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本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」Vol.109

“日本映画界最後の大スター”高倉健 相次ぐ知人の訃報で引きこもりに?

kentakakura0602.jpg『決定版 高倉健』(キングレコード)

芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!

 3カ月ほど前、当コラムで書いたように(参照記事)、今年活動を再開すると言っていた高倉健さんが、”日本映画界のドン”と呼ばれた東映名誉会長の岡田茂さんの葬儀に現れなかったことが報道された。

 筆者も気になって、健さんの側近とも言える友人に近況を聞いてみた。健さんは、岡田さんと、その直後の長門裕之の訃報を聞いて、ショックのあまり自宅に引きこもって、誰とも会わない状態だという。


 健さんは2006年に公開された日中合作映画『単騎、千里を走る。』に主演して以来、スクリーンから姿を消した。マスコミでも、06年11月に行われた天皇、皇后両陛下主催の文化勲章受章者と文化功労者を招いたお茶会に出席して以来、目撃されていない。映画『居酒屋兆冶』で共演した女優の大原麗子さんが09年に急死した際も、葬儀には遺族に迷惑がかかると出席しなかった。その後、同年10月に健さん一人で、大原さんのお墓をお参りしていたことが、大原さんの遺族の話で明らかになった。

 健さんらしいエピソードだが、岡田さんについても同じことをすると思う。5月9日に肺炎のために87歳で亡くなった岡田さんは、1960年代以降のヤクザ映画ブームの仕掛け人で、健さんを『網走番外地』シリーズで売り出した敏腕プロデューサーでもあった。それだけに、映画関係者は、健さんが岡田さんの弔問に現れるのではないかと期待したが、葬儀では、本人から届いた「大きな時代の節目を感じるお報せでした。長い間お疲れ様でした。心からご冥福をお祈りいたします。合掌」という弔辞が読み上げられたのみだった。

 健さんの元気な姿が見たかったという関係者やファンも多かっただろうが、それは叶わず。しかし、健さんの性格を知る俳優や映画関係者は「大原さんの時と同様、自分に注目が浴びるのを避けたがる健さんらしい配慮。きっと、時間がたったら、一人で岡田さんの墓参りに行くよ」とフォローしていた。健さんは、離婚した江利チエミさんの命日にも、いまだに欠かさず墓参りに行く律儀な人。筆者もそう信じている。

 しかし、岡田さんの死は、健さんにとって、周囲が予想した以上にショックだったらしい。側近は「岡田さんが亡くなった後に、かつて、任侠シリーズで共演した長門裕之さんも亡くなった。相次ぐ知り合いの死に、自宅に引きこもってしまって、誰とも会いたがりませんね」と言う。

 岡田さんの喪に服するのは仕方がないが、またしても活動をしばらく休止なんていうことにならなければいいがと心配だ。健さんももう80歳。一般の老人なら、気力・体力が減退していき、このままふさぎ込んでしまってもおかしくはない。だが、それを超越してこその高倉健。日本映画界の最後の大スターの、早期復帰を期待したい。
(文=本多圭)

決定版 高倉健

うちのおじいちゃんもまだまだ元気です。

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最終更新:2018/12/12 18:30
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