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戦艦大和、最後の出撃時の食事とは? 『自分でつくる うまい! 海軍めし弁当』

kaigunmeshi.jpg『自分でつくる うまい!
海軍めし弁当』(経済界)

 毎年8月になると、われわれ日本人は戦争のことを思い出す。戦後、日本の夏は常に戦争の残り香をはらんでいると言えるだろう。「あの戦争を振り返る」と言うと、とかく軍部の暴走や戦災体験などがクローズアップされがちだが、当時の人はどのような日常生活を送っていたのだろう。

 たとえば、艦上の食生活。戦時中、海軍で食べられていた弁当を再現したのが『自分でつくる うまい! 海軍めし弁当』(経済界)。以前、当サイトで紹介した『零戦の操縦』(アスペクト)など、一風変わったミリタリー本を手がけてきた青山智樹氏とバーバラ・アスカ氏のふたりが著した最新刊だ。

 陸軍と比べ海軍は、戦闘中、出撃時、潜水艦内など、何かと弁当を食べる機会が多い職場。零戦のパイロットや戦艦大和の乗組員が機上・艦上で食べた弁当を、現代の家庭でも簡単に作れるよう、写真とレシピを添えて紹介している。海軍の弁当は、いずれも栄養豊富、保存が効いて、手軽に食べられるものばかり。合理性と美味しさを兼ね備えた弁当だ。思いのほか、バラエティーにも富んでいる。

 昭和20年4月7日、戦艦大和、最後の出撃時の弁当は、「塩にぎり3つ。付け合わせにたくあん、または牛肉の大和煮」と実に男らしい。大和の乗組員3,000人分、約1万個のおにぎりを、60人の主計科員だけで握ったというから、その苦労がしのばれる。手に水を浸す時間もなく、主計科員たちの手はやけどで真っ赤に腫れ上がったという。戦艦大和のほかにも、昭和16年12月8日、真珠湾攻撃時の空母瑞鶴の弁当などが掲載されている。

 あの日あの時、歴史の1ページを想像しながら作り、食べると、海軍めしもいっそうおいしく感じられることだろう。栄光ある帝国連合艦隊の”めし”、ぜひお試しあれ。
(文=平野遼)

●あおやま・ともき
1960年生まれ。作家・軍事評論家。東海大学理学部物理学科卒。戦記・架空戦記小説の著作多数。近著は『零戦の操縦』『戦艦大和3000人の仕事』(ともにアスペクト)。
個人HP「青山智樹の仕事部屋」<http://www.din.or.jp/~aoyama/>
個人サークルHP「超兵器科学研究所」<http://insightnet.seesaa.net/>
Twitter:@aoyama_tomoki

●バーバラ・アスカ
1972年生まれ。作家・編集者。立教大学法学部卒。出版社、編集プロダクションを経て、2004年よりフリー。主な著作・にプロデュース作品には『マンガを読んで小説家になろう』(大内明日香名義)、『超ライトノベル実戦作法』(ともにアスペクト)、『やりなおしたい30歳以上のための就職読本』(大内明日香名義 幻冬舎)などがある。
「出版評論社@Web」<http://bestseller.jp/>
「評論放送」<http://hyoron.jp/>
Ustreamチャンネル「評論放送」<http://www.ustream.tv/channel/hyoron-broadcast>
ログピ <http://logpi.jp/bestseller>

自分でつくるうまい!海軍めし弁当

よこすか海軍カレーが食べたいです。

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最終更新:2013/09/11 19:11
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