大ブレイク中のスリムクラブに暗雲 キャラ重視のバラエティーでは生き残れない!?
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昨年末、M-1グランプリ念願の優勝を果たした笑い飯。
大会自体が最後ということに加え、結成10年目までという規定上での”ラストイヤー”を見事飾ったわけだが、せっかく優勝したわりには、「あちこちの番組でひっぱりだこ」という状態にあまりならなかったような気がする。
例年のM-1王者と言えば、大会直後からワイドショーやトークバラエティーに順に出て大会を振り返りつつ名前と顔を覚えてもらう、といった流れが多いのに、笑い飯の場合は本人たちも、「忙しかったのは大会翌日だけ」「全然変わらない」と、自ら言っているように、いわゆるM-1バブル状態に突入した感はない。
その一方で、2位のスリムクラブが、まるで優勝コンビのようにあちこちの番組でひっぱりだこ。笑い飯も「われわれの5倍忙しいみたい」「実質あいつらがチャンピオンですね」と、すっかりネタにしているような状況だ。
「2008年のときにも、優勝したNON STYLEよりもオードリーのほうが売れたと言われますが、09年もパンクブーブーよりもハライチあたりのほうが目にする機会は多かった。M-1王者が大きくブレイクするという図式は近年崩れてはいますね」(テレビ関係者)
それにしても、スリムクラブがここまで需要がある理由は、どんなところにあるのだろうか。ある人気バラエティー番組の構成作家に聞いた。
「過去のM-1で言えば、南海キャンディーズが登場したときにちょっと似ていますね。奇抜なスタイルで、それまで見たことない人が多いというのが強みですね。どんなキャラでどんな人なのか、『もっと知りたい』という需要が大きいでしょうから、まずは一通り人気番組を一周して、『知りたい』の部分を紐解かれていくかと思います」
一方の笑い飯については、こう言っていた。
「やっぱり決勝の常連というところが、良くも悪くも影響しちゃってますね。世間的、視聴者的に、もう十分見たという気分があって、実力があるところもよく知られている。M-1は、本来は技術を見る大会ではあるのですが、タレント性の有無はまた違う話ですよね。そこで逆転現象が起こることがあるんです。南海キャンディーズやサンドウイッチマン、スリムクラブなど、それまで世間的に見た事がないような人たちがいきなり実力を発揮して活躍できる場でもありましたから、何年も見ている笑い飯の優勝には、大きな驚きがないのは仕方ないかもしれません」
2月に行われたピン芸人の話芸を競う「R-1ぐらんぷり2011」でも、スリムクラブの真栄田が健闘したこともあり、ますますスリムクラブの人気が爆発的なものになる可能性もある。しかし、意外に苦戦するのではないかと、同作家は指摘する。
「笑い飯もそうなのですが、すごく分かりやすかったり子どもが真似できるようなギャグがあるわけでもないですし、清潔感もない。たとえばオードリーなら、極端な話とりあえず『トゥース』やっておけばいいとか、楽しんごなら『ドドスコ』や『東幹久』など明確な記号があるので安心して笑える。こういったものがあるかどうかで、一般的な視聴者の反応は変わってくるんですよ。スリムクラブは真栄田さんのゆっくりしたしゃべり方がウケてますが、ずっとそれで笑いが取れるものでもない。笑い飯も面白いのはあくまでネタであって、キャラではないですからね。今のテレビの作り方だと、なかなか難しい気はします」
近年のR-1の優勝者、中山功太やあべこうじも、優勝したものの爆発的な人気の獲得までには至っていない。実力と人気は、なかなか比例しないシビアな世界のようです。
(文=太田サトル/「サイゾー裏チャンネル」より)
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細く長く。
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