欧米メディア・人権団体から非難囂々 中国「小人テーマパーク」に行ってみた
#中国
偽ディズニーランドや偽ガンダム遊園地など、我々の想像を超えたテーマパークが多数存在する中国。そんな中「身体障害者を見せ物にするとは言語道断!」と、欧米メディアや人権団体から批判が集中しているテーマパークがある。低身長症の人たちによるさまざまなショーを売り物にした、雲南省の「小矮人帝国」(小人帝国)がそれだ。
働くスタッフにはそれぞれ、「国王」「兵隊」「部長」といったさまざまな役職が与えられており、帝国内にある家や建物もすべて小さなサイズ。観光客は帝国内を歩き回るだけでなく、「芸術団」の歌やダンス、武術、曲芸、漫才、手品などが楽しめるという。
このテーマパークは、その気候の穏やかさから「常春の街」と評される昆明市の中心部から車で1時間半あまりの場所にあった。入園料は、大人60元(約750円)。中国の物価からするとかなり高額だ。しかも、入り口からショーが行われるステージまでは距離があり、電動バスが結んでいるのだが、ここでも運賃5元(約60円)を徴収されるのだった。
電動バスがステージ前に到着すると、さっそく身長120センチほどの短髪の男性が「ようこそ」と迎えてくれた。彼の白いシャツに赤いネクタイという出で立ちは、すぐにオバマ大統領を意識したものだと分かった。
オバマ氏によると、ショーの開始までは約1時間あり、それまで、我々を彼らが住む”小人村”へ案内してくれるという。言われるままに付いていくと、ステージの裏におとぎ話の世界のような小さな家が10棟ほど並んでいた。そのうちの一軒をのぞくと、やはり身長120センチ前後の男女が、編み物や小物を作ったりしていた。それらはテーマパーク内で販売され、ステージの出演料に加えて彼らの収入となるのだという。
そうこうしている間に、ショーが始まるというのでステージ前へと急いだ。観客は50人ほどであったが、韓流アイドルを模したとおぼしき女性グループによるダンスに始まり、ロックテイストの歌やブレイクダンスなど、1時間ほどとなかなかの充実ぶり。ショーとしてレベルが高いとは言えないものだったが、彼らが小さな体を精一杯動かすたび、観客からは感嘆と嘲笑が入り交じったような声が上がっていた。
こうして障害を見せ物にすることに対しては、賛否が分かれるところ。しかし、実際に足を運んで感じたのは、彼らは誰にやらされている訳でもなく、プロとしてやっているということだ。社会保障も未整備なこの国で、自活しているステージ上の彼らは誇らしげですらあった。
(取材・文・写真=高田信人)
なーんでなくなっちゃったんだろね。
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