【SKE48中西優香×家なき子】「レミの人生のように、現実は理不尽なことばかりですよ」
#SKE48 #中西優香
アニメ草創期の70年代から『あしたのジョー』や『ガンバの冒険』など、誰もが知っている往年の名作を数多く手がけ、今年4月17日に惜しまれつつも死去したアニメ監督・出崎統氏。そんな同氏が今世に残した古き良きアニメを、現代のアニメ好きな若者を代表してSKE48の「二次元同好会」のメンバー3人に鑑賞してもらい、その感想を伺ってみた。第1弾の秦佐和子×「ベルサイユのばら」に続き、「ムービースクエア」サマーキャンペーン第2弾として、今回お送りするのは、本誌連載「SKE48の大人のための二次元講座」のレギュラーメンバーでもあるチームSの中西優香×『家なき子』だ!
――今回中西さんにご覧いただいたのは、養父によって旅芸人一座に売られ、文字通り”家なき子”となってしまった少年レミの成長と、人間愛の尊さを描いたテレビアニメ『家なき子』の劇場版です。アニメ版は1977年に放送が開始され、当時は”世界初の立体テレビアニメ”として話題になったそうなんですが、劇場版にも立体感はありました?
中西優香(以下、中) いえ、どうやら劇場版は立体方式で作られていないらしくて。でも、風景はめちゃめちゃキレイでビックリしました。特にすごかったのが湖で、立体アニメじゃないはずなのに、「どんだけあるの!?」ってくらい奥行きが感じられるんですよ! 30年以上前でも、こんなクオリティの高いアニメが作れたんだぁ……って、なんか妙に感動しちゃいました。
――なるほど。では、ストーリーはいかがでしたか? 原作がフランスの児童文学なので、アニメも子ども向けに仕上がっていたと思うんですが。
中 確かに作風は子ども向けなんですけど、ストーリー的には試練の連続で、しかも結構シビアなんです。初っ端から身売りされて、でも買い取った旅芸人のビタリスっていうおじいちゃんがイイ人で、「レミ良かったね!」と思ったら、警官に「連れてる犬が首輪をつけていないから」みたいな因縁をつけられてビタリスが逮捕されちゃって……。それでレミはひとりでお金を稼がなきゃならなくなるんですけど、まだ幼いから上手いこといかなくて、ひもじさに耐え切れなくなった犬が肉をパクッたせいで追いかけられて……。
――なんか話を聞いてるだけで、だんだん暗い気持ちになってきました……。
中 レミはなんにも悪いことしていないのに、理不尽なことばっかり起きるんですよ! でも、よくよく考えたら、現実もそんなもんじゃないですか。そういった意味では、大人も共感できる作品だと思います(笑)。それにジョリクールっていう猿のキャラクターが笑わせてくれたり、ギャグの要素も盛り込まれているので、そこまで深刻な気分にはならずに楽しめるんじゃないかと。
――動物のキャラがいっぱい出てくるので、ほのぼのとした気持ちにもなれそうですよね!
中 ウーン……でも、私はレミの人生があまりにも壮絶で、ほのぼのとした気持ちにはなれなかったんですよ(笑)。たぶん、劇場版はストーリーがダイジェスト的になっていたからだと思うんですけどね。レミの幸せな描写より、全体的に”試練の連続”を見せる構成になっていたので。だから、テレビアニメ版でもう一度観てみたいです!
――確かに、テレビアニメ版だと印象が違うかもしれませんね。ところで、本作は今から約30年前に劇場公開されたものですが、観ていて「昔ならではだなぁ」と感じたところはありますか?
中 昔のアニメって、「それおかしくない?」ってツッコミたくなるようなシーンがあるじゃないですか。たとえばこの作品だと、釈放されたビタリスとレミが再会して喜び合うシーンの場所が、なぜか線路の上なんですよ。「嬉しいのはわかるけど、そこにいたら危ないよ!」っていう(笑)。あと、手荷物の量からしたら明らかにおかしい大きさのハープを、いきなり取り出したりとか。私、そういうツッコミどころを見つけるのが大好きなので、思う存分楽しめました。
――そういう楽しみ方もあるんですね(笑)。読者のみなさんにも、その視点でぜひ見直してほしいです。そういえば、先ほど古川愛李さんが資料を見ながら「アーサーが『Zガンダム』のカミーユに似てる!」と騒いでいましたが、このアーサーってどんなキャラなんですか?
中 アーサーはレミの本当のお母さんであるミリガン夫人の息子で、つまりレミの弟なんです。でも、甘やかされて育っているので、レミとは顔付きからして違いますね。レミはたまに子どもとは思えない、人生を悟り切ったような顔をしますから(笑)。これだけ苦労しているのに、常に笑顔を絶やさないレミは、将来、絶対にイイ男になると思いますよ!
出崎作品を多く配信している「ムービースクエア」サマーキャンペーン特別企画の第2弾として、今回は中西優香さんに『家なき子』を見てもらった。同作はDVDも入手困難な貴重な作品。中西さんオススメの”ツッコミどころ”を探しながら、日本のアニメ界に大きな足跡を残した出崎統監督の作品の数々を『ムービースクエア』で今すぐチェックしよう!
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http://www.moviesquare.jp/
動画配信ポータルサイト『ムービースクエア』は、すでにDVDが廃盤となっている作品も含め、『家なき子』など過去の名作・傑作がラインナップしています。現在、『日本の夏、アニメの夏 名作アニメを見よう!』サマーキャンペーンとして、テレビアニメ版『家なき子』をはじめ、『宝島』『ムーの白鯨』『レッドバロン』の4作品が無料公開中です。また、『家なき子』より、今ならオリジナル壁紙もプレゼント中!
・キャンペーン詳細
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(取材・構成=アボンヌ安田)
●なかにし・ゆうか
1989年1月24日、愛知県生まれ。AKB48第一回研究生(4期生)オーディションに合格し、SKE48発足時に、一期生としてチームSに移籍。二次元に始まり、アイドルや宝塚歌劇団など幅広い知識を持ち、雑誌版「サイゾー」の「SKE48の大人のための二次元講座」や、インターネットラジオ・K’z Stationの『おしゃべりやってまーす』などにもレギュラー出演中。
SKE48公式HP
http://www.ske48.co.jp/
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