中国組織もがれき撤去に参入 復興利権に食い込む反社会勢力
#ヤクザ #プレミアサイゾー #東日本大震災
発した『産廃コネクション』。
福島第一原子力発電所近くの街、福島県南相馬市をチャイニーズ・ギャングスターが訪れた──6月15日付のイギリス・ガーディアン紙はこのように報じた。記事によると、この人物は「中国犯罪組織」の一員であり、震災後、日本の政治家を伴って南相馬市の市長を訪問したが、市長は、その男が闇社会とのつながりを持っていることを知らなかったという。この「チャイニーズ・ギャングスター」の目的とは一体何だったのか。
この人物、表向きは日本名で知られている、いわゆる帰化中国人である。仮にAとしよう。Aは日本人の妻を持ち、結婚ビザで日本に滞在している。とはいえ、中国との関係は深い。対中国の輸出業務を行う会社を経営しており、同時に、ある在日中国人労働組合の代表を務めている。Aが被災地を訪れたのは、表向き、この労働組合の代表としてである。ところが、Aには裏の顔があった。ある捜査関係者が話す。
「Aは国際捜査に携わる捜査官の中では有名人。彼は紛れもない『中国マフィア』だ」
反社会的な行為を厭わず、一部暴力団ともつながりがあるといわれる中国マフィアグループ。Aは都内を中心に活動するグループの幹部であり、実質的なナンバー2だという。
ガーディアン紙によれば、Aは被災地の「復興利権」を狙っているという。現在、被災地にあふれるがれきの総量は2000万トン以上と見られている。これらのうち、福島第一原発付近のがれきはいわゆる「放射性廃棄物」であり、処分が難しい。実際、福島県郡山市で、小中学校の校庭で放射性物質を含む土が削り取られたが、埋立処分場付近の住民の反対に遭い、汚染された土は行き場を失った。その後、土は校庭に穴を掘って「仮置き」されている。放射性物質が漏れ出さないよう、何重にもシートで覆って埋めたというが、いまだに最終処分の方法は決まっていない。
国や自治体が放射性廃棄物の処理に頭を抱える中、民間の産業廃棄物処理業者が動きを活発化させていた。膨大な量のがれきを処理する利権を手にすれば、未曾有の利益が見込める。だが、民間の業者はどのようにがれきを処理するというのか。
「実は、Aの本業は貿易会社ということになっているが、実態は産廃業者。日本のゴミを中国に持っていっている」(前出・捜査関係者)
つまり、行き場を失った日本の放射性廃棄物が、海を渡り、中国に埋め立てられることになるかもしれないというのだ。
被災地における中国マフィアグループの動向を報じたのは、ガーディアン紙だけではない。6月16日付のインド・ザ・ヒンドゥー紙も、ガーディアン紙の記事を転載する形で報道。また、同日付の韓国・聯合ニュース紙も、ガーディアン紙の記事を引用しながら、「復興利権」を狙う中国マフィアグループの様子を伝えている。
ところが、こうした中国マフィアグループの動きを、日本のテレビ・新聞はまったくといっていいほど伝えていない。ある日本の夕刊紙は、Aが南相馬市を訪れたことを報じたものの、Aの「表の顔」による活動のみを取り上げており、被災地の復興に中国マフィアグループが食い込むことになるかもしれないという点には踏み込んでいない。それによれば、Aはボランティア活動として現地を訪れており、代表を務める労働組合の組合員や中国人留学生らと共に避難所を訪れ、餃子を振る舞ったのだという。もちろん、事情を知らない被災者たちは、Aらに対し好意的だった。
しかし、これをガーディアン紙は、「被災者に食べ物を振る舞うことで、 地元住民に取り入ろうとした」と報じている。つまり、積極的なボランティア活動は、地元との「パイプ」をつくるためのパフォーマンスにすぎず、「復興利権」獲得のプロセスの一部だったというのだ。
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