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大地震で激変した不動産事情 タワーマンションはもう誰も買わない!?

zsdfl1.JPG地震に強いマンションとは、「耐震」以外にも、
揺れのエネルギーを吸収する「制震」「免震」
という要素も求められるという

 3.11に起きた東日本大震災は、日本人のマインドに様々な変化をもたらしたと言われている。不動産市場も例外ではなく、震災の前と後では購入者の心理に明らかな変化が見てとれる。大きな流れとしては、「液状化のリスクがある臨海部が敬遠され、地盤のしっかりした内陸部の土地の価格が徐々に上がりつつある」(都内不動産業者)というもの。中でも震災後に落ち込みが目立つのが、神奈川県の鎌倉市や三浦市を含む湘南地区だという。

 どちらかと言えば、これまで「憧れの土地」(前述の不動産業者)として位置づけられていた湘南も、「やはり津波のイメージが強い。当面は様子見が続きそう」(同)という状態。「(財)東日本不動産流通機構」(以下、流通機構)の調べでも、湘南地区における中古マンションの成約件数は昨年比10.7%減と落ち込みを見せている。また、この辺りは三浦半島断層群が存在し、先の大地震の影響で、震度6強の地震発生確率が高まったと発表されたことも影響しているようだ。

 神奈川県以外では、液状化を起こした千葉県の浦安市や船橋市も深刻な状態。流通機構の調べでは、成約件数は昨年比28.9%減。同地区に強い不動産コンサルタントは「もう浦安は壊滅状態ですよ」と次のように嘆く。

「金融機関は地域ごとの土地価格を評価指数として表にしているのですが、今その表からは浦安が削除されている状態です。数字のつけようがないほど動きがストップしてしまっているということです」

 また、震災以降、人気が急降下しているのが、いわゆる「タワーマンション」だ。

「豊洲や有明といった臨海エリアのタワーマンションを売っ払って、地盤がしっかりした山の手などの中層マンションや、一戸建て物件を買いたいという要望が増えています。タワーマンションで3.11地震を体感した人にとって、あの揺れは本当に恐怖だったようですからね」

 さらに、今後は関東直下型大地震に対する恐怖心もあり、”タワー離れ”の動きが完全に止まることはないと見る専門家も多い。

 それどころか、大手デベロッパーの中には、タワーマンション開発へ向けて広大な土地を取得済みのところも多く、「その土地が丸々残ってしまっているデベロッパーにとっては大きな悩みです。今後のタワーマンションは供給過多で暴落の恐れも指摘されています」(同)というから深刻だ。

 一方で、これまでも多くのメディアが報じている通り、震災後に人気が高まっているのが、東京では立川市や国立市、国分寺などの武蔵野エリア。3.11の地震で液状化をおこさなかった「地盤がしっかりしている地域」(同)ということになる。同地区の不動産業者によれば「たしかに徐々にではありますが、土地の価格に反映はされてきています」とのこと。ただし、これが今現在販売されているマンション価格に直ちに反映されることはないという。

「マンションというのは、まずデベロッパーが土地を仕入れて、建築確認を取り、設計図面を引いてからゼネコンに発注し、竣工して販売する。それまでのスパンが3年はかかります。現在売りに出されている物件は、土地が安かった2~3年前にスタートしているプロジェクトです。土地代が安く済んだ物件は、浮いた予算を建物に投入できますから、その意味ではお買い得物件が多いと言えるのではないでしょうか」

 いずれにせよ、仮に今後10年大きな地震が起きなかったとしても、日本人が不動産を選ぶ視点から「地震」という要素が消えることはないだろう。これからの不動産選びは、地盤の構造や海との位置関係、自治体のインフラ状況などを考慮の上、地震保険の研究や建物の耐震性能チェックの習得なども必須条件として求められそうだ。

震災でわかった! 本当に危ない不動産

どこもかしこも危なそう。

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最終更新:2013/09/11 19:57
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