全国的に盛り上がる「6.11脱原発アクション」前夜 警察の規制も強化か
#原発 #東日本大震災
原発に反対する行動「6.11脱原発アクション」が、今週末に実施される。6月8日現在で、予定されているアクションは全国41都道府県以上で、少なくとも140のイベントが確認されており、その数はさらに増える様子だ。それらアクションは11日および12日に行われ、内容は公道でのデモ行進をはじめとして、講演会、公開学習会、映画上映、パネルディスカッション、チャリティーライブ、写真展、バスツアーなどさまざまである。
ほかにも多種多様なイベントが予定されている。例えば被災地のひとつ福島県いわき市でもジャーナリスト津田大介氏のプロデュースで、渋谷慶一郎と七尾旅人が現地出身のアーティストYDMと即興のライブを行うイベントが催されるとのことだ。
3月11日の震災以後、東京電力本店ビル前での行動「東電前アクション」は継続的に行われており、4月10日の高円寺デモには1万5,000人が集まり、続いて行われた5月7日の渋谷デモにも1万人以上が参加するなど、当初からは想像もつかないような盛り上がりを見せている。
一方、デモに対する規制や取り締まりを懸念する声もある。渋谷で行われた「原発やめろデモ」で合計4名の逮捕者が出たことは、すでにインターネットなどでも流れてよく知られているが、うち2名はすぐに釈放、残る2名は勾留が延長された(※編集部註:2名も18日と27日に釈放)。5月17日に東京地裁で行われた2名の勾留理由開示公判では、傍聴人の中に公安担当とおぼしき私服警官の姿が見られた。また、弁護士が何度も質問したにもかかわらず、裁判官は「釈明の必要を認めません」と取り合わないなど、疑問に感じる場面が幾度かあった。これらに対して法廷内が騒然となると、傍聴人2名が強制的に退廷させられ、公判終了まで別室に収容させられるなどの事態が生じた。
今後の反原発・脱原発のアクションに対して、警察が大量の人員を投入してくるであろうことは十分に予想できよう。ただし、その効果については想定しきれない部分が少なくない。複数のジャーナリストや労働組合関係者は、「(今回の一連のデモは)一般市民の参加が圧倒的に多い。活動家や労組を相手にしてきた警察は、大量のデモ参加者に対してこれまで蓄積したノウハウが通用せずに戸惑うのではないか」と言う。
一方、警察の動きに警戒する意見も当然のことながら少なくない。
「警察は軟弱な行動しかできない。だから、予想外の行為に出る危険性もあるでしょう」
そう話すのは、警察関係に詳しいジャーナリストの寺澤有氏だ。
警察はマニュアル通りの対応しかできないだろうが、活動家でも何でもない一般市民が相手では、強硬な態度に出ることには躊躇するだろう。それだけに、いざイレギュラーな事態になったら、どうしていいのか分からなくなる可能性がある。
「我慢できなくなった警官が、『威嚇的な実力行使』に出る可能性はありますね。でも、そうなったらオシマイでしょう」(寺澤氏)
寺澤氏は「47都道府県で同時にデモが起きたら、警察といえど対処は困難ではないか」と指摘する。そして実際、それが6月11日に実現する可能性が高くなっている。
果たして、6月11日と12日がどのような日になるのか、予想もつかない。だが、その日が目前に迫っていることだけは確かである。
(文=橋本玉泉)
社会は変えられる。
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