「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース
#声優 #インタビュー #小明 #声優 on FINDER! #宍戸留美
元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとして可愛い声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の12回目です! 今回は、まなびぃこと水野愛日さんが来てくれました!
――突然なんですが、大昔にロフトプラスワンでアイドルのイベントされたりしていませんでした?
水野 うわー!! すっごい前ですね!! 本名で活動していた時代にしてました!! なんで知ってるの!?
――ですよね! 昔からロフトプラスワンは憧れの聖地でしたし、アイドル志望だったので……水野さんは地下アイドルの元祖なんじゃ?
水野 いやいや、あの時はまだ”地下アイドル”という名前がない時代で、”プレアイドル”って言われてたんですよ。その当時に所属していた事務所が水野あおいちゃん(ライブアイドルのパイオニア)がいた事務所で、私も本名の「水野」だったので、完全にあおいちゃんの影に隠れてて(笑)。陰であおいちゃんを「水野A」、私を「水野B」って呼ばれてたり。
――むしろ水野あおいさんは芸名でこっちは本名なのに! 水野さんは「アイドル研究家」の異名もありましたけど、最近のアイドルはどうですか?
水野 そうですね……宍戸さんがデビューした「ロッテCMアイドルは君だ」の歴代の優勝者とかは言えるんですけど、アイドルにすごい熱を上げていて詳しい時代がちょうどその5~6年なので、最近の人たちはあんまり……。小学生のときにおニャン子クラブが流行っていて、「私、絶対おニャン子に入る!」って思っていたんですけど、解散してしまって夢が破れ、その後は乙女塾とか桜っ子クラブ、あとは河田純子さんとか田山真美子さんとかもずっとグラビアを見ていて……。
――ガチに好きなのが伝わりました! 「東京パフォーマンスドールに影響を受けて、イベントでダンスを完コピしてた」っていうのをインタビューで読んだんですけれど、それもすごいですよね。近年で東京パフォーマンスドールに影響受けたって人、なかなか見ないですよ!
水野 アハハ! どこ見てるんですか! それこそ「プレアイドルの新人発表会」っていうイベントでやってました(笑)! いや、時代が時代ならモー娘。とかAKB48が好きだったと思うんですけど、当時は歌って踊るライブアイドルが東京パフォーマンスドールぐらいだったので。私もずっとグループアイドルをやりたかったんですよね。グループアイドルの端っこに行きたかった。センターではなく端っこで、一番ダンスはキレてるね! っていうキャラクターになりたかった。
――なんでセンターじゃないんですか?
水野 目立つのが好きじゃない。自分をフューチャーされるのも苦手で、いまだに誕生日を祝われるのも嫌なんです。その日の主役感が嫌。でも、歌ったり踊ったりするのは好きだから……。
――なかなかややこしい(笑)! それで、グループの端っこに入ってどうする予定だったんですか?
水野 うん、それで20歳くらいで引退して、元アイドルの若妻になるのが夢だったんですけど……まぁ、なかなか叶わなくて。
――それは確かに憧れますね! ただ、若妻ってある程度、年齢制限が……。
水野 時がたつのはあっという間ですね。あはは。
――良いじゃないですか、ブログに載ってた制服姿の写真とか決まってましたよ!
水野 もうなんか、やけっぱち。最近は写真の技術も高いので、あはははは。
――目が笑っていない! でも、それだけアイドルが好きで、ご自分でもプレアイドルをやられた後にどうして声優さんに?
水野 結局グループアイドルにも縁がなかったし、当時はシングルCDを出すというのがある程度の境目だったので、私もやるからにはCDを出したいと思っていて。でも、本名でやっていた時のまま、うじうじしたままでは夢は叶いそうにないし……そんな時に声優ブームが来たんです。声優さんがアイドルと変わらないスタンスで活動していて、歌だけじゃなくてラジオもあったり活躍の場が広いし……「これはつぶしが効くな」と思って(笑)。
――あはは! すごくちゃんと考えてたんですね!
水野 だってグラビアとかもすごく豪華で……! そういう華やかな部分にも、職人としての技術にも憧れがあって、スッと腑に落ちたんです。それで一般公募の声優オーディションにかたっぱしから書類を出して、一番最初にCDを出してくださったレコード会社に拾っていただいて、デビューのきっかけをいただいて、芸名も変わりました。
――そこで水野愛日が誕生したんですね。その後の活動はどうでしたか?
水野 声優活動を中心に頑張ったんですけど、そのオーディションで入った事務所は不況の波に飲まれてなくなっちゃって……。あと、昔のことはもうほとんど覚えてないんですけど、確かアルバム二枚目くらいまではほとんどお金ももらってなくて、朝からずっとバイトしていたような……。けっこう大きいところでライブして、皆から「まなびぃ~!」って言われた翌朝にマックのポテトを冷凍倉庫から出していた。
――すごい落差(笑)! ずいぶんご苦労されましたね。
水野 あ、でも、担当してくれてたマネージャーさんがその後も現場についてくれたり、人には恵まれていて。たまたま放任主義な事務所に当たることが多いし、舞台やライブ活動はほとんど自分で動いて、事務所は見守ってくれてる感じなので、ぜんぜん苦労という苦労はしてないですね(笑)。
――ちなみに今、芸歴は何年になるんですか?
水野 どこをスタートにするかで変わってくるんですけど、水野愛日になってからだと……うわぁ、もう15年くらいになるのかな!? 「10周年記念!!」とかやっておけば良かった、いろいろできただろうに、もったいない……!
――でも、昔の画像を見てもそんなに変わってないですよね。
水野 いやいや劣化の嵐ですよ(笑)。現場でも「若いね」って言われることなんて、ほとんどない。
――だって、みんな若いんですもの。声優さんってどうして時が止まってる方が多いんでしょう?
水野 あ、それは確かにそうですよね。地元に帰って同級生とか大学の友だちに会うと、やっぱり全然違ったりします。
――同級生って普通に定職について結婚して子ども産んでたりしてますもんね。
水野 そうですね。多分、まっとうに人生を送られている方と比べて苦労は少ないんだと思います。皆まっとうに人生を送っている。ちゃんと就職して、寿退社して……憧れますねぇ……。女子高育ちなので、女の子といる方が楽だったりするじゃないですか。やっぱ楽しちゃいますね~、あはは。はー……今年、来年でがんばろうっと。
――そうして期限がだんだん延びていくパターン! でも、家に帰って人がいるとか、誰か帰ってくるとか憧れます。
水野 分かります。わかります。私も安定志向なのに、そう見られないのは、なんで?
――爪もきれいにネイルアートされてるし、相当な女子力だと思うんですけど……。
水野 ああ、ネイルだけですね、お金使っているのは。私は、ストレスを感じても夜は眠れるし、ご飯も食べられるし、肌も荒れないし、頭髪も抜けないんですけど、子供の頃から爪を噛む癖があって……そういうの出ちゃうんですよ。で、目に入って傷んでいるとダウナーになってくるので、噛み噛みできないように、盛りに盛っているんですよ。うふふふ。
――……なんなんでしょうね、こんなに可愛らしくて、話していても楽しい方なのに。では、音楽活動について伺いたいんですが、夏に新曲が出るんですよね!
水野 そう! そうです! 久しぶりにシングルを出すんですけど、本当に、12年ぶりくらいのシングルCDで、ソロ名義も久しぶりでねぇ……。
――苦手なセンターじゃないですか! 主役ですよ!
水野 本当に苦手ですね……。それに、久しぶりなので音楽の感じも変わっていて……。今時っぽい感じの曲調にもチャレンジしたんですけど、やっぱり私の歌い方は昔っぽいから、その点苦労したなぁ。おニャン子だったり、そういうアイドルの歌を聞いて練習してきているので、その時代の歌い方が染み付いていてね……。今は、舞台と声優と音楽活動の3つの柱があるんですけど、やっぱり舞台でも歌い方が足かせになってしまったり、大変だった時期もありましたけど、最近は「これが私なんだな」って認めつつ、受け入れるようにはしているんですけど……。
――歌い方って、それぞれの味わいだと思うので、それを含めて楽しむものだと思うんですけどね。
水野 そう言ってくれる人を大切にしたいなぁ。基本からガッツリ勉強もさせてもらったので、それを土台にして、もっと自分を活かせていけたら良いな……。ええと、つまり、新曲聴いてねっていうことなんですけどね! 9月発売の『白衣性恋愛症候群』というPSPゲームのエンディングで、声優としても出演させていただいてます!
――分かりました! そして来月はお誕生日ですね、何かご予定は?
水野 こんなに誕生日を祝われるのが苦手な私がバースディライブを開催してしまいます! 来て下さい! ……でも、やっぱり主役は苦手なんで、去年もサプライズでウルトラオレンジのサイリウムと、大好きなリラックマのケーキを出してもらったんですけど「あ、ふーん」みたいな……。
――素っ気なすぎる(笑)!
水野 蝋燭をふーっ! ってやりながら、嬉しくてウルウルはしてるんですけど、歌や踊りと違って、そういうのは上手く表現できないんですよね……。なので、あまり「祝う」というスタンスじゃなくて良いので、よかったら……。
――なんて不器用な……! これからも応援してます、ありがとうございました!!
(撮影=宍戸留美/取材・文=小明)
●みずの・まなび
96年にパイオニアLDCのオーディションに合格した後、水野愛日として声優活動を開始。”マナビー”の愛称で親しまれ、アニメ・ゲームへの出演のほか、数々のユニット活動、アーティストとしても多数のシングル、アルバムを発表するなど、幅広く活躍している。2011年夏には12年ぶりのシングルCDをリリース予定。
・水野愛日ソロライブ「summer again 2011~ナチュラルスマイル~」
日時:2011年7月30日(土)18:00 open 18:30 start
場所:東京・渋谷テイクオフセブン 03-3770-8170
(http://kox-radio.jp/to7-top.html)
東京都渋谷区宇田川町32-12アソルティ渋谷B1F
料金:4000円・当日4500円(D500円別)
出演:水野愛日
特別ゲスト:喜多村英梨
主催:アイドルショット http://idolshot.jp
協力:EARLY WING/スリートゥリー
チケット情報・発売はこちらから http://idolshot.jp/manabilive2011/
●ししど・るみ
1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
魔性姉妹としてもミュージシャン森若香織と音楽活動開始!!
http://www.loft-prj.co.jp/masho/
7年ぶりのニューアルバム「CHERBOURG→BRIGHTON」発売中!!
http://p.tl/rVTY
USTREAM音楽番組「宍戸留美×津田大介 Oil in Life」も絶賛放送中!!
公式HP http://rumi-shishido.com/
●あかり
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>
サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
お変わりない!
【声優 on FINDER!】バックナンバー
【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って
【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ
【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド
【vol.08】「”声優”の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ
【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート
【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム
【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド
【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです……」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム
【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド
【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ
【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート
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