『さよなら絶望先生』に連なる久米田康治の快作『かってに改蔵』がついにアニメ化!
#アニメ #さよなら絶望先生
あまりに尖すぎる社会風刺的ギャグから、映像化は困難と思われた『さよなら絶望先生』(講談社)が新房昭之監督×シャフトのタッグでアニメ化されてからはや三年半。その原点とも言うべき『かってに改蔵』(小学館)が、再びシャフトによりアニメ化されることが決定した! 原作者の久米田康治が講談社に移籍済みということで、そのへん大人の事情はどうなのかという気もするが、近頃激しくコラボする仲の「サンデー」と「マガジン」、このくらいの連携は朝飯前なのかも……。愛蔵版コミックスでも移籍の話をしていたし。
さて、『かってに改蔵』は「週刊少年サンデー」(小学館)誌上で1998年から2004年にかけて連載された辛口のギャグマンガであり、05年から「週刊少年マガジン」(講談社)にて連載中の『さよなら絶望先生』の前作にあたる。時事性のある毒舌社会風刺や病的なキャラクター設定といった『さよなら絶望先生』との共通項が見受けられ、特に連載開始初期には下ネタがこれでもかと叫ばれ、独自の味わいを醸し出している。
今回のアニメ化にあたっては新房昭之総監督、龍輪直征監督(『さよなら絶望先生』副監督)の布陣で臨むことが決定。原作の毒を弱めることのないシャフト節が期待できそうだ。
2月18日発売の新装版コミックス第11巻につくドラマCDに引きつづき、櫻井孝宏(勝改蔵役)、喜多村英梨(名取羽美役)、斎藤千和(坪内地丹役)、豊崎愛生(彩園すず役)、堀江由衣(山田さん役)がメインキャストを担当している。
既にアニメ版第1話の収録が終了。アフレコ後に語られたメインキャストの感想は以下のとおりだ。
櫻井孝宏「こういうテンションやノリの作品は最近あまりないというか、僕は初めてで、すごく新鮮でした。ただお下劣なだけなのかもしれませんが、深読みしようと思えば深読み……できないか(笑)。今日はずっと”考えちゃいけない、感じろ!”というのをテーマにアフレコに臨みました。衝撃度はすごく強いと思います。動画になって音声がつくと、ドラマCDのときとは違うヤバさが出て、僕は非常に好きですね。えー、目指せ、地上波!」
喜多村英梨「声優のお仕事を始めた頃に、自分のブログに書いていたりするくらい、大大大好きな作品でして。そのときは脳内声優とか特に意識せずに、本当に感じるままに読んでいました。躍動感というよりは、(久米田)先生の描かれる淡々としたシュールなお下劣ギャグが好きで読んでいたので、アニメ化が決定したときは純粋にミーハーな気持ちでうれしくて」
堀江由衣「まだ巻数が進んでいない頃に、友だちに借りて読んでみたことがありました。今回オーディションを受けたときに”あぁ~、懐かしい!”と思い出し、あらためて読ませていただいて収録に臨みました。ところどころ、その時代のものを切り取ったんだろうなという場面はあったんですが、こういうものってみんな笑うし、みんな好きなんだろうというのを、今日は肌で感じました(笑)。時代を感じさせない作品なんだ、いま見てもおもしろい作品なんだなと」
台詞で印象的なものは、と訊ねるとキャストは一様に困った表情。
櫻井「難しいな」
喜多村「ネタそのままになっちゃう(笑)。全部の台詞が」
櫻井「だいたい、みんな言っているのがそれなので(笑)。ひとつのゴールに向かって突き進む、みたいな。……(公表していい)台詞、何かあったかな?」
喜多村「”届け、オレの想い!”じゃないですか? 櫻井さんがアドリブ入れちゃった、台本にないセリフですね」
櫻井「これはネタバレにはならないので、それを探してもらえれば。みんなに”届く”かと思うので」
──その状況を楽しむ、という。
喜多村「楽しんでるぞオレらも、みたいな感じですね」
櫻井「その台詞ですね。あとはすべて危ないです。全体的に危ないです」
たしかに原作を読み返すと、危険度の高い単語、たとえば下半身に関するワードが頻出する。お茶の間の家族が茶を吹き出しかねないインモラルな内容だけに、今回のアニメ化に際しては地上波でのテレビ放映ではなく、Blu-rayおよびDVDでのリリースになったのも無理はないのかもしれない。
声優陣は「本気で地上波を狙っています。本気です」(櫻井)と強気だが、まずは4月からリリースされるパッケージ三巻分の初アニメ化がどのくらいの「事件」なのか、確認してみたいものだ。
(取材・文=後藤勝)
●アニメ版『かってに改蔵』
上巻が2011年4月27日、中巻が同6月22日、下巻が同8月24日に発売される。全3巻完結。各巻Blu-ray6,090円、DVDは5,040円。詳細はオフィシャルサイトにて。
<http://www.starchild.co.jp/special/kaizo/>
こっちは2月18日発売。
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