『Guitar Hero』『Rock Band』 今日から君もジョン・レノン!? 自宅で手軽にロックバンド!
#ゲーム
グローバリゼーションが叫ばれる昨今、ゲームももちろん国際化の波の真っ只中! PS3、Xbox360などでは、毎月のように海外メーカーの魅力的なゲームが続々とリリースされています。しかし、海外産ゲーム──洋ゲーの、日本のゲーム情報媒体における扱いはなぜか極小! 海外のゲーム情報を知りたくても知ることができないというのが現状。ということで、洋ゲーハンター・斉藤淳一が、魅惑の洋ゲー世界をご紹介しちゃいます!
ゲームが進化することで大きな恩恵を受けた要素として、音楽が挙げられます。その一つの例が、音楽シミュレーションゲーム、通称「音ゲー」の誕生だと言えるでしょう。
古くは『ビートマニア』や『パラッパラッパー』、最近では『太鼓の達人』『jubeat』『ドラムマニア』などが有名ですが、これらのタイトルは「音楽を体験する」という行為のハードルを下げ、間接的にバンド人口やバンドものアニメの隆盛に影響を与えた画期的なゲームジャンルだと言えます。
今や家庭でゲームセンターで、日本の至るところで広く親しまれている「音ゲー」ですが、その過熱ぶりは国内に限ったものではないのです。むしろ現在、海外は怒涛の「音ゲー」バブルの真っ最中! 日本の音ゲーシーン以上の盛り上がりを見せているのです。
大ヒット音ゲーの一つに、コナミの『ギターフリークス』という作品があります。
ギター型のコントローラーを使って、なりきりギタープレイを楽しむゲームですが、海外でも同作をベースにしたギターゲーム『Guitar Hero』シリーズがHarmonix Music Systems社によって開発されました。
日本でも2008年に発売された『Guitar Hero』シリーズですが、注目すべきはやはりギター型コントローラーです。先行する『ギターフリークス』のいかにも玩具然としたデザインとはひと味違い、サイズは実物のギターと見紛うサイズの上、トレモロアームも付いて本物さながらの演奏が可能となっています。
おまけに別売りのボディスキンを取り付けて、自分好みのギターにカスタマイズすることができるという本格派! ここまで来ると、本当にギターを練習しろよと言いたくもなりますが、とにかくかゆいトコロに手の届く作り込みに、さすがロックの本場・アメリカと感嘆するばかりです。
もちろん見た目だけじゃありません。音ゲーではどんな楽曲を演奏できるのかが重要ですが、『Guitar Hero』シリーズはそちらもぬかりはありません。
近年のヒット曲を盛り込むだけでなく、人気アーティストの楽曲に収録曲を絞ったアーティストディスクも発売されています。現在、エアロスミス、ヴァンヘイレン、メタリカといったハードロックファンならずとも、よく知っている大物バンドのアーティストディスクが発売されているわけですが、やはり人気バンドになりきってギターをかき鳴らすとテンションが上がってしまいますね。
『Guitar Hero』シリーズで、ロックとゲームのクロスオーバーを実現したHarmonix Music Systems社ですが、今度はアメリカの音楽専門チャンネル「MTV」とがっちりタッグを組んで、よりリアルな音楽体験を追求した『Rock Band』シリーズを立ち上げました。ギターコントローラーに加え、ドラムコントローラーにUSBマイクを使ったボーカルと、さまざまなパートがプレイできるようになり、より本格的なバンド体験ができるようになったのです(ちなみにギターコントローラーも更に進化! 早弾きしている感を演出するために、ボディー付近にもボタンが追加)!
収録曲もレディオヘッド、スマッシング・パンプキンズ、ウィーザーなど現在のロックシーンに欠かせない人気アーティストの楽曲は当然として、グランジ、メタルにカントリーといった多彩なナンバーが続々とダウンロードコンテンツとして追加され続けています(ちなみに総楽曲ダウンロード販売数は、なんと1,200万曲以上!)。
そして、やはり本作でもアーティストディスクがリリースされていますが、その第1弾は驚くことに、世界一のロックバンド・ビートルズなのです。09年9月9日に発売されたリマスター盤CDの発売を記念して同時発売された本作は、現在、唯一ビートルズを体験できる音楽ゲームです。
強烈なビートルズ愛が込められたオープニングムービーや当時の空気感を、見事に表現したゲーム画面だけでも一見の価値ありだと言えるでしょう。
例えば『Yellow Submarine』プレイ時の映像は、3Dキャラの4人によるスタジオ演奏からスタートし、それがいつしかアニメーション「イエローサブマリン」を彷彿とさせる映像に変わり、間奏ではメンバーが潜水艦に乗ってこの世界を遊覧。演奏終了と共に、また録音スタジオに戻るという、非常に「分かってる」出来になっており、思わずニヤニヤが止まりません。ちなみに伝説の武道館公演をイメージしたステージでは、内装から横断幕まで完璧に再現しており、当時を知るビートルズマニアなら懐かしさと感動確実な涙モンです。
ゲームそのものの難易度も調節可能で、ゲーム初心者から上級者まで満足できること請け合い。
「そこまでやるならバンド組んで本物の楽器を演奏すればいいじゃん」と思ってしまう部分もあったりしますが、実際メンバーを集めたりスタジオを借りるのも一苦労する忙しい現代人にとっては、お手軽に憧れの「バンドごっこ」ができる本作はある意味最強のファングッズではないでしょうか。
余談ですが、『Rock Band』アーティストディスク第2弾は、パンクバンド界の雄・グリーンデイだったりします。これで世界中のロックキッズが、自宅でグリーンデイごっこをしているのかと思うと、実に微笑ましい限り。
なお、最新作の『Rock Band 3』はキーボードパートも追加され、本格的な「ごっこ」具合がさらにパワーアップ! もちろんギターコントローラー単体でも本作は十分に楽しめるので、ぜひ一度リアルな「バーチャルバンド体験」をしてみてください!
(注:ちなみにこの原稿を書き終えたタイミングで、『Guitar Hero』発売元のActivision Blizzardが「音楽業界の衰退」を理由に同シリーズの凍結を発表。音ゲーファンとしては、一日も早い復活を待つばかりです)
(文=斉藤淳一/構成=有田シュン)
●さいとう・じゅんいち
ゲームサークル『B.A.G』の主要メンバー。日本のゲームのみならず、海外のゲームやボードゲーム、カードゲームも幅広くプレー。また、男声コーラスグループ『ザ☆カインズ』のメンバーとして、水木一郎をはじめとする数多くのアニソンシンガーのバックコーラスを務めると共に、自身もアニメソングに限らず、数々の名曲をカヴァーし世に送り出している。
ROCK BAND 3
メーカー:Harmonix Music
発売日:2010/10/28
市場価格:4,000~6,000円程
Guitar Hero 5
メーカー:Activision
発売日:2009/9/16
市場価格:3,000~5,000円程
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