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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > みうらじゅんさんの至言「アイドルライターってなんなの?」(中編)
【第28回】小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談

みうらじゅんさんの至言「アイドルライターってなんなの?」(中編)

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■前編はこちらから

 俺の連載だって安いもん。

――みうらさんで安いなら私はもっとですよ。

 高い雑誌はもう無いんじゃない? どこも売れてないでしょう。サイゾーはけっこうくれるでしょ?

――サイゾーは、えーと、今より下がらないのを望むだけです! みうらさんはめちゃめちゃいろんなところで執筆されてますけど、大変じゃないですか? 原稿を断ったりもするんでしょうか?

 断るときは「原稿料1億円」とか言っといた方がいいよ、キチガイだと思ってシューッと居なくなるから。

――私がそんなことしたらキチガイの評判が広まってどこからも仕事もらえないですよ!

 キチガイじゃないですもんね。

――この業界でキチガイって言われる人たちって、みんな振り切れてて才能があるじゃないですか。私は妙に常識的でそっち側ではないし、だからといって優等生みたいにいろいろこなせるタイプでもない。中途半端なんです。だから仕事もパッとしないし、「SPA!」(扶桑社)の『グラビアン魂』にも呼ばれないのかなって……。

 ゾンビとかやってたら呼ばないでしょ!

――ゾンビだけど水着でギャップ萌え……みたいのは?

 どんどん抜けない方向へいくじゃないですか!

――そうですよね~、もうどうしたらいいか……。自分ではグラビアも頑張りたいと思ってるんですけど、どうも男の人は私にグッと来ないみたいなんですよ。

 そういうわけじゃないですよ。あなたは中途半端に頭が良くて、面白いことを考えちゃうんですよ。面白くなくていいですよ。面白くない方がいい。面白くないとチンポは勃ってくるもので、面白いと萎えるんですよ。面白い人はだめですよ、グラビアは。男を勃てなきゃいけないの。

――男を”立てる”じゃなくて”勃てる”だったんだ……! でも、フリーで6年やっていて、その間グラビアはもちろんAVのオファーすらないっていうのは、よほど男の人のおちんちんが反応しないんだな、と。何が足りないと思いますか?

 足りないというか、しゃべりすぎる。男って口が立つ女の人が怖いんだよ。「ほぇ~?」とか言ってヨダレ垂れてるくらいの奴の方がいいんだよ。

――そんなの若いうちだけじゃないですか! ……(持参した自分エロスクラップを開いて真顔で)抜けませんかね?

 いや、抜けないことはないと思う。キレイな人じゃん。何かがそれを阻止してる。邪悪な何かが。

――邪悪って……。

 下地が沼だもの。中野とか「タコシェ」とか行ってるようじゃ。今はその沼で拾った本がいっぱい体に付いてるから、沼の匂いがするんだよ。そういう女性はいっぱい僕のところにも来たよ。割ときれいだった。

――みんなどうなったんですか?

 「こんなはずじゃなかったのに」って言いながら死んでいったよ。

――死んでいったか……。

 面白いこと言ってる奴にはチンポが勃たない。面白い人になっちゃダメ。……でも、前はエロ本の表紙になったりしていたんだから、もう上がりじゃないですか?

――グラビア界での上がりは「ヤングジャンプ」(集英社)とか「ヤングマガジン」の表紙になって、服を着ててもテレビに出られるところですよ! 私はそこに一向に行けずにフェードアウトして、気づいたらゾンビや幽霊になってかわいいアイドルを引き立てていました。その禍々しさたるや、まるで四天王に踏まれる邪鬼ですよ。

 でも、そんな風に虐げられるのが好きなんでしょ? アイドルって偶像って意味だから、初めから形は無いじゃないですか。形がないなら、何してもいいんじゃないですか? きっとあなたがアイドルだと思えば、ゾンビだってアイドルなんじゃないですか? ちょっと、あなたは考えすぎていますよね。頭が先にたっちゃうからしんどいんじゃない?

――確かにしんどいです……。

 だったら考えない方がいいですよ。もうちょっと自分をバカにした方がいい。「すごいことができるはず」と思っているからしんどいんですよ。えー、できないです!(きっぱり)

――悟りの境地……! 私は今26歳なんですけど、みうらさんは26歳のころからそういう青年だったんでしょうか?

 いや、SEXばっかりしてましたよ。SEXができたのがうれしくて。うれしいじゃないですか、ずっとやりたかったから。ははは。

――いや、ちょっと分からないですけど……。でも『よりみちパン!セ』(理論社)で書かれた『正しい保健体育』もDVDになりましたし、そのころの経験が活きたのかも! あのDVDは勉強になりました。

 文化系の性教育でしょ? 体育会系のことはわからないから。あのDVD、誰が見てるんだろう……。

――みうらさんのファンと主演の柏木美里さんのファンと、あとはすさまじい性欲に苦しんでる若者たちじゃないですか?

 若いときは金玉に洗脳されているというか、支配されているので、自分ではどうしようもないんですよね。
後編につづく/取材・文=小明)

●みうら・じゅん
1958年、京都府生まれ。マンガ家・イラストレーターなど。80年、「ガロ」(青林堂)誌上でマンガ家デビュー。テレビ、ラジオ、スライドショーなど幅広い活動を展開している。DVD『みうらじゅんの正しい保健体育』(キュリオスコープ)発売中。

●あかり
1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/
サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中

みうらじゅんの正しい保健体育 [DVD]
「これから始まる授業は、義務教育では決してありません」
性のカリスマ伝道師、みうらじゅん氏による、正しい保健体育の授業が幕を開ける!

累計10万部を突破した幻の名著「正しい保健体育」(イースト・プレス社)がついにDVD化!!
「どうしてセックスしてはいけないの?」「『恥ずかしい』というセンス」「童貞期に学ぶべきこと」――青少年期に誰もが抱える悩みの数々。若者に伝えるべき本当の「セックス」とは何か? 性のカリスマ”みうらじゅん”が放つ、童貞時代を生き抜くスタンダードDVDがついに完成!!

授業を担当するのは、教育実習生の柏木美里先生。赤裸々な「保健体育」の授業を真剣に生徒達に語りかる。
さらに、「正しい保健体育」の中でも重要な「自分塾」という考え。
この自分塾塾長が語るバカバカしいけど”目から鱗”な話も満載。

充実の特典映像は、ノリノリで収録に挑むみうらじゅんによる「自分塾塾長みうらじゅんの『正しいアテレコ』」。
さらには原作者と主演の2人の本音!? が分かる「対談:みうらじゅん×柏木美里 正しい性教育の現場」や、柏木先生の「NGテイク集」などを多数を収録!!

大好評発売中!!2,625円(税込)

2011年/本編48分+特典47分/カラー/16:9/ステレオ
出演: みうらじゅん 柏木美里 福島勝美
ディレクター: 西巻正和  
エグゼクティブプロデューサー: 市村亮
発売・販売元: 株式会社キュリオスコープ
販売代理: 有限会社アルドゥール
(C)CURIOUSCOPE

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最終更新:2018/12/19 15:00
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