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【ももクロ×かまってちゃん!】異端、異色の異ジャンルミックス対バン!!

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 肉体の限界を究めた突然変異的なブラストビートダンス、エモーショナルなヴォーカルとラップ、エンターテインを徹底したMCを披露する、アイドル界代表「ももいろクローバー」。

 シンプルで肉厚なビートにシアトリカルな装飾、フリーキーな絶叫ヴォイス、投げやりな体のパフォーマンスを被せた、ロック界代表「神聖かまってちゃん」。

 両者が2月25日、SHIBUYA-AXにて激突した。

 LIVEの正式なタイトルは「HMV THE 2MAN ~みんな仲良くできるかな?編~ 『ももクロとかまってちゃん』」。楽しさとアヴァンギャルドさを含む両雄の対バンを企画したのは、タイトルからも察せられるようにHMVだ。なんとも冒険としか言いようがないが、事前に「第一弾」と告知を打っており、今後も異業種交流LIVEを企画していきたい意向があるという。

 チケットは瞬く間にソールドアウト。1,500人でぎっしりと埋まった超満員のフロアが、どのような化学反応を起こすのか。アイドルらしいアイドルでありながらアンチ・アイドル的な踊りも辞さないももクロ、音そのものはパンク以降のロックでありながらアンチ・ロック的アティテュードを崩さないかまってちゃんには、接点がないこともなさそうだが──。

momokama002.jpg写真=後藤勝

 LIVEに先立つ開演直前の囲み取材にて、ももいろクローバーのリーダー、百田夏菜子は次のように語った。

「ももいろクローバーと神聖かまってちゃんのファンの方はまったく違うと思う。ももクロらしさを全開に出して、きょうのこのLIVEが日本でいまいちばん熱いLIVEにしたいと思って、きょうはがんばります。日本の音楽界を私たちから変えられたらいいなと思っています」

「ももクロも、ふつうのアイドルさんとは違う。かわいいアイドルさんよりはロックに近いような感じ。ちょっと(ロックとは)違うんですけど、ガンガン踊ったりするので、似ている部分? 共通点はあると思うんですよ。だから、ロックじゃないけど、私たちらしさ、激しいダンスを見てほしいと思うし、見せたいなと思います」

 また現在進行中のツアーを最後に脱退が決まっているサブリーダーの早見あかりも「(百田夏菜子と)いっしょですね(笑)。『ももクロとかまってちゃん』という題名だから”ももクロっていう子も来るんだ~”みたいな感じで(と思って)来る、かまってちゃんのファンの方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、ももクロのファンの方ももちろんいるだろうし。私たちは常に全力でやっているつもりなので、だからいつもと変わらないパワフルな、元気で、私たちにしかできない、かまってちゃんにはない、アイドルだけどちょっとアイドルじゃないみたいな、私たちの魅力を見せられたらと思います」と、口を揃える。

 最年少、佐々木彩夏は「若さは負けていないと思う。その若さがあるからこそ出せるフレッシュさとかパワフルさがあると思うので、かまってちゃんの勢いに負けないくらいのLIVEができたらいいなと思います」とキーワードを口にした。

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 はたして、ももクロが登場したファーストパートはその通りになった。この日はなんとオープニングから7曲をぶっ通しで熱演するというガチンコな構成! セットリストを見てわかるとおり、最初の5曲は特に力強いタテノリのナンバーが選ばれ、フロアはオタ芸どころの騒ぎではなく、モッシュとポゴダンスで揺れ動く有様だった。アキバ系の6曲目『最強パレパレード』、ややゆったりしたリズムにエモな東洋音階が乗る7曲目『全力少女』でようやく少し落ち着いたが、超攻撃的なステージングは、彼女らがグループアイドル髄一の舞踏≒武闘派であることを証明してみせた。

 中断に入るやいなや飲み物を口にしたものの、息を切らした様子もなくMCを始める6人。ノンストップで踊り続けたにもかかわらずそれというのは、佐々木彩夏の言う「若さ」がなせる業なのだろう、観る者の心配を吹き飛ばすようなタフさには脱帽せざるをえない。

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 百田夏菜子はMC終わりに「私たちのことを知ってる人ー!」と呼びかけて挙手を募ったあと、「いま手が上がってない方! 絶対手を上げさせてやるよ↑」と煽る。

 常套句である「きょうもお祭りやっちゃうよ~?」のあとのフレーズが出てこず、MCをやり直すハプニングもあったが、かえってオーディエンスは温まり、「後半戦、行っChai Maxxー!」と、残り5曲の後半戦に突入。3月9日発売の『ミライボウル』、『words of the mind』とつづき、もはやアイドルポップス史上に残る名曲『行くぜっ!怪盗少女』でAXのボルテージは最高潮に達した。

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 踊りばかりが取り沙汰されるが、ラストの2曲『ツヨク ツヨク』『走れ!』では歌手としての表現力があることを示し、会場を感動で満たしてももクロはステージをあとにした。

 盛り上げに関して天下一品のももクロのあとの共演者はやりづらいものだが、神聖かまってちゃんはいつもどおり、セットリスト未定? の野放図なステージ進行。今春公開予定の映画『劇場版・神聖かまってちゃん(仮)』の撮影を兼ね、悪態をつきつつ、表層的なそぶりとは対照的にタイトなサウンドを堂々と紡ぎつづけた。

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 ドラムスのみさこが「ももクロの完璧なステージのあとで緊張している」旨をこぼしてはみたものの、ドライブして一気に突っ走ったももクロのあと、適度にダルい休み休みな感じのかまってちゃんは、むしろいい中和剤。きちんと自分たちの雰囲気に戻していたところはさすがだった。

 また、かまってちゃんのファンにももクロのファンらしき人々がまざり、「かなこぉ~↑」ふうに「みさこぉ~↑」と声援をして「新しいな(笑)」とかまってちゃんのメンバーを笑わせた辺りに、多少なりとも対バンの効果は出ていたように思える。

 50分の持ち時間を「密」と「疎」とで、対照的に使ったももクロとかまってちゃん。百田夏菜子が言うようにここから日本の音楽界が変わっていくのか。閉塞感を打破する試みとして興味深く、また印象深いLIVEだった。
(取材・文=後藤勝)

<セットリスト>
ももいろクローバー

オープニング overture →ももいろクローバー参上!!  
1、Chai Maxx
2、ココ☆ナツ
3、キミとセカイ
4、Believe
5、ピンキージョーンズ
6、最強パレパレード
7、全力少女
MC
8、ミライボウル
9、words of the mind
10、行くぜっ!怪盗少女
11、ツヨク ツヨク
12、走れ!
………………………………………………
神聖かまってちゃん

1. あるてぃめっとレイザー!
2. 肉魔法
3. レッツゴー武道館
4. さわやかな朝
5. 夜空の虫とどこまでも
6. ぺんてる
7. 制服b少年
8. バグったのーみそ
EN1. ベイビーレイニーデイリー
EN2. 夕方のピアノ

もも本-ももいろクローバー公式ビジュアルブック

孤高への道中。

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最終更新:2013/01/31 15:49
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