「チケットが売れない!」苦境にあえぐコンサートビジネスに未来はあるのか
#音楽
ファンキーモンキーベイビーズが7月20日に予定していた東京ドーム公演の中止を発表。その理由として「(東日本大震災で)被災された方々を思うとき、まだまだ自分たちの中に迷いやためらいがある事に気づき、初の東京ドームという大きなステージへの挑戦は、万全な態勢の中臨むべきだという結論に達しました」とコメントを出したが、業界からは異論も出ている。
「確かに、冷房需要が高まる7月には電力供給の問題もあり、大型公演をためらう気持ちも分かります。しかし、それだけで多大な費用が掛かる公演中止に踏み切るのは不自然で、チケット販売に不安が残るから、やむを得ず中止にしたのが真相ですよ。チケット発売前で、会場のキャンセル料が安いうちに決断したということです」(イベント関係者)
実際、Jポップ界ではチケットの売れ行きが恐ろしいほど落ち込んでいる。前出の関係者によれば、普段であれば即日完売になる人気グループのチケットも売れ残るケースが続出。チケットの平均実売率は50~60%程度という。そんな中、バンドや歌手の間では東京ドームなどの大型会場でのコンサート開催に二の足を踏む動きが広がっており、「ファンキーモンキーベイビーズの東京ドーム公演中止もその一つ」(前出関係者)。
そして、早くも心配されているのが夏のイベントへの集客だ。夏の野外フェスティバルの多くは開催こそするものの、イベント各社はチケットの売れ行きに戦々恐々の状態だという。
「エイベックスが主催するa-nationに、同社とは何の関係もないAKB48が出演することに決まり、業界関係者を驚かせました。これまでもエイベックス所属以外のバンドが登場したことがありましたが、ここまでの大物は初めてですからね。固定ファンを持つ”鉄板”出演者を囲み込むという、なりふり構わない集客対策です」(レーベル関係者)
他方、今回のAKB48のa-nation出演には別の見方もあるようだ。
「エイベックスはここ数年、CD販売中心の業務から、タレントのマネジメントから興行まで広く手掛ける総合音楽ビジネスへと転換を図ってきました。a-nationは興行部門の強化を担うグループの中核事業で、そこに他社のAKB48が登場する意味は大きいですよ。今後、自社以外のバンドや歌手の興行を手掛けていく戦略なのではないでしょうか」(音楽事務所関係者)
東日本大震災によってビジネス的基盤を大きく揺さぶられた音楽業界。収益の大きな柱であったコンサートの不振で、レコード会社、出演者ともに緊急の対応を迫られている。
(文=外場林太郎)
笑えねぇ。
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