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超人チーム結成の経緯が明らかに! 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』

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 今週紹介する映画は、人気アメコミヒーローシリーズのVFXアクション最新作と、3人の登場人物が密室で繰り広げるクライムサスペンス。趣は大きく異なるが、どちらもスリリングな展開にスクリーンから目が離せなくなる刺激的な娯楽作だ。

 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(6月11日公開)は、特殊能力を備えたミュータントのチームが悪と戦う姿を描くアメリカンコミックを映画化した『X-MEN』シリーズのプリクエル(前章)。過去3作でX-MENを率いる"プロフェッサーX"ことチャールズと、敵対する"マグニートー"ことエリックという2人の主要キャラの青年時代を中心に、超人チームが結成されるまでのいきさつを改めて語り直す。

 

 人の心を読むテレパシー能力を持つチャールズ(ジェームズ・マカヴォ)と、磁力を操り金属を思いのままに動かせるエリック(マイケル・ファスベンダー)は、ミュータント同士として親友になる。エリックは幼少時のアウシュビッツ収容所での過酷な体験から、元ナチスのセバスチャン(ケヴィン・ベーコン)を追っていた。セバスチャンは邪悪なミュータント軍団を率い、米ソの対立を裏で操って世界征服を企む。CIAの要請を受けたチャールズとエリックは、新たに見つけ出した若いミュータントたちと共に、セバスチャンらの計画を阻止するために戦うが......。

 異形の超人キャラが多数登場し、特殊能力を駆使したバトルを展開する本シリーズは、当代最先端の視覚効果と特殊メイクをぜいたくに使った派手なアクション映像が最大の売り。今作でも、エリックが海中の潜水艦を磁力で持ち上げようとするシーンなど、大スクリーンでの鑑賞にふさわしいド迫力の名場面がたっぷり盛り込まれている。監督を務めたのは、アメコミヒーロー物を脱構築して青春ムービーに仕立てた『キック・アス』(2010)のマシュー・ヴォーン。今作でも、主要キャラの精神的な成長や葛藤、仲間同士の対立など、人間ドラマの部分が超人アクションの各シーンを貫く柱としてしっかり語られており、本国アメリカで「マーベル映画史上最高傑作」と高評価を得ているのもうなずける。シリーズのファンならもちろん必見、過去作を未見の人にも入門編としてオススメしたい。

 もう1本の『アリス・クリードの失踪』(6月11日公開)は、英国で「クリストファー・ノーラン、ダニー・ボイルに続く存在」として期待される新鋭、ジェイ・ブレイクソンの長編監督デビュー作。刑務所で知り合ったダニー(マーティン・コムストン)とヴィック(エディ・マーサン)は、賃貸アパートの一室に防音を施し監禁部屋に仕立てる。2人は富豪の娘アリス・クリード(ジェマ・アータートン)を誘拐して部屋のベッドに拘束し、200万ポンドの身代金をアリスの父親に要求。完璧に見えた計画だったが、いくつかの「秘密」が明らかになる過程で、3人の心理状態が大きく変化していく。命と大金を懸け、極限の駆け引きを繰り広げる3人の運命は......。

 登場人物が3人だけ、物語の大半もアパートの中だけで進行するという超低予算の作品だが、監督が自ら手掛けた緻密な脚本のおかげで、3人の関係が二転、三転するスリリングな逆転劇が生まれた。『007 慰めの報酬』(08)『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』(10)などハリウッド映画でも活躍するジェマ・アータートンら出演陣による迫真の演技、巧みなカメラワーク、効果的な演出も相まって、ストーリーへの興味と緊張感が最後まで持続する。良質のサスペンス映画を楽しみたい人や、未来の巨匠と目される新人監督の処女作を"先物買い"したい映画マニアにも、きっと満足してもらえることだろう。
(文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉)

「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」作品情報
<http://eiga.com/movie/56050/>

「アリス・クリードの失踪」作品情報
<http://eiga.com/movie/56125/>

ウルヴァリン:X-MEN ZERO クアドリロジー ブルーレイBOX

やっぱりBlu-rayで見たいよね。

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最終更新:2013/09/12 21:18
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