食いしん坊パンダが大暴れ! 超高速カンフーアクション映画『カンフー・パンダ2』
#映画
夏休み映画シーズンもそろそろ終盤とは言え、なおも個性的な作品たちが続々と封切られる8月下旬。今回は、3D映画の楽しさと可能性を改めて気づかせてくれる新作2本を紹介したい。
まずは、食いしん坊パンダが巻き起こす騒動と活躍をCGアニメで描くアクション・コメディー続編『カンフー・パンダ2』(公開中、2D/3D同時上映)。厳しいカンフー修行の末、”伝説の龍の戦士”となったパンダのポーは、相変わらず食い意地が張っており、お調子者の性格も変わらない。仲間の達人5人組と鍛錬に励む日々だったが、世界を征服してカンフーを絶滅させるという野望に燃える邪悪な孔雀、シェン大老とその一味との激闘が始まる。戦いのさなか、ポーの眼前にフラッシュバックする幼少時の記憶。封印された出生の秘密に、シェンとの戦いのカギが隠されていた。ポーは果たして過去の真実と向き合い、敵を倒して世界を救うことができるのか……。
メガホンをとったのは、これが初監督作となるジェニファー・ユー・ネルソン。3年前の前作はポーの成長が物語の軸となったが、続編では”親子の絆”が重要なテーマとなっており、より家族向きの内容に。アクションシーンでは特に3D映像の楽しさが発揮され、カット割りと視線誘導を巧みにコントロールすることで、超高速のカンフーアクションをリアルに体感できる娯楽作に仕上がった。
製作したドリームワークス・アニメーションは、ディズニー/ピクサーとは長年のライバル関係。だが、本作の回想シーンなどがディズニーの往年の名作アニメにオマージュを捧げるかのような2Dの絵柄で描かれている点は、両スタジオの過去の確執を知るファンには感慨深く映るだろう。
続いて紹介するのは、8月27日に公開される『ピラニア3D』(R15+指定、3D上映のみ)。1978年の『ピラニア』を3D映画としてリメイクしたモンスター・パニックだ。アメリカ南西部のビクトリア湖畔の町、スプリング・ブレイクではある日、湖での大がかりなイベントがあり、多数の若者たちが集まってきた。だがその朝、湖底で大規模な地割れが発生し、その裂け目から200万年前に絶滅したはずの凶暴な肉食ピラニアが群れをなして出現。「濡れたTシャツコンテスト」で若者たちの興奮が最高潮に達した時、ピラニア軍団が鋭利な歯で攻撃を開始し、湖はたちまち血の海に変わっていく……。
監督はフランス製スプラッターホラー『ハイテンション』(06)の成功でハリウッドに招かれ、『ヒルズ・ハブ・アイズ』(07)『ミラーズ』(08)と過激なホラー映画を連発しているアレクサンドル・アジャ。今作でも、登場人物たちがピラニアに肉や内臓を食べられたり、アクシデントに見舞われ凄惨な死を遂げたりする様子を、アノ手コノ手の凝った描写で提示。さらに3D映画ということで、奇怪なピラニアはもちろんのこと、女性のボディー、ロープ、飲料、ゲロに至るまでさまざまなモノが画面から飛び出て、テーマパークのお化け屋敷に似たアトラクション感覚を楽しめる。
名優リチャード・ドレイファス、個性派俳優クリストファー・ロイド、ホラー問題作『ホステル』(06)などの監督としても知られるイーライ・ロスといった面々が、エログロ満載のB級ホラーで端役、脇役をノリノリで演じているのも楽しい。エロ要素でとりわけ印象的なのは、水中でゆっくりと泳ぐ全裸美女ふたり(正確にはフィンのみ着用)が、3D効果でぽっかりと浮かび上がるシーン。3D映画史に残る(?)この名場面は、特に男性諸氏に映画館の大スクリーンでじっくり鑑賞していただきたい。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『カンフー・パンダ2』作品情報
<http://eiga.com/movie/54261/>
『ピラニア3D』作品情報
<http://eiga.com/movie/53907/>
パンダパンダパンダ。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事