「タオル付6,800円も!」CDもダメ、配信もダメ……ベスト盤が高額化するワケ
#音楽 #ゆず #CHEMISTRY
確実に売れるのはAKB48関連と嵐だけ――。そう囁かれるJポップ界で現在、特に苦戦を強いられているのが男性デュオだ。3月2日にCHEMISTRYのベスト盤『2001-2011』(DefSTAR RECORDS)が発売されたが、オリコンデイリーチャートで6位(推定売上1万枚)となるなど、売れ行きはいま一つだ。
「CHEMISTRYは歌にダンスを取り入れたりして新機軸を打ち出していますが、人気回復にはつながっていません。ただでさえ凋落著しい男性R&B系では、企画力で他を圧するEXILEの一人勝ちの状況です。CHEMISTRYの場合、ベスト盤が現状の売れ行きでは、ユニット活動の縮小→ソロ活動への移行も考えられます」(マネジメント関係者)
フォーク系デュオとして一時代を築いたゆずにも、寒風が吹いている。
「ゆずの場合、固定ファンに支えられてライブの観客動員数はキープしているのですが、CDの売れ行きが落ち込んでいます。2月に出た最新アルバム『2 -NI-』(トイズファクトリー)は15万枚に届くかどうか。全盛期の100万枚超えを考えると寂しい数字で、競合相手のコブクロにも大きく後れをとっています」(前出の関係者)
こうした男性デュオの不振の背景には、個々の事情に加えて、「タイアップ曲がヒットにつながらない」というJポップ界全体の現状もあるようだ。
「今はタイアップを取ったからといって売れる時代じゃありません。AKB48やジャニーズのように、いかに魅力的な物語を提供できるかがヒットのカギで、その点では男性デュオは人数の問題もあって弱い。いくら良いバラードを歌っても、リスナーには十分にとどかない時代ですからね。これは女性シンガーのCDセールスが頭打ちになっている理由でもあるでしょう」(音楽雑誌編集者)
CDがダメなら音楽配信で売れるかと言えばそうでもない。日本レコード協会が先月25日に発表した調査報告によると、有料の音楽配信販売額が前年度比で5%減。そうした現状を受けて、各レコード会社は「CDにDVDや写真集、ブックレットなどを加えて、1枚あたりの付加価値を上げる戦略を取っている」(前出の編集者)と言い、大ヒットを飛ばすことよりも目下の利益固めを優先している模様だ。CHEMISTRYのベスト盤も、CDにDVDやマフラータオルなどを加えた初回限定盤を6,800円(税込)で販売しており、その一例と言える。
ゼロ年代のJポップシーンをけん引した男性デュオ。逆風に負けず、もうひと花咲かせてほしいものだが……。
(文=端下義人)
ずっと踊るのかと思ってました。
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