「夏フェスはどうなる!?」相次ぐコンサート中止で音楽業界が迎える正念場
#音楽 #フェス #東日本大震災
東北地方太平洋沖地震は音楽業界にも大きな影響を及ぼしている。小売店への流通経路確保が難しくなったことから、各社が3月後半予定だったCDを販売延期にしたほか、各種コンサート、イベントの中止も相次いだ。
「大震災直後から、電力が確保できない、交通網の混乱で客足が読めない、などの理由で、関東圏ではほとんどのコンサート興行がストップした状態です。AKB48の横浜アリーナ公演が中止となったほか、大型フェスティバルについても今週末予定だった『GO FES!』、4月に予定されていた『PUNKSPRING』『SPRINGROOVE』の中止が発表されました。現時点では、フジロックその他の夏フェスは開催予定と告知されたままですが、今後の見通しは不透明です」(イベント会社関係者)
CDの売れ行き低下と、音楽配信の伸び悩みで、コンサート興行は音楽業界で唯一の成長分野となっている。そのため、このような状況が長引くと、音楽業界自体の停滞につながりかねないとの見方も。
「近年、多くのバンドや歌手がコンサート中心に活動予定を組んでいますから、年間計画の変更は必至でしょう。また、大型イベントやフェスティバルは、各興行会社にとって経営の生命線となっています。もちろん、開催できない場合にそなえて各社は保険も掛けてはいますが、中止すれば手元資金の不足が生じかねず、海外アーティストの招へいを控えるなどの動きが広がる懸念もあります」(前出の関係者)
他方、GACKTが義援金を呼び掛ける基金「SHOW YOUR HEART」を設立するなど、ミュージシャンによる被災者支援の動きは広がっている。各レコード会社、興行会社の間では、大規模なチャリティーコンサートの開催構想も持ち上がっており、西日本を中心に開催地探しも行われている模様だ。
「今年はCDの売れ行き、コンサート動員ともに前年比割れは確実ですが、チャリティーコンサートなどの動きが広がれば、音楽界の活性化にもつながります。企画をまとめる各社のプロデューサーの手腕にかかっている面は大きいでしょう」(レーベル関係者)
ビジネス的には厳しい時期だが、社会貢献などで活動の余地が大いにある現在の音楽業界。ミュージシャンだけでなく、各社スタッフの奮起にも期待したい。
(文=端下義人)
東日本がダメなら西で!
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