「アイスのTVCMが少なかった!?」季節商品の宣伝展開に見るクロスメディア広告の未来
#マスコミ #広告
節電の影響もあって、例年以上に暑かった今夏。
アイスクリームを製造するメーカーでは、森永乳業が子会社・冨士乳業に17億円を投資し、アイスの生産ラインを増設したり、明治が5月に大阪府内で新工場を稼働させ、アイス事業全体で生産量を約3割アップするなど、各社が増産に乗り出しているというニュースが7月に報じられていた(※産経新聞)。
でも、ちょっと不思議なこと。今年の夏、アイスのCMをあまり見なかったと思いませんか。例えば、AKB48のメンバーの顔のパーツを合成した「江口愛実」は話題になったけど、「アイスの実」のCM自体は一瞬で見なくなった気がする。
さらに、ロッテの「ぎゅぎゅっと」CMを見たことがある人はどのくらいいるだろうか。Hey!Say!JUMP・山田涼介が単独出演しているCMで、放送開始前にはファンの間で放送日に関する問い合わせやウワサがネット上で多数見られ、注目を集めていたが、実際にテレビで見たことがある人はごくわずかのよう。
「ぎゅぎゅっと」の場合、もしかしてHey!Say!JUMP最年少メンバーの喫煙・活動停止の影響があるのかもしれないが……。
あるいは、アイスのCM全体が節電の影響で控えめにされているのだろうか。「アイスの実」CMのグリコに聞いたところ、こんな回答があった。
「まず事実として、今年の夏のアイスのCMは減っておりません。例年通りです。『アイスの実』CMですが、現在は放映を行っておりませんが、予定通り実施しました」(広報担当者)
続いてロッテに同様の質問をぶつけてみた。
「今年は、アイスに限らず、全体にCMの本数は減っているようです。3月の震災等の影響で、各社とも経費の見直しを行ったため、その影響が宣伝広告費にも出ているのではないかと言われています」(広報担当者)
「ぎゅぎゅっと」のCMに関しては、Hey!Say!JUMPの他メンバーの喫煙問題は「関係ありません」とのこと。
「『ご覧になったことがない』理由としては、ロッテ提供の番組でしか流していなかったことも考えられます。1日のあちこちで流れる『スポット』という方法に比べると、目につきにくかったのかもしれません」(同担当者)
ちなみに、「夏=アイスのCM」という印象があるが、実際は、シーズンの前に「夏の盛り上がり」を作る宣伝スケジュールを立てているのだそう。つまり、アイスのCMが多いのは、夏よりも春先になるらしい。また、アイスのテレビCMが減っている理由として、以下の事情もあるという。
「テレビ以外のメディアが普及してきて、宣伝方法のクロスメディア化が進んでいる中で、相対的に、テレビCMのウエイトが低下している傾向もあります。アイスではありませんが、弊社の『Fit’s』ダンスコンテストなどをよくその事例として取り上げていただいています。また、『ぎゅぎゅっと』のCMもテレビでの放映予定は終了していますが、弊社のHPでは、現在もご覧いただけます。これも、テレビ以外のメディアを利用しているひとつの例と言えるでしょう」
季節の移り変わりを感じやすいテレビCM。でも、世の中の「テレビ離れ」とともに、季節商品のCMも少なくなっているようだ。
作っちゃう。
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