆいかおり公式HP】<http://cnt.kingrecords.co.jp/yuikaori/index.html>
よろしくね♪
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