AKB48メンバーの汗と涙の軌跡に迫る評伝本『泣けるAKB48』登場!
#アイドル #AKB48
第3回となる選抜総選挙を目前に控えるアイドルグループ・AKB48。時代の寵児となった彼女たちだが、ここまでの人気を獲得した理由、各メンバーが歩んできた道程はいまだに明かされていない部分が多い。そんな未知の領域の解明に取り組んだのが、6月9日に発売されるAKB48評伝本『泣けるAKB48~メンバーヒストリー 少女たちの汗と涙の軌跡』だ。
冒頭はAKB48の実態に迫る「AKB48総論」から幕を開ける。実はアイドルではなく○○○○として活動する計画だったという初期構想から、将来的にはある世界的なエンターテインメント集団を目指しているという予想外な未来像まで徹底検証。AKB48の独自性である劇場公演や、大規模な握手会にこだわる真相を検証していく。また、ファンとAKB48の共同幻想にも迫り、顧客満足度を追求する姿勢、ファンをプロデューサー化させた選抜総選挙のシステム、”残されし者”たちに思いを託していった卒業メンバーの願いにも肉薄。具体的な例を挙げながらAKB48の全貌を追求していく。冷静かつ大胆な検証を行い、読み進めるごとにスリリングなまでの発見があるはずだ。だが、決して単なる美談にはとどまらず、AKB48が受けてきた批判の内実に切り込んでいるのも本書の大きな特徴だ。
メインとなるのは、メンバーの半生に迫った評伝。単なる印象論ではなく、AKB48加入当初から、それぞれの転機、チームシャッフルなど現在までの歴史をたどりながら、ドキュメンタリー形式で振り返っていく。劇場公演などでの本人のコメントを交えながら、夢への信念、メンバー同士の絆、苦悩と葛藤に各メンバー最大1万字で迫っていく。崇高な志を持つ大島優子と『風の谷のナウシカ』の関係性、「どーでもいい」が口癖だった前田敦子がエースを任された理由、”嫌われる勇気”を持った高橋みなみが抱えていた”孤独”の真相などを分析。また、篠田麻里子、板野友美、渡辺麻友、小嶋陽菜、柏木由紀、宮澤佐江など2010年の総選挙選抜メンバーとなった21人+”じゃんけん選抜1位”内田眞由美の素顔を、徹底的なリサーチによる事実の積み重ねによって導き出している。
結成から5年半の歴史によってハイコンテクストな物語が紡がれているAKB48。いわば、メンバーとファンの間に多くの”お約束”ができており、その歴史を知るファンには、より重層的に感動を体験できるものの、逆に新規ファンにはそれが敷居の高さにもなっている。だが、本書を読めば、各メンバーの歩み、メンバー同士の関係性をあらためて知ることができるだろう。新規ファンにはAKB48をさらに深く楽しむ一助となり、古参のファンにも新たな発見がある一冊となっているはずだ。
「泣ける」と銘打っているだけに、根底にあるのは、作者のAKB48への真摯な思い。250人キャパの劇場で連日公演を続けているAKB48だからこそ生まれた濃密なメンバーたちの絆に、落涙……には至らずとも、胸を打つメッセージが込められている。一見華やかな世界に身を置きながら、ひたむきな努力を続けてきたAKB48の真実がここにある。
著者は劇場公演を900回以上(『AKB48 LIVE!! ON DEMAND』含む)見続け、”AKB48評論家”を名乗るライター・本城零次。当ウェブサイト・日刊サイゾーを中心にAKB48関連記事を掲載し、Yahoo!トップニュースの掲載も多数。雑誌「月刊サイゾー」2010年7月号では、AKB48総合プロデューサー・秋元康氏へのインタビューも行っている。
業界人も必読! AKB48の表もウラも書いてます。
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