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第3回選抜総選挙終了&『泣けるAKB48』発売特別企画 "ちょこっとだけ『泣けるAKB48』"

【総選挙1位】「どーでもいい」が口癖だった……前田敦子がAKB48のエースに選ばれた理由

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 AKB48評伝本『泣けるAKB48 メンバーヒストリー 少女たちの汗と涙の軌跡』発売を記念して、その一部を抜粋して紹介する。まずは、見事、第3回選抜総選挙で第1位に返り咲いた前田敦子。”絶対的エース”とも評される彼女はいかにして、エースとなりえたのか? その軌跡に迫っていく。

 実は前田はAKB48加入前は、極度の無気力少女だったようだ。前田自身が「『どーでもいい』が口癖なほどやる気がなかったんです。でも、ここ(AKB48)に入ってからは、仕事と学校の切り替えもできて毎日が充実。AKB48は私を変えてくれました!」(『密着!AKB48 写真集 Vol.1 the・デビュー』)と語るほどで、秋元康総合プロデューサーも前田について次のように明かしている。

「よく前田が言っていますが、彼女とお母さんが歩いている途中、メンバー募集のポスターをたまたま見かけて、それを前田になんとなく話した。そしたらあの引っ込み思案のコが初めて『これ受けてみたい』と言い出した。それはもう運としかいいようがない」(『じゃんけん選抜公式ガイドブック』)

 前田の母が偶然見かけたポスターに「どーでもいい」が口癖だった前田が意外にも反応。まさに運に導かれるようにして、AKB48オーディションを受けたのだった。無事に合格したものの、ダンスも歌も経験のなかった彼女は、レッスンで苦戦を強いられる日々を送る。ついに迎えたデビュー公演で、彼女は最初の自己紹介MCで「とりえが笑顔しかないので、とにかく笑顔でがんばっていきたいと思います」とあいさつした。その”勝負笑顔”は、当時振り付けを担当していた夏まゆみ氏の目に留まる。夏氏は『48現象』で前田について次のように語っている。

「前田はね、今でこそメインでいるのが当たり前になってきてますけど、最初は前を向くことすらできないコだったんですよ。”前を向きなさい。顔を上げなさい”ってずーっと言ってたな。でも、やっぱり最初から何か気になるコだった」

 前を向けない照れ屋の前田だったが、次第に客席を見れるようになり、成長を遂げていく。「成長」が一つのテーマであるAKB48において、ゆっくりだが着実に進歩していく前田はその象徴とみなされたようだ。

■前田メイン曲「渚のCHERRY」 推されることへの恐怖と重圧

 前田は2nd公演『会いたかった』では、「嘆きのフィギュア」と「渚のCHERRY」の二つのユニット曲に参加。この公演では、推され、干されが顕在化し、特に「渚のCHERRY」では、前田がメインボーカルとなり、峯岸みなみ、平嶋夏海、増山加弥乃(07年卒業)はバックダンサーと表現しても過言ではない状態だった。前田はそこに多大なプレッシャーを感じていた。『会いたかった』公演の千秋楽で次のように心情を吐露した。

「『渚のCHERRY』を歌うのが決まった時、はっきり言って不安ばかりで、私は歌がうまくないのに、どうしてこんなに歌わなくてはいけないんだろうって……。メンバーが励ましてくれて、お客さんがコールや手拍子をしてくれて、心の支えになりました。私は感情を出すのが苦手で、ぶっきらぼうに見えるかもしれません。『渚のCHERRY』では少しずつ感情が出せるようにがんばりました」

 バックダンサーとなったメンバーが自分のポジションで歌いたい気持ちがわかるがゆえに、常に前田は葛藤を抱えていた。ついに、その千秋楽で感情が堰を切ったようにあふれ、大粒の涙を流しながら、不器用な胸のうちを語ったのだった。この告白を通して、それぞれの胸の内を語り、チームAは固い結束で結ばれていった。2007年に入ると前田は、女優業に進出。映画『あしたの私のつくり方』では映画初出演にして、準主役の2番手を務めるという大抜擢となった。この作品では、クラスの人気者から、突如イジメのターゲットとなった日南子という難役に挑み、女優としての足がかりを得たのだった。

■次世代エース・松井珠理奈の飛躍と秋元康からの苦言

 2008年にAKB48の妹分・SKE48が発足する。SKE48から当時11歳の松井珠理奈がエースとして起用され、AKB48のキングレコード移籍第1弾シングル「大声ダイヤモンド」に参加。CDのジャケットにも珠理奈一人が起用されるというサプライズ人事となった。同曲のPVでは、前田と珠理奈がぶつかるシーンがあり、ファンの間ではそこにエース交代をうかがわせるメッセージが込められているともうわさされた(『BUBKA』のインタビューで秋元氏はそれを否定している)。前田は、当時を振り返って珠理奈への印象を次のように語っている。

「別に余裕があったわけじゃないんですけど、年齢も違うし、あんまり意識はしていなかったんです。でも、思った以上にファンの人からすごい言われたというか、比べられていたというか。それを知った時はちょっとびっくりして、焦りましたね。私はどうすればいいんだろうと思って……。秋元さんにもその時期、怒られたことが何度かあったんです。『このままでは松井に抜かされますよ』って言われたこともあったし、私自身も格闘してる時期で。『大声ダイヤモンド』の時から、秋元さんに毎回意識を聞かれるようになりました。『どうしますか?』ってメールが来るんですよ。『どうしますか? 前田はできますか?』って」(「Quick Japan」)

 実はこの頃まで「センターにいるけど、でもどうせみんな私のことなんてなんとも思ってないんだろうな」とさえ考えていたという前田。だが、秋元氏の「できますか?」の問いには、前田は「できます! やりたいです!」と返答し、ここから改めてメンバーを引っ張る立場となるセンターの自覚を学んでいったようだ……。
(文=本城零次)

 その後、選抜総選挙が前田にもたらしたもの、女優への信念にも肉薄していく――。

 続きは現在発売中のAKB48評伝本『泣けるAKB48~メンバーヒストリー 少女たちの汗と涙の軌跡』(サイゾー)に掲載。

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■『泣けるAKB48メンバーヒストリー 少女たちの汗と涙の軌跡』

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https://www.cyzo.com/2011/06/post_7538.html


泣けるAKB48メンバーヒストリー 少女たちの汗と涙の軌跡

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最終更新:2018/12/11 15:44
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