「Happy birthday dear かなこぉ↑↑」で赤く染まったももクロZ Zeppツアーファイナル!
#アイドル #ももいろクローバーZ
5月20日のZepp Nagoyaから始まった、ももいろクローバーZの全国ツアー「ももクロ ファンタスティックツアー2011 Zでいくって決めたんだZ!!」。名古屋、札幌、大阪、福岡の4都市を駆け巡り、7月3日の東京・Zepp Tokyo公演でいよいよファイナルを迎えた。
東京公演は3月に行われた同所でのライブ同様、3回まわしの完全入れ替え制。チケットはすべてソールドアウト、関係者やプレスも立ち見対応となる超満員すし詰め状態となった。3周できなかったファンも多く、かなりの人数が押し寄せたとみられる。
百田夏菜子が「前回、Zepp Tokyoでライブをさせていただいた時は、1部、2部は満員じゃなかったんだよ」とMCで発言した通り、人気急上昇中の熱気が如実に感じられた。特に女性ファンの増加が目立つことが、ファン層の拡大をあらわしている。
トータル6時間延べ64曲のセットリストは1部、2部、3部のすべてが異なる気合の入ったもの。しかし、3部構成でも出し惜しみの感はまったくなく、平常運転の全力パフォーマンスでオーディエンスを存分に楽しませた。
脱退した早見あかりのパートをメンバーそれぞれが補う姿も板についてきた。補うというよりも、むしろ見せ場が増えたという印象が強い。また、精神的な支柱であっただけでなく、”タメ”を作っていた早見がいなくなることで時間の流れが直線的になった。よりスピーディーなダンス、アクロバットが強調され、このツアーのコンセプトでもある”がっつりライブ”という方向性がはっきりしてきたとも言える。
MCでも新たなバランスが。例えば、「今日のために英語を勉強してきました」と言う百田は玉井詩織に年齢を問われると、「もうすぐ……」と日本語で答え、以下グダグダなやりとりに。さらに高城れにが入ってきて「私の方が勉強ができる!」と言い合いになり収拾がつかなくなると、有安杏果が「以上、私たち、いま会えるアイドル~」と自己紹介締めのあいさつに移行して無理やり流れをぶった切り、MCを終わらせた。また、百田が「てへぺろ」を使い出した理由を「話すと長くなる」と言った時にも、すかさず佐々木彩夏が「はーい、というわけでそれでは最後の曲に行きますか!」とラストに誘導してもいる。
早見が仕切っていたMCを自治する5人のバタバタ感も、ステージの妙味になってきているようだ。
メンバーのソロ曲を含むいつものレパートリーに加えて、6日発売の「Z伝説 ~終わりなき革命~」「D’の純情」(第2部は「D’の純情」が先/キングレコード)を熱唱。そしてアンコールでは、27日発売のファーストアルバム『バトル アンド ロマンス』(同)から「キミノアト」を初披露(第3部では2回目のMCの後)するなど、2時間はあっという間だった。
そして第2部の18曲目「あの空へ向かって」が終わり、メンバーがステージ袖に引き揚げると、もちろん客席はアンコールを連呼。しかし、それはただのアンコールではない。12日に誕生日を迎える百田を祝おうと呼び出すものでもあった。
ファンからのサプライズ。暗闇に真っ赤なサイリウムだけが映える。常連さんが振っているらしい大車輪状の特殊なサイリウムも確認できる。
驚いたのは当の本人。ファン、そしてメンバーから「Happy birthday dear かなこぉ↑↑」と歌われ、当惑を隠せない。「うっそー、うっそー、うわー」「へぇえ~どうしよう。えぇ~待って」「もうどうしよう、なんか、Zepp最後の日にいいのかなって感じ」と言葉を重ね、ついには「やばい、めっちゃうれしいんだけど」「これはイカン」と涙ぐんだ。
ファンが一体となって盛り上げる、ももクロZのムーブメント。この勢いをさらに加速するべく、この夏はぎっしりと予定が詰まっている。『バトル アンド ロマンス』初回プレス分に封入されたカードで応募、抽選で当選すると参加できるスペシャルイベント「選ばれしモノノフの集い」は8月7日横浜BLITZ、8月12日なんばHatchの2回決行予定だ。問題はその内容で、資料によれば「スペシャルLIVE+ボイン会」となっている。
玉井は「ボインはももクロだけのものやないんやで~」と、MCの告知タイムで思わせぶりな振りをしたが、メンバーにも詳細は分かっていない様子。謎は深まるばかりである。
さらに8月20日は、よみうりランドオープンシアターEASTで今夏のももクロ最大級イベント「ももいろクローバーZ サマーダイブ2011~極楽門からこんにちは~」を開催。指定席は一般販売開始をした7月2日に即日完売してしまい、急遽、芝生立見席を増発する事態となっている。
7月27日発売の『バトル アンド ロマンス』には、名曲との評価が高いにもかかわらずこれまでシングルに収録されていなかった「オレンジノート」が初音源化。「行くぜっ!怪盗少女」がメジャー殴り込みの名刺代わりだったとするなら、Zとしての名刺代わりになりそうな前山田健一作曲の「Z伝説 ~終わりなき革命~」、AKB48も手掛ける多田慎也作曲の「キミノアト」、ニューアルバム『5年後の世界』(キングレコード)を発売したばかりである特撮のNARASAKI作曲による「天手力男」など、多彩な楽曲が大集合。元気なだけではない、幅広い表現力と強さを備えたグループに進化しようとする、ももクロZの今を捉えた一作となった。
「Animelo Summer Live 2011」には、1日目の8月27日に出演することも決まった。アイドルらしくありつつも、アイドルの枠を超えていく彼女らの到達点はまだ見えない。
(取材・文=後藤勝)
7月27日発売。
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