「サウンドより商才?」低迷Jポップ界を救う”ポスト秋元康”は誰だ
#音楽 #小室哲哉 #秋元康
AKB48の大ブレークであらためて注目を集めているのが、総合プロデューサー秋元康の存在だ。秋元康といえば、作詞家として30年近い経歴を持ち、ヒット曲も多数世に送ってきた大御所。しかし、1990年代から2000年代半ばまでは、音楽業界で「ひと昔前の大物」とも言われていたという。
「Jポップという言葉が定着した90年代半ばくらいから、バンドや歌手が自分たちで歌詞や曲を作るスタイルが主流となり、秋元さんのような職業作詞家の出番はどんどん減っていきました。また、小室哲哉やつんく♂のような歌詞と曲を両方作れるタイプの音楽プロデューサーが台頭してきたことも、秋元さんのような作詞家の仕事を奪っていました。実際、当時の秋元さんの仕事は今ほど人気のなかったアニソンや、売れなくなった歌謡歌手への作詞提供がほとんどでしたね」(音楽関係者)
現在では、Jポップ系のバンドや歌手のCD売り上げが伸び悩む一方、CDやコンサートチケットを売るための仕掛けを満載した秋元ワークは絶好調。音楽ビジネスのキーマンであるプロデューサーの世界でも、秋元康は一人勝ちの様相であるが、彼のライバルとなる人物はいないのか。
「Perfumeを手掛けている中田ヤスタカ、EXILEに曲を提供しているJin Nakamuraなど、売れっ子のサウンドプロデューサーはいます。しかし彼らはあくまでサウンド職人で、ユニットの方向性やコンセプトについてアイデアを出すタイプじゃない。今は映像との連動はもちろん、イベントや物販でいかに利益を上げるかが大切な時代ですから、サウンドプロデューサーだけでは音楽界のキーマンとなり得ないのです」(前出の関係者)
そんな中で再び脚光を浴びているのが、現在執行猶予中の身でもある小室哲哉。彼は作詞・作曲からコンセプト立案まですべてをこなす万能型で、音楽配信など流通の変化についても関心が深い。
「エイベックスが小室哲哉の再ブレークに向けて本腰を入れ始めましたね。豪華ゲストを集めてソロアルバムを作らせる一方、AKB48の新ユニットDiVAへの曲提供と、大きな仕事が増えてきました。彼の強みはあらゆるタイプの歌手、パフォーマーに対応できること。いずれは東方神起などのKポップアーティストのプロデューサーへの就任も検討されているといいます」(前出の関係者)
ポスト秋元康は小室哲哉――。二人とも50代の大ベテランという点が、人材難のJポップ界を表しているのかもしれない。
(文=外場林太郎)
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