「言うほどうまくないのに……」 ”ただ歌うだけ”番組のナゼ?
#テレビ #バラエティ #裏チャンネル
3月8日に放送された『カスペ! 歌うま女王は誰だ!? 歌がうまい王座決定戦 春の大激突スペシャル』(フジテレビ系)。
優勝者の森口博子について、ネット上では「歌手なんだから当たり前」「歌上手すぎ卑怯すぎワロタンwww」などの声が多数挙がっていたが、そもそも本職の人が出場すること云々の前に、数ある「ただ歌うだけ」番組っていったい何なのか。
「ただ歌うだけ」と言えば、古くは力士や野球選手のカラオケ大会みたいな「祭り」番組があり、最近は「お笑い芸人」版などもちょくちょく放送されている。
でも、『カラオケ歌詞を見ず完璧に歌って100万円』などのようにゲームとして成立しているわけでもなく、芸能人による「モノマネ」でもなく、ただただ「歌うまい」って?
しかも、出場者たちも謎だらけ。
たとえば、友近など「歌うまい」をウリの1つとしている芸人でもなく、椿鬼奴やトリンドル玲奈など「旬」の人でもなく、笑いも何もない多くの出演者たち。
藤田朋子などにいたっては、無意味に可愛い服を着て気合十分すぎたり、勘違い気味の女子中学生みたいな一人称「藤田は~」を連発してみたり、自分で歌って自分で感動して泣いたり、いちいち意味を考えたら混乱してくるほど意味が分からない。
最大の謎は、「歌うまい」を掲げつつ、言うほどでもない人が多いことだ。いったい何なのか。テレビ関係者に聞いた。
「『歌うまい王』など、ただただ歌う番組やカラオケ番組などは、ある程度視聴率が取れるんですよ。最近はそれほどでもないですが。面白さは全然なくても、どうでも良い、見ても見なくても良いから、とりあえずチャンネルをあわせておくという人たちが一定数いるからだと思います」
たとえば、家族の集うお茶の間などでは、「害のないもの」が好まれる傾向がある上、ずっと見ていないと分からなくなる内容の濃い番組などは見づらいもの。「BGMとして」ただただついている、というスタイルが、この手のユルい番組にピタリとハマるらしい。
「最初から見ていないとルールが分からないようなものより、シンプルなもののほうが、BGMには向いています。たとえば、『歌詞を見ず完璧に歌って100万円』なども十分シンプルですが、さらにただただ『うまいだけ』は練られていないだけに、何のジャマにもならない。今は視聴者側の目も肥えてきているので、練られた企画・作り込まれた番組は、うっとうしくもなってしまうんですよ」
企画として十分作り込まれていないだけに、「なんでこの人歌ってるの?」「なんなんだよ、この番組!?」「それほど上手くないよね?」などなど、視聴者側がいろいろ言いたくなってしまうところもあるが……。
「それはまさに思うツボ。企画を作り込まずにどうでもいい感じに作っている番組をツッコミながら見るというのは、完全に『いいお客さん』です。(笑)。作り手はツッコミ待ちでしょうから、ツッコむほど、文句を言うほど、ハマっているということ。藤田朋子などは、完全に罠だと思いますよ」
なんと、意味の分からない「歌うだけ番組」に、実は翻弄されていたとは……。なんだか無念……。
(「サイゾー裏チャンネル」より)
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