「本物のロッカーだった」元X・TAIJI、壮絶人生の「告白本」計画も進んでいた
#TAIJI #X JAPAN
Xの元ベーシスト、TAIJI(本名・沢田泰司)の突然の死はファンに大きなショックを与えた。
7月11日、成田からサイパンに向かう航空機内で同行していた女性マネジャーと口論になり、興奮したTAIJIは乗務員にも暴行したとして逮捕。裁判所の審理を翌日に控えた14日、留置所のベッドのシーツを使って首吊り自殺を図り、脳死状態を見かねた親族らが延命措置の中断を認め、17日に死亡が確認されたという。
TAIJIの自殺そのものに疑念を抱く一部報道もあるが、いずれにしろ関係者は大きな悲しみに包まれている。
「X JAPANの他のメンバーとは比べ物にならないほど、破天荒な男だった」
こう語るのは、生前から長く親交のあった音楽スタジオ経営者A氏だ。死の1カ月前にも電話で1時間ほど話したばかりだったという。
「カッコだけの商売ロッカーではなく、酒と女と楽器だけあればいいという本物のロッカー。怒れば相手かまわずブン殴るし、機嫌が良ければ酒を飲んで夢を語る。社会ではハミ出し者でもミュージシャンとしては最高にカッコよかった」(A氏)
実際、TAIJIは壮絶な人生を送った。バンドの運営費を捻出するためコンビニでパンを盗んで食べた下積み時代に始まり、ストレートにモノを言う性格からバンドメンバーと衝突し決裂を繰り返した。一時はホームレス生活を送り、バイク事故や脳梗塞など傷病との闘いも多かった。信頼していたスタッフに利益を横領されたこともあったが、A氏によると「そんなものは氷山の一角。もっとすごい話をたくさん知っている」という。
「だから今年は、ある出版関係者がアウトローな生き様をすべて告白する自叙伝を出さないかと接触してきたばかりだった」(A氏)
TAIJIは10年以上前に自伝を出しているが「いろいろな制約があって、事実と違う美談に仕立て上げられたと本人は納得していない様子だった」とA氏。
「ある大物外国人ギタリストと殴り合いになったり、有名女優との一夜もあった。彼が書いた曲を人気ミュージシャンが”自分が作曲したことにしてくれ”と買い取った話もある」
しかし、それも突然の死で封印されてしまった。代わってA氏のもとには、複数の出版関係者からTAIJIについての”伝説”を証言してもらえないか打診があったというが「武勇伝の数々が表にならないのは残念だけど断った」とA氏。
「TAIJIは”金儲けに興味はない”が口癖だったから、あの信念を尊重して勝手な切り売りはしたくない。彼は生きるのは下手だったけど、自分が知るミュージシャンの中でも指折りの才能を持つ男だった」(A氏)
料理の腕前はプロ級という意外な一面もあったというTAIJI、45歳。伝説を終えるにはあまりに早すぎた。
(文=和田修二)
TAIJIが語った「X」のすべて。
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