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【欧州現地レポ】「ダフ屋は1枚28万円!」CL決勝”バルサ対マンU”チケット狂想曲

cl2011001.jpg聖地ウェンブリー・スタジアムの前では、キックオフ直前まで
ファンとダフ屋の交渉が繰り広げられた。

 サッカーの聖地、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われた欧州最高峰の栄冠をかけたUEFAチャンピオンズリーグ決勝、バルセロナ(スペイン)対マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)の一戦は終わってみれば、3-1でバルサが快勝。2年前同様、世界で一番人気のクラブ対二番人気のクラブの対決は”スペイン”に軍配が上がった。

 世界220の国と地域でテレビ中継され、日本でも生放送されたこの一戦は”史上最高の決戦”と言われ、その高額なチケットはファンの間でも大きな話題になっていた。 

 8万7,000席が発売されたチケットを席別に見れば、カテゴリー1が300ポンド(約4万2,000円)、カテゴリー2が225ポンド(約3万1,500円)で、最も値段が安いカテゴリー3のチケットでも150ポンド(約2万1,000万円)もするのだ。一般のファンが簡単に手にできる額ではない。しかし、発売後間もなく完売となったのだ。

 いったい、この試合はどれほど盛り上がるのか。筆者はチケットも持たず、早々に主催者から取材者過多のため取材お断りの連絡を受けていたものの、実態調査、いや、あわよくばダフ屋から安値でチケットを手に入れるべく、現地へ飛んだ。

 ロンドン郊外にあるスタジアム周辺に着いたのはキックオフ約3時間前の午後4時45分ごろ。時折、英国特有のにわか雨に見舞われるものの、すでにそこかしこでは両チームのファンがパブや道端でビールをあおって盛り上がっていた。思い出せば2年前、同様のカードを日本円にして約15万で購入したという知人もいたものだ。果たして、今回はいくらになるのか。

 初めに道路の隅で携帯を見つめる、強面の黒人のダフ屋らしき人物と接触してみた。

筆者「チケット持ってる? 1枚欲しいんだけど……」

強面の黒人「あるよ。2,000ポンド(約28万円)!」

筆者「高すぎるでしょ(笑)。200ポンドの間違いでしょ」

強面の黒人「去れ、クソ!(本気で怒ってる)」

 その後も数人のダフ屋と交渉を試みたが、相場は1,500ポンドから2,000ポンドの間。筆者と同じくチケットを求めるファンに予算を訊ねると500ポンド(7万)と、両者のせめぎ合いが続いた。

 200ポンドの予算しか持たない筆者は一旦パブで一杯やりつつ、時間ギリギリまで待つことに。そして、キックオフ20分ほど前から再びダフ屋と交渉開始。時間が迫ってきているにもかかわらず、ダフ屋は一向に値段を下げようとはしない。しかし、ここへ来て一般の人で余ったチケットを持った人が急に増え出してきた。ここはチャンスと見て、攻めに出るべし。ダフ屋ではなく普通の人の方が断然交渉はスムーズにいく。すると、いかにも紳士風(というか絶対に関係者のはずだ)の人物が片手に紙袋を下げ、足早にやってきたので訊ねてみた。

筆者「いくらですか?」

紳士「300ポンドでいいよ。4枚ある」

 かなり値段は下がり、喉から手が出るほどの感覚だったが、筆者の手持ちは200ポンド。残念ながらあきらめるしかなかった。

 キックオフ直前にはダフ屋も根負けし、最終的には500ポンド前後まで値崩れが起きていた。スタジアムを後にした筆者はすぐに近くのパブへ向かい、チケットを手にできなかったファンとともに、3ポンド(420円)のギネスで楽しむことに。沈んだ気持ちなどすぐに忘れ、場の雰囲気に酔いしれた。

 帰りの地下鉄で考えた。いったいチケットにはいくらの値打ちがあったのか。結局、筆者はギネス3杯で90分を堪能。数百ポンドを払ったファンは、支払いに見合った満足感を得ることができたのだろうか。

日本男児

早くもベストセラー?

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最終更新:2013/09/13 13:12
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