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国家への挑戦? 売り文句は「無修正!!」

「コミケ発禁即売会」を掲げたイベントの実態は自主制作エロ画像販売会だった!!

erocos003.jpgイベントで販売されていた「エロコスROM」
「R18」「R15」などの表記があるが基準は不明確だ。

 以前、本サイトで報じた通り(※記事参照)、8月に開催されたコミックマーケット(以下、コミケ)では、コスプレイヤーの18禁映像を納めた、いわゆる「エロコスROM」が、主催者から「販売停止」を申し渡される例が相次いだ。

 取材班は、そうした「発禁」を喰らったコスプレイヤーたちが「コミケ発禁」を看板に、即売会兼撮影会を開催するとの情報はキャッチ。果たして、それは無限の「表現の自由」を貫く、カウンターイベントなのか?


◆主催者も判らぬ謎のイベント

 このイベントは告知からして不審な点がある。もっとも奇妙なのは、主催者が誰だかよく判らないことだ。通常の同人誌即売会は、サイトやブログなどで開催要項が告知され、そこには主催の団体名、あるいは最低でも連絡先などを記載されている。ところが、このイベントは公式の広報にあたるものがまったく見られない。参加するコスプレイヤーたちによって「18禁コスプレ写真集即売会『エロコスマニアックスvol.2』参加します」「コミケで発禁になった作品を主に即売する『エロコスマニアックスvol.2』に、参加させていただきます」といった告知がなされているのみ。最も詳しい告知を載せているのは有名コスプレイヤー・うしじまいい肉だが、彼女も「秋葉原にてコスプレ写真集販売&撮影を開催します!」とブログに記しているものの(※ブログ参照)、彼女が主催者かどうかも判然とはしない。度を超えてアングラ臭の漂う、同人誌即売会とは毛色の違うものだ。

会場となった通運会館には、9時過ぎから入場券を
求める行列ができていた

◆「これ、消しが入ってないんですよ!」

 開催当日、イベントは11時開始だが撮影券付きの入場券は10時から販売と告知されており、11時に行ったのでは入場が遅くなると考えた取材班は、9時30分に会場に到着した。会場は秋葉原駅から徒歩5分のところにある「通運会館」。「関東通運協会」という財団法人が運営する貸会議室である。すでに行列は2階の会場から入口付近にまで伸びていたが、すぐに入場券の販売が始まり、行列はあまり伸びることはなかった。

 1時間ほど時間をつぶした後に11時ちょうどに会場に入ってみたところ、驚いた。すでに会場内は満員である。壁に沿って3方向にコスプレイヤーが自身の「エロコスROM」を売るスペースが設けられ、一方向は撮影会スペースという配置だ。すでに「エロコスROM」そのものは通販などで購入している参加者が多いのか、撮影の順番を待っている参加者が大半である。販売スペースに立っているコスプレイヤーも露出度の高い、過激な衣装が大半である。

 さっそく、どんなものが売られているか眺めていると、被写体となっているコスプレイヤー自身が「コミケで発禁になったヤツよりも消しが薄いんですよ~」と言いながら、商品を薦めてくる。

 そこで、取材班も夏のコミケで発禁になったという巴マミ(アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の登場人物)を題材にした「エロコスROM」を手に取り、「そんなに露出度が高いのか?」「発禁にされた理由は?」などと矢継ぎ早に質問してみた。しかし彼女たちは、「露出度は高いですけど……発禁は、いきなり”ダメっ! 撤収して下さい”と言われただけです」と、あまり具体的な内容を語ろうとしない。

 スペースを移動して、今度は「コミケで発禁になったのは、どれ?」と単刀直入に聞いてみたところ、差し出されたのは多くのコスプレイヤーが参加しているセーラームーンのコスプレものだった。売っていた女性は「”乱交しちゃダメ”と怒られちゃいました。ベッドのお供にどうですか?」と、薦めてくる。

 さらに別のスペースに移動すると、今度はいきなり「これ、消しが一切入っていないんですよ」と、格ゲーヒロインものを薦められた。「消しが一切入っていない」とはどういうことかと聞いてみると、「前は規制が緩かったんですよ。最近、制作しているものは消しを入れてるんですけど……」と、今年8月のコミケに合わせて制作した「エロコスROM」のジャケットを見せてくれた。ジャケットでは股間をハートで隠しているが、「エロコスROM」に収録された写真にはハートの部分はないそうで、かなり消しの部分は小さいという。

 撮影会は別にヌードなどを披露するものではないことを確認した後、会場を出て早速ノートPCで購入した「エロコスROM」をチェックしてみた。「コミケで主催者が販売を認めなかった理由は、大陰唇が見えていることがもっとも多いらしい」という複数の証言は得ていたが、それは本当だった。モザイクや極小下着、バイブなどを使い巧妙に小陰唇の部分は隠しているが、大陰唇が見えてしまっているものは多い。また、モザイク処理はしているものの、非常に消しの薄いものも見られる。さらに疑問なのはコスプレの写真集なのに、キャラの要素はウィッグだけで、あとは全裸というものもあること。果たして、これは「コスプレ写真集」なのだろうか。

erocos002.jpg会場案内は、この一枚だけで特に看板などは
用意されていなかった

◆消していればOKではない

 結論から言えば、コミケにおいて主催者が販売を認めなかったことは妥当だろう。どうも、被写体となっている女性たち、あるいはその周囲の人々は「小陰唇が見えなければよい」「局部をモザイク処理していればよい」と考えているようだ。しかし、それは大きな間違いである。取材班が判断する立場にはないが、警察当局に「ワイセツ」であると見なす要素があまりにも多すぎると、考えられる。

 折しも9月6日には、東京地裁が自主審査機関「日本ビデオ倫理協会」(ビデ倫)元審査部統括部長に対して、「自主審査機関としての重要な職責を半ば放棄して、審査レベルを低下させ、社会に害悪を拡散させた」として、ワイセツ図画販売ほう助罪で有罪判決を下している。この事件の発端は、ビデ倫が認めた06年以降の「基準緩和」すなわち「薄消し」の導入が、がワイセツ図画に該当するとされ逮捕されたものだ。

 この事件では、ビデ倫側は「表現の自由という重大な憲法問題なのに、短絡的な発想で『わいせつ性あり』と判断した」と、東京地裁の判決を不当としてさらに争う姿勢を見せている。

 これまで、ワイセツをめぐっては多くの人々が「表現の自由」を掲げて戦ってきたわけだが、果たして彼女たちに、そんな意志はあるのだろうか?

◆彼女らは、一度は逮捕されてみるべき

 少なくとも、こうした「エロコスROM」が、従来の同人誌とは異質のものであることは間違いない(イベント自体、同人誌即売会とは違うビデオ店などが開催するAV女優などの発売イベントと同じ匂いを放っている)。むしろ「自主制作エロ画像」と呼ぶほうがふさわしいし、被写体となっている女性たちも、コスプレイヤーというよりは「自主制作エロ女優」と呼ばれるべきであろう。

 とはいえ、彼女たちにも「表現の自由」はある。コミケという場から拒否されても、このイベントのように発表する場は確保されているわけだ。「コミケで発禁にされることで、あとで通販などの売り上げが伸びることを目論んでる」といううわさを否定したいなら、それが妥当な判断である。

 昨年からコミケ当日に「エロコスROM」が「発禁」になるたびに「(被写体となっている)彼女たちは悲しんでいる!」という主張も、散見する。もし、本当にそう思うなら、ぜひ一度、ワイセツ容疑で当局に逮捕されるべきだ。取り調べでも裁判でも「これは表現の自由だ!」という主張を貫いて欲しい。いずれ、「エロコスROM」が出ることもあるだろうが、その時もそうした主張を貫くべきだ。イベントにいたコスプレイヤーの中には「コミケの時、見本誌(販売前に主催者にチェック用に提出するもの)では、ヤバい画像は抜いていたんですけど、バレちゃった」と、語る者もいた。そんな「闘志」があるのだから、最高裁まで争うのも簡単なことだろう。そうでなければ、しょせんは裏本や裏ビデオと同じ類のものということだ。

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最終更新:2018/11/19 16:02
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