毎朝、その声で起こしてほしい……何度でも再生してしまう「高部あいの《声》」
#アイドル #木嶋のりこ #アイドル的アイドル思考法
アイドルたちは、ほかのアイドルをどう見ているんだろう…? そんな疑問にお答えする連載「アイドル的アイドル思考法」。自他共に認める業界一の「アイドル通アイドル」木嶋のりこが、アイドルの魅力のすべてを語り尽くします!
「甘いKissってあこがれちゃうなぁ……甘いKissって、どんな味かなぁ。リンゴ、メロン、それとも……」
彼女のDVD『天使のKiss』は、甘い語りから始まります。耳を優しくくすぐる彼女の《声》。その声はDVDのタイトル通り、天使をイメージさせる声でした。
人の感情を察したり人柄をイメージしたりするのに、声は大きな役割を果たしていると私は思います。
お店に入った時の店員の声。ケンカの後の電話。初めて顔を合わせた人が口を開く瞬間。声色を少し変えるだけで相手に与える印象が変わる……と、さまざまな本も出版されているほど、私たちは普段声によって一喜一憂しているのではないでしょうか。
私もイベントなどでファンの方と話す時、うれしそうだったり楽しそうだったりする声に、心が温かくなるのを感じます。
さて、さまざまな声が存在するということは、好きな声というのもその数だけ存在するのではないでしょうか。
私はハスキーボイスが好きで、風邪をひいた時には自分もあこがれの声になったのがうれしくて、咳をしながらはしゃいでいたことを思い出します。
そう、私はかわいらしい声よりかっこいい声の方が好きなはずでした。
しかし彼女のDVDを見てから、彼女の声が耳に残って離れないのです。
思い出の曲を聴くとその時の情景が目に浮かぶように、声もその人の顔を想像させます。甘い声でささやく彼女の笑顔……。彼女の声が頭の中で何度も繰り返されるたびにその笑顔が浮かび、もう一度声を聴きたいと思った時には、DVDを再生していました。
甘えん坊のようなかわいらしさもありながら、甘えさせてくれるお姉さんの印象もある……そんな彼女の声は、時に保母さんのようで、優しく包み込まれていく感覚は、幼少時代に感じた安心感によく似ているのです。
その感覚に似ているから、記憶と重なり耳に残って離れなかったのかもしれません。
きっと私と同じように、彼女の声からそんな安心感を抱いた人がいるのではないでしょうか。
そして彼女の声の魅力は、お姉さん的な部分だけではありません。前述したように、甘えん坊のようなかわいらしさもあるのです。それは、まるで無邪気な妹……。
もしも妹として毎朝その声で起こしてくれたら、起こされる度に次の日の朝が待ち遠しくて仕方がないでしょう。
声色を変えているわけではないのに、同時に二種類のイメージを感じさせてしまう声。私はその声が、彼女の最大の魅力だと感じました。一度聴いたら何度も聴きたくなり、何度も聴くと会いたいと思わせてしまう……。
天使の声は、解けない魔法のようにこれからも頭の中で何度も甘くささやき続けることでしょう。
(文=木嶋のりこ)
●きじま・のりこ
1988年、長野県生まれ。05年「制コレ」7テイルズ獲得。女優として『片腕マシンガール』(07)、『ピョコタン・プロファイル』(08=主演)。舞台『月葬(げっそう)』(09)。
ブログ「木嶋のりこのハッピーオムライス」
http://ameblo.jp/noriko-kijima/
公式HP「木嶋食堂」
http://mentaiman.com/attraction/kijima/index.html
天使っているんだね。
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