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【サッカー女子W杯・現地ルポ番外編】取材帰りにロシアでまさかの軟禁!

cyzosoccer.jpg壁に張られた注意書き。
日本語だけでなく、英語、スペイン語、フランス語、韓国語など
さまざまな言葉で表記されている。

 航空運賃約4万円をケチったツケを、こんな形で払わされるとは……。

 モスクワでまさかの軟禁!? すべては「安かろう悪かろう」と言われるロシアのアエロフロートを利用したのが運の尽きだったか。

 7月下旬、ドイツでサッカー日本女子代表、なでしこジャパンの世界一の瞬間を取材した帰りのことだった。フランクフルトを午後2時05分に出て、午後7時05分にモスクワ着。8時05分にはモスクワを発って、成田へ戻る予定だった。しかし、フランクフルトの出発が3時間ほど遅れ、トランジットに失敗。モスクワのシェレメーチエヴォ国際空港で足止めを食らったというわけだ。

 出発が遅れた時点で、嫌な予感はしていた。なぜなら、アエロフロートのモスクワ―成田便は1日1便。すでに同日に日本へ戻れないことは分かっていたからだ。

 日本人がモスクワへ入国する(空港を出る)ためにはビザを取得しなければならないが、筆者は持っていないので、いったいどうなるのか、機内でそんなことを考えながらモスクワに到着した。

 飛行機を降りると、さっそく係の人がなにやらリストのようなもの持って寄ってきた。そこには7人の名があり筆者の名もあった。ただし、係の人はほとんど英語がしゃべれずに、その場ではリストが何を意味するかはまだ分からなかった。

 7人が集まったところで、ようやく分かった。乗り継ぎに失敗したにもかかわらずビザを持っていない者の集まりだったのだ。

 だが、説明によれば、空港傍のホテル「ノボテル」に宿泊できるという。そして、そのままイミグレーションを通ることなく、裏口から逃げるように空港を出て、バスでホテルまでの送迎がついた。

 一時はフランクフルトに帰されるか、はたまた翌日のフライトまで空港で待機なんていう最悪の事態も考えたが、それだけは免れた。

 しかし、安堵したのも束の間。ホテルに宿泊できるとはいえ、外出はもちろん、ホテル内を自由に歩くこともできないという。筆者を含めた”ビザなし7人組(女4人、男3人)”に対し、与えられた部屋は3つで、筆者は成田へ向かう28歳の台湾人ビジネスマンとシェアすることに。辛うじて部屋には入れたものの、見ず知らずの、どこの誰とも分からない人同士が同じ部屋に押し込められたのだ。フロアには常に複数の監視がおり、エレベーター前の分厚いドアは厳重にロックされている。オマケに食事以外に与えられたモノはペットボトル1本の水だけ。それは紛れもなく”軟禁”だった。

 そして、壁にはこんな張り紙があった。

「ロシア移民法によると、あなたは、ビザフリーゾーンに配置されている3階に位置~~~省略~~~次にモスクワにいらっしゃる際には、私どものホテルを十分にご利用いただくためにもロシアビザをお取りになることをお勧めします」

 つまり、ビザがないんだから3階から動くな。もし次に来るなら、ビサをお忘れなく。そもそも、ロシアの航空会社の都合で、筆者たちはこのホテルに連れて来られたというのに……。さすがに、この張り紙を見たときには、多国籍の陣容が、いっせいに「二度と来る訳ないだろ!」と声を揃えた。

 食事は決められた時間に1部屋に集められて摂り、まるで配給のようで、アルコールのサービスすらないのだ。それでも約20時間、夕・朝・昼と食事をともにした7人は、「こんな映画見た気しない?」、「タイトルはグレート・エスケープ(大脱走)? こっから逃げたらどうなんの?」なんて冗談を飛ばし合いながら、それなりに打ち解け合った。

 予想外の展開だったが、さすが軍事国家ロシアというべきか。確かに、モスクワ経由のアエロフロートは他のヨーロッパの航空会社と比べれば格安だ。それでも、安さには理由がある。乗られる方は、トランジットにご注意を!
(取材・文=栗原正夫)

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美人は多い。

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最終更新:2013/09/11 20:20
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