まるでそこだけスポットライトが当たっているよう……「森田涼花の《華》」
#アイドル #木嶋のりこ #アイドル的アイドル思考法
アイドルたちは、ほかのアイドルをどう見ているんだろう……? そんな疑問にお答えする連載「アイドル的アイドル思考法」。自他共に認める業界一の「アイドル通アイドル」木嶋のりこが、アイドルの魅力のすべてを語り尽くします!
「”華がある”とは、こういうことなんだ」と確信を持って女性を見たのは、彼女が初めてでした。
テレビや映画で活躍している彼女のことは、依然から知っていました。あどけない表情や無邪気な笑顔がかわいらしく、私の好きなアイドルの一人だったのです。
そんな彼女が出演しているイメージDVDの中で私が初めて見たのが、『romance18』。普段、テレビ番組や映画で話している彼女ばかりを見てきたので、イメージDVDという声の無い世界の中にいる彼女が妙に新鮮に感じました。
この時思ったのですが、声を奪われた状況で自分を表現するこの空間でこそ、アイドルの本質が映し出されるのではないでしょうか。芝居のように決まった感情や動きのない、自由が与えられた空間。それを鑑賞していると、まるで心の中を覗いたような、一歩距離が近づいたような、優越感に近い感覚にさせてくれるのです。私は彼女がその空間でどんな表情を魅せるのかが、気になって仕方がありませんでした。
映像を見ていて最初に感じたのは、何とも言えない不思議な魅力……。
衣装、髪型、メイク、シチュエーションによって表情が変わるのはどのアイドルも皆同じなのですが、彼女はその変わる幅がとても広いのです。
こっちにあまり興味がないんじゃないかと思わせる仕草をしたかと思えば、甘えるような表情を見せ、そうかと思えばまるで別人のような大人な姿まで見せる。そして時折見せるキラキラ輝いた笑顔は、大人でも子どもでもない等身大の彼女の姿……。
さまざまな彼女を見ていると吸い込まれそうになるのですが、私はどこの部分にそんなに惹かれているのか分かりませんでした。どんな候補を挙げて見ても「そこだけじゃない」という感情が付きまとい、納得がいかないのです。
カメラ目線でもそうじゃなくても、力が抜けていてもシャキッとしていても、まるでそこだけスポットライトが当たっているかのように、全てが画になる……。
きっとこれが「華がある」ということなんだと私は強く思いました。
それが誰にあって誰にないのか、要するにどういうものなのか……今の私には上手に説明することはできません。ですが彼女の人を惹きつける不思議な魅力を説明するには、その言葉が一番しっくりくるのです。
「すごい……」
思わずそうつぶやいてしまったくらい、私は感動させられてしまいました。
そして、こんなにポップで爽やかで幼い印象も違和感なく与えてしまうのに、ここまで黒を着こなしてしまうことにも衝撃を受けました。
今まで彼女のようなタイプのアイドルが黒い衣装を着ていると少し背伸びをしているように見え、それがたまらなくかわいいと感じていたのです。
しかし彼女はとてもキレイでした。
さっきまでの幼さは一瞬で消え、”かわいい”より”キレイ”が似合うお姉さんがそこにはいたのです。
けれど、きっとこれはまだ彼女のほんの一部に過ぎないのかもしれません。
たった81分で魅了させた彼女は、次のステージでもまた見たことのない華を咲かせてくれることでしょう。
(文=木嶋のりこ)
●きじま・のりこ
1988年、長野県生まれ。05年「制コレ」7テイルズ獲得。女優として『片腕マシンガール』(07)、『ピョコタン・プロファイル』(08=主演)。舞台『月葬(げっそう)』(09)。
ブログ「木嶋のりこのハッピーオムライス」
http://ameblo.jp/noriko-kijima/
公式HP「木嶋食堂」
http://mentaiman.com/attraction/kijima/index.html
イイネ!
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