「確信犯? それともガチ?」”ハイパー・メディア・フリーター”黒田勇樹を直撃!
#ネット #インタビュー
1歳でモデルデビューし、ドラマ『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(TBS系)や『仮面ライダーディケイド』(テレビ朝日系)などで個性光る演技を見せていた黒田勇樹。2010年4月に所属事務所を退社し一線から退いた彼は、現在フリーターをしながら自作のホームページ「黒田運送(株)」(くろだうんそうかっこかぶ)を運営している。
今年2月4日に立ち上げたばかりの「黒田運送(株)」だが、繰り返し流れる不思議なテーマソングや、問答無用に自動再生される本人出演のハイテンション動画など、その衝撃的な内容に「え、こんな人だったの?」とネットユーザーたちを翻弄中だ。彼は確信犯なのか? それともアレなのか? 「ハイパー・メディア・フリーター」を自称する彼の現在を直撃した。
――そういえば今日、Twitterで「こう次から次へとストレスが飛び込み続けてくると、頭おかしいのはこっちで社会の為になんないから消えてなくなってやろうかとすら思うけど平静を装って今夜はサイゾーの取材受けに行ってきます」とつぶやかれていましたが、何があったんですか!?
黒田勇樹(以下、黒田) 今朝、同居人に「出てけ」って言われただけの話です。
――同居人って女性ですか?
黒田 女ですね。
――何だか大変な日にすみません。
黒田 朝は「もう無理!」って思ってましたけど、今は引越しのこと考えてテンション上がってます(笑)。
――良かったです。では本題ですが、「黒田運送(株)」すごい反響だそうですね。
黒田 1日30アクセスくらいの予定で作ったんですけど、最初の1週間で21万アクセスで、今も1日に3万アクセスくらいあるんです。僕、ただのフリーターだし、世の中を騒がそうってつもりもないんですけど、とにかく皆の反応がおかしいんですよ(笑)!
――ホームページを立ち上げたきっかけは何ですか?
黒田 順を追って話すと、僕の芸能界引退がニュースになった時に、親父から「こうやって人様に注目してもらってる時に、何か1つ人前に出るようなことをしろ」って言われたんです。それで何か出来ないかなって考えてる時期に、ネイキッドロフト(新宿のトークライブハウス)さんから「トークライブやりませんか?」っていう話をもらって、今年の1月にやったんですね。そしたら世間から「人前に出るつもりあるんだ」って思われたみたいで、人伝えで仕事の連絡が来るようになったんです。でも人を介すと面倒臭いじゃないですか。だから「窓口を作ろう」と思ったんです。
――ちなみに「黒田運送(株)」というタイトルには、何か熱い想いが込められているのでしょうか?
黒田 ないですね。以前、酔っぱらってる時に、どっかの女の子に「きっと勇樹君は、運送会社の社長を経て大臣になって、総理になって、宇宙貿易会社をやって、最後はそれが認められて宇宙大統領になるの」って言われたことがあって。その時に思い付いた会社名が「黒田運送」だったんです。
――要するに酔っ払ったノリで思い付いたんですね。内容的には、どんなホームページを目指して作られたんですか?
黒田 『愛の妖精ぷりんてぃん』(http://www.takamagahara.com/printin/)を下書きにして作ってるんです。あんな風に見ただけで元気になれる、遊園地みたいなサイトにしたくて。
――自動再生される動画の数々は、どんなイメージで?
黒田 ”ウザスタイリッシュ”な感じにしたくて、バイト中に「ウザくてスタイリッシュっていったら誰だろう……エレカシの宮本さんだ!」って思って。『ぷりんてぃん』の管理人みたいな感じで宮本さんが出てきて、「このサイトはっ!」ってしゃべったら絶対面白いなって。
――あのハイテンションは、エレカシの宮本さん風だったんですね。
黒田 はい。特に「about」のページの動画は評判良いですね。「All about you! だいたい全部お前!」って言うだけの(笑)。
――動画の背景の布は手作りですか?
黒田 布に見えます? あれは100均で青と黄色の模造紙を買ってきて、張り合わせて作ったんです。今後は、背景を何でもピカーッとさせようと思って。ゆくゆくは楳図かずおさんの赤と白のシマシマみたいにピカーッを定着させたいですね。
――黒田さんはホームページよりも以前に、自作アニメ「ウルフくんとうさぎさん」(http://www.nicovideo.jp/watch/sm10300442)を「ニコニコ動画」上で発表し、話題となりましたよね。
黒田 「発表した」って言われてますけど、元々は「zoome」(http://www.zoome.jp/)っていう地味な動画投稿サイトに置いてて、「一人でアニメ作れた!」って友達にニヤニヤ見せてただけなんです。そしたらいつの間にか僕の作品だって世間にバレて、「ニコ動」に転載されちゃって……。だから最初は全く公表するつもりはなかったんですよ。でもね、やっぱり皆に「面白い」って言ってもらえるとうれしいですね。
――「ウルフくんとうさぎさん」は途中でストーリーが終わってますが、続きを作るご予定は?
黒田 アートという観点から見たら、「ミロのヴィーナス」は手が欠けてることで「世界最高の美」と言われてるように、「ウルフくんとうさぎさん」も完成しないことで完成してるのかもしれない。でも、エンタテインメントの観点から見たら、求められる限り作り続けなきゃいけない。その中で今、僕は引き裂かれそうな思いをして作るべきか悩んでいる……ってことにしといてください。
――ホームページ立ち上げ以降、ネット上では黒田さんに対して「天才」「奇才」「電波」「キ●ガイ」などさまざまな意見が飛び交ってますが、これを受けてどんな心情ですか?
黒田 僕、「この人、狙ってやってるのかな? 本気でやってるのかな?」っていうのが、いつまでも半々の状態で続いたらいいなって思ってるんです。
――それに関しては大成功してると思います。
黒田 それに、実際に僕に会っても、どっちか分かんないでしょ?
――はい。正直、まだ「この人、どっちなんだろう」って思ってます。
黒田 そうやって僕は、「黒田勇樹」っていう世の中にただ一人の人間になるんです。
――私たちは、もしかしたら黒田さんに踊らされているだけかもしれないのですね……。ところで黒田さんのTwitterやブログには「死にたい」「消えた方が」など後ろ向きな発言も多いですが、悩みなどはあるんですか?
黒田 僕なんて悩みだらけですよ(笑)。来週どこに住んでるかも分からないし、再来週は何の仕事してるかも分からないし。でも、人生何とかなるって思ってます。僕、今、失業手当をもらってみようかなあって思ってるんですよ。したことないし、せっかくだから失業してみようかなあって。アフェリエイト収入は不労収入だから、失業手当には影響しないみたいなので、ホームページは続けられるし。
――俳優に戻る気はないんですか?
黒田 「芸能界を引退した」って報じられてますけど、自分の中では「俳優業を生業として生活費を稼ぐことから、一旦離れました」っていうのが一番正しいと思います。じゃあ俳優を全くやらないのか、っていうと微妙なところで、どうしても自分にしか演じられない仕事を持って来られちゃったら、それは断れない気もするんですよね……。実際、今お芝居の話も来ているので、ここ数日はそんなことを考えてモヤモヤしてます。
――ブログに「女の子とたくさん遊んでる」と書かれてましたが、芸能人の女性とお付き合いすることもあるんですか?
黒田 過去に一度だけあったんですけど、芸能人の女の子はやたら面倒臭かったので、それ以降は芸能人でも売れないグラビアアイドルみたいな子にしか手出してないですね。
――黒田さんってオタクだけど、社交的で女の子にも不自由してないし、オタク要素とリア充要素を持ち合わせていてズルいですよね。
黒田 まあ、そうですね。ハイブリッドなのかもしれないですね(笑)。
――ところで3月26日にカレーライブ『僕と黒田と勇樹と俺と、部屋とYシャツとカレー。』を開催されるそうですが、カレーライブとは何ですか?
黒田 僕がライブ中に50人分のカレーを作って、最後に皆で食べて終わりです。
――それは「トークライブ中にカレーを作る」というのとは違うんですか?
黒田 カレーが主役だからあんまりしゃべんないです。だって指切っちゃうでしょ?
――まあ、確かに(笑)。今日はいろいろとお話頂きありがとうございました。今夜は家に戻られるんですか?
黒田 いや、今日は帰らないで、どっかお姉ちゃんのいるとこに遊び行こうかな。あ! 明日は不動産屋に行こうっと♪
(取材・文=林タモツ)
●くろだ・ゆうき
1982年東京生まれ。1歳でモデルデビュー。以後『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(TBS系)や『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ系)など、数々の人気ドラマに出演し、中性的な容姿を持つ個性派俳優として活躍。98年、初主演の山田洋次監督作品「学校III」の演技で、日本アカデミー賞新人賞をはじめ、数々の賞を受賞する。2010年4月いっぱいで芸能界を引退し、現在は引っ越し屋でアルバイトしながら生計を立てている。今の目標は「日本を元気にすること」。
ブログ< http://yuukikuroda.com/>
●黒田勇樹 presents『僕と黒田と勇樹と俺と、部屋とYシャツとカレー。』
日時:2011年3月26日 OPEN11:30/START12:00
場所:ネイキッドロフト(http://www.loft-prj.co.jp/naked/)
チケット:前売2,000円/当日1,500円(前売のみカレー付き)+ドリンク代別500円
現在とのギャップをお楽しみください。
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