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「会社がウソ申告!?」破産のナイタイ出版に社員の年金記録改ざん疑惑 法廷闘争へ

nihonnennkinkikou.jpg日本年金機構HPより

 かつて風俗界を牽引したスポーツ紙「ナイタイスポーツ」の元社員が悲鳴を上げている。

 約10年間、同社に勤務した40代の元社員男性S氏が「年金記録を改ざんされた」と厚生労働省に通告していることが分かったのだ。

「月収は41万円だったのに、年金記録では月額報酬が15万円となっているんです。おそらく会社がウソの申告をして保険の支払い額を下げていたのだと思います」(S氏)

 これに対し、厚労省は「こちらに明確な記録がなく、Sさんもそれを示す証拠をお持ちでないため、確認が困難な状況になっている」と回答、対応ができない状況になっている。


 ナイタイスポーツは風俗情報を主体としたレジャー紙「歌舞伎町タイムス」として1981年に創刊。以後、名称を変えながら95年にスポーツ紙の形態で芸能やプロレス記事なども充実させていた。風俗業の発展に大きく貢献し、一時は大手コンビニエンスストアにも置かれるほどの伸びを見せたが、インターネットの成長や不況による広告減少から徐々に部数を減らし、08年9月に休刊。翌年、発行していたナイタイ出版の破産が伝えられた。

「記録が改ざんされていた当時、給与を減額されたこともないし、厚生年金保険料は給与の額に応じて控除されていました。厚労省が何の対応もしてくれないので、現在は総務省の年金記録委員会に申し立てています。最悪の場合、国を相手に裁判を起こすしかないと弁護士も言っています」(S氏)

 これが事実なら、S氏以外にも同様の被害を受けている元社員がいることになる。S氏によると「会社には自分が知っているだけでも述べ500人以上の社員がいた」という。

 そこで同社に勤務したことがあるフリーカメラマンの男性を取材したところ、なんとこちらも苦情を訴えていたことが分かった。

「退社して何年も経っていたので気付かなかったけど、昨年、年金保険事務所に行ったら、自分が支払ってきたはずのものと大きく違っている。それを指摘しても”うちは会社からの報告が全て、会社とそちらの問題はうちに関係ない”と無責任に言われた。でも、今は会社自体がないわけですから、会社に言えというのは無理。支払ったものが実際は支払っていないことになっているのは納得いかない!」(同カメラマン)

 現在、専業主婦の年金切り替え漏れに救済策が話し合われているが、これはあくまで支払いを忘れていた人間に対するもの。支払った人間からすれば、こっちはもっと深刻で、元社員が怒るのも当然だろう。

 ある専門家は「問題が発覚する前から、社保庁がずさんだったことを知っていた経営者は多かった。それを悪用して巧みに社員を騙していた会社もある」というから悪質だ。

 意外なところから噴出した新たな年金問題、まさに底なし沼である。
(文=鈴木雅久)

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最終更新:2011/03/15 18:00
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