芸能界屈指のパンダマニア・藤岡みなみが語る「パンダの魅力」
#インタビュー #PANDA 1/2
2011年4月、待ちに待たれた2頭のパンダの一般公開が上野動物園で開始された。この波を受けてかどうかは分からないが、芸能界にも地味~にパンダブームが押し寄せ、かねてより「パンダ好き」を主張していたタレントたちにもスポットライトが当たりつつある。
今年7月、アドベンチャーワールド(和歌山県)のパンダの魅力をPRする「パンダ大使」に任命された岡本玲や、スターダストプロモーションが”ももいろクローバーの妹分的存在”として手掛けているグループ・私立恵比寿中学の廣田あいか、アキバの”メイド系アイドルユニット”アフィリア・サーガ・イーストのコヒメ・リト・プッチなど、パンダの魅力に取りつかれ、「パンダ好き」をアピールする女性タレントは増えている。
そんな中、芸能界屈指とウワサされるほど年季の入った「ガチパンダマニア」がいるという。その名も藤岡みなみ、23歳。上智大学を今春卒業したばかりの才媛だが、常にパンダグッズを持ち歩き、部屋の中もパンダグッズだらけ(その数約500点!)。大学ではパンダをテーマとした卒論を書き上げ、さらに「人間とパンダによる音楽ユニット」を称する「PANDA 1/2」なるバンドのボーカルとしても活動しているというのだ。
幼少のころから13年に渡ってパンダに愛情を注ぎ続け、最近ではアニメ映画『カンフー・パンダ2』をPRする「webオピニオン」に就任するなど、何もかもパンダ尽くしの人生を送っているという彼女に、一体パンダの魅力とはなんなのか? 彼女にとってパンダとはいかなる存在なのか? そして、もともとは子役として芸能活動をスタートさせた彼女が、パンダマニアのタレントとしてこれからどういった方向に向かうのか? 根掘り葉掘り聞いてみた。
──今年4月、上野動物園でのパンダ一般公開日に、一番乗りで列に並んでメディアで取り上げられていましたね。公開は朝の10時からなのに、前日の午後2時から、しかも一般客として並んでいたそうですが、藤岡さんにそこまでさせるパンダの魅力って、一体なんなのでしょうか?
というTシャツ。
藤岡みなみ(以下、藤岡) まず、完璧なデザイン性ですね。白と黒の2色しか使ってないのに、なぜあんなにポップなのか、と。「あんなに洗練されたデザインの野生動物がいていいわけない!」と思うほどです。パンダって「猛獣」扱いで、飼育員でも2歳以上のパンダは直接は触っちゃいけないんですよ。基本的にはかわいいのに、実は強くてカッコイイ。白と黒のデザインが、その二面性をそのまま表現しているところにもしびれます!
しかもあんなに大きい体をしているのに、笹しか食べないんですよ? 雑食なので出されればリンゴなんかも食べるんですけど、99%は笹や竹なんです。それに昔々は肉食獣だったから、いまだに肉食獣の腸をしていて、食べた分の栄養の17%しか吸収できないんですよ。カロリーが足りないからたくさん笹を食べるし、よく寝てるんです。そういう不器用なところもめちゃくちゃかわいいです! だって、肉食獣から「笹しか食べない生き物」に進化するなんて、もっと上手い進化があると思いません?(笑) 笹も人間みたいに手に持って食べるし、生態にいちいちユーモアを感じるんです。
──でもパンダって、「よく見ると目が怖い」とも言われますよね。
藤岡 怖くないです! それは、ちゃんとパンダのことを見てない人の意見だと思います。確かに目の回りの黒ぶちの奥の瞳は吊り目っぽく見えるけれど、実はまつ毛もあって、すっごくかわいらしいんですよ? もっとちゃんと近くで生のパンダを見てほしいです。やっぱり、実物のパンダが一番かわいいので。
特に最強なのは、子どものパンダです。一頭でもかわいいのに、子パンダが2頭いるだけで「絶対狙ってるだろ」みたいな、じゃれ合って追いかけ合って、ディズニーアニメみたいな動きをするんです。絡まり合ってもつれて、どっちがどっちか分からなくなって、なんかでっかいおにぎりみたいになるのが最高にかわいいです! ああ、パンダにまざりたい。もう、憧れの生き物ですね。パンダになりたいです!!
──そんな「パンダになりたい」藤岡さんが、パンダを好きになったきっかけとはなんだったんでしょう?
藤岡 小3の時に上野動物園で初めて見て、衝撃を受けたんです。お母さんに「かわいい! ぬいぐるみみたい! 動いてる! 生きてるよ! あんなファンシーなものが!」って訴えて。さらに決定的だったのは、小5の時に神戸に転校したんですけど、同じタイミングで神戸市立王子動物園にパンダがやって来たことですね。自宅から徒歩10分くらいのところにあって、運命を感じたんです。「私が来たからパンダも来たんだ!」って。
──そこからどんなパンダマニア活動を?
藤岡 グッズをひたすら集めました。鉛筆、消しゴム、筆箱……なんでもパンダグッズにして、図工の時間も全部パンダばかり描いたり作ったり。小・中・高・大と、ずっと周りから「パンダちゃん」って呼ばれ続けて。小学生のころの一番のお気に入りグッズは、お年玉で買ったパンダのかぶり物です。パンダの着ぐるみの頭の部分だけ、みたいなやつで、顔がすっぽり隠れるんですけど、それをかぶって友達の家に行ったり、エレベーターに隠れて乗ってきた友達をびっくりさせるっていういたずらをよくやってました。
手作りもしましたね。パンダの耳を作ってカバンに縫い付けたり。今日着てるシャツには、子どものころに使ってた手袋を縫い合わせてます。パンダイヤリングも付けてますよ。でも昔は、パンダキャラに便乗しているところもあったんですよ。転校生だから周りにいち早く覚えてもらいたくて、っていう気持ちもありました。
今、自分の部屋はパンダグッズでパンパンになってます。ぬいぐるみとか、モコモコしたものが多くて暑苦しい(笑)。早く自分の部屋から移して、パンダミュージアムを作りたいですね。
──パンダを好きになったのと同時期、小学3年生から子役としてのタレント活動も始めています。
藤岡 『ガラスの仮面』(白泉社)と『こどものおもちゃ』(集英社)というふたつのマンガ作品に影響されて、子役や女優になりたいって思ったんです。小6の時には、昼ドラ『君のままで』(TBS系、00年12月~01年2月)に重要な役でレギュラー出演させていただきました。仕事は楽しかったんですが、月曜から木曜まで収録、金曜日にしか学校に行けないということが辛くもあって……。
──当時、子役ファンの間では、「すごい演技力のある子が現れた!」と話題になっていました。当時の公式サイト「Go!Go!みなみパンダ」では、自筆のパンダイラストを大量にアップされたりもしてましたね。
藤岡 え? あんなサイトまでご存じなんですか!?(笑) サイトは母親の影響で始めたんです。もうネット上にはアーカイブも残ってないですけどね。
──パンダ尽くしのサイトで、本当にパンダが好きなことが伝わって来るサイトでした。ただ、その後中学生になって芸能界を引退。大学2年で復帰されるまで、芸能界から遠のくことになります。とても才能のあるタレントさんだと思っていたので、正直、当時はかなり残念でした。
藤岡 学校にちゃんと通って、行事にも参加したいという気持ちがやっぱり強くなったんですね。それと、当時はまだ子どもで思春期だったし、写真集のお仕事なんかについても悩んじゃって。それで一度引退して、その後すごく学校生活を頑張るようになりました。学級委員や体育祭委員も積極的に務めたりして。
高校の3年間は、部活でチアリーディングをやっていました。全国で準優勝したり、ヨーロッパ選手権に出場するためにモスクワに遠征もしましたね。本当、チア漬けの3年間を送っていました。もちろん、並行してパンダマニア活動は続けてましたよ。大学(上智大学総合人間科学部社会学科)ではパンダに関する研究を行い、卒論のテーマにも選びました。とてもいい経験をしたし、自分を成長させてくれた学生生活でしたね。
でも、芸能界を辞めてしまったことに対して、ずっと心残りではあったんです。なので、大学2年の時に芸能界に復帰しました。3年の時には深夜のバラエティー番組『キャンパスナイトフジ』(フジテレビ系、09年4月から10年3月放送)にレギュラー出演が決まって、バラエティー番組の楽しさと厳しさを学びました。
──今は「PANDA1/2」なるユニットでアーティスト活動も行っています。8月24日には配信限定の最新シングル「夏をぶっとばせ -WILD SUMMER 2012- 」がリリースされました。フリッパーズ・ギターや小沢健二など、渋谷系のパロディー的な要素が随所にちりばめられていますね。
藤岡 90年代の音楽が大好きなんですよ。高校生の時に川本真琴さんや岡村靖幸さん、スチャダラパーさんにすごくハマって。明確に「渋谷系」ってものを認識したのは、PANDA1/2の今のプロデューサーであるJames Panda Jr.に会ってからですね。
──それ以外の趣味も含めて、サブカルチャーっぽいものが多いですよね。サブカルチャーが好きなんですか?
藤岡 人に「これ面白いよ、これ知らなかったでしょ、読んでみて」って言うのがすごい好きなんですよ。だから必然的に、サブカルっぽかったりインディーズっぽいものを好きになるのかも。みんなが好きなら私が教える必要もないから。感性でピンとくる感じが好きなんです。でも「みんなが好きなものは好きじゃない」みたいな態度はよくないし、いいものはいいって言わないと、とは思ってます。
──パンダの話に戻りますが、最も好きなパンダは?
藤岡 神戸市立王子動物園の「旦旦(タンタン)」です。00年に私の転校と同時にやって来たパンダで、顔が好きなんです。口角が上がってて、笑ってるみたいで。「震災のあった神戸でも、もうパンダを呼ぶことができるんだ」っていう、復興の象徴なんですよね。神戸のチアリーダーだなって思ってます。タンタンになりたいです。
──パンダマニアとしての夢はありますか?
藤岡 まずは、パンダの里親になりたいです。パンダに触ることができるのは中国のパンダ保護研究センターだけなんですが、そこでは、寄付のような形で10万円程支払うと、名前を付けることができて、会いに行ける「里親制度」が設けられているんです。
それと、パンダについての情報をもっと広めていきたいです。パンダって絶滅危惧種なんですね。そうなった主な原因は、人間による森林伐採。かわいいということだけじゃなくて、パンダや園周辺にあるさまざまな側面に注目してほしいと思います。また、実は日本は、中国に次いでパンダの繁殖に成功している国なんです。これは素晴らしいことだと思います。
タレントとしては、日本パンダ保護協会名誉会長であり、60年間パンダの研究をされている黒柳徹子さんと、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出て、パンダ対談をすることですね!
──では最後に。藤岡さんにとってパンダとはなんですか
藤岡 ロマンですね。パンダになら食べられてもいい……かな?
(取材・文=岡島紳士)
●ふじおか・みなみ
1988年8月9日、兵庫県生まれ。小学校3年生の時に上野動物園で生で初めてパンダを見て以来、その魅力のトリコに。以降現在に至るまで13年間、パンダの知識を深め、パンダグッズを収集するなど、パンダマニアとしての活動を続けている。また小3から子役としても活動するも、中学で一時引退。08年に芸能活動を再開した。人間とパンダによる音楽ユニット・PANDA 1/2の5thシングル「夏をぶっとばせ ~WILD SUMMER 2012~」が、iTunesほかにて好評配信中。
藤岡みなみオフィシャルブログ「パンダGo!Fight!Win!」<http://ameblo.jp/373panda/>
Twitter<http://twitter.com/fujiokaminami>
PANDA 1/2オフィシャルサイト <http://www.panda2bunno1.com/>
「夏をぶっとばせ ~WILD SUMMER 2012~」<http://itunes.apple.com/jp/album/id454698344?i=454698350>
キャワイイ~♪
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