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原発御用学者の正論と極論【1】

「プルトニウムは飲んでも大丈夫?」科学オンチでも愕然とする原発御用学者 の”妄言”と”業”

──東電に与し、原発に対して肯定的な発言を繰り返してきた”御用学者”が、槍玉に挙げられてきた。確かに、原子力を擁護し続けてきた罪は重いが、そうした”アンチ御用学者”のバイアスがかかることで、「本当に危険なことは何なのか?」という、本質的な問題が見えにくくなってはいないだろうか?

 3月11日以来、東日本大震災と福島第一原子力発電所のその後の姿が、あらゆるメディアで連日報じられている。そして、ニュース番組や新聞、雑誌記事の傍らには、名だたる大学の教授や大学病院の医師が識者として登場して、持論を展開している。未曾有の災害であり、史上最悪レベルの原子力事故だけに我々には、いま何が起きているのか、これから何をするべきなのか、わからないことが多すぎる。それだけに、その道のエキスパートである彼らの存在は心強い。

 ところが、今回に関していえば、その言葉によくよく耳を傾けてみると、ドシロウトですら「それはあまりにも極論だろう」と、思わず首を捻りたくなるものも少なくない(当特集【2】参照)。そして、そんな発言をする学者はネットや一部週刊誌などで”原発御用学者”と呼ばれてしまいがちだ。

 東電の御用学者とされるお歴々の代表的な発言は、当特集【2】の通り。たとえば、関村直人東大教授は「メルトダウンはあり得ない」「冷却水が漏れている可能性は低い」と力強く言い切り、諸葛宗男教授は、自らの作った農作物の出荷制限を受けるなど苦境に立たされ、将来に絶望し命を絶つことを選んでしまった農家の人々を「極端」と断じてしまっている。また、05年の発言ではあるが、大橋弘忠教授は「プルトニウムは、飲んでも体外に排出される」から大丈夫と明言。確かにプルトニウムを経口摂取しても、体内に吸収されることはないといわれてはいるが、それと内部被ばく、外部被ばくはまったく別の話。大橋発言は、ただの論理のすり替えにしか聞こえない。

 あくまで結果論だが、彼らの発言がことごとく的外れであったことはご存じの通り。「先行きが不透明だからこそ、専門家は最悪の事態を想定すべき」だったのではないだろうか。

 ところが、紙幅の都合で上記一覧からは割愛したが、このほかにも「人類は原発を知り尽くしていない。これからも事故は起きるだろうが、事故を克服して原発を使っていくべきだ」(畑村洋太郎東大名誉教授)、「今回の事故の補償費を含めると、原子力はコスト的な有利さが減じるが、それも小幅にとどまるものと思われる。基本的な原子力の経済的優位性は変わらないであろう」(宮崎慶次大阪大学名誉教授)などと、あからさまな擁護発言を行う学者すら存在するのもまた事実なのだ。

 なぜ、彼らはこの期に及んでまで、そして御用学者のそしりを受けてまで、原子力発電を擁護し続けるのか。震災前から電力業界の体質を厳しく批判してきた元「噂の真相」副編集長の川端幹人氏は、「利権以外の何物でもない」と断言する。

最終更新:2011/07/19 10:00
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