トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 「アナログでは続きが見られない!?」 地デジ・マルチチャンネル化でテレビはどう変わるか

「アナログでは続きが見られない!?」 地デジ・マルチチャンネル化でテレビはどう変わるか

 7月の地デジ完全移行が近づくなか、番組の放送体制も少しずつ変化が出始めてきている。

 1月中旬に放送されたTOKYO MXのいくつかの番組内で、こんな内容のテロップが表示されていた。

「この番組は1月×日からデジタル092チャンネルにてお送りします」

 これ、どういうことなのかと言えば、「S2」という、各放送局に割り当てられた最大3番組までの「マルチチャンネル」編成による、2番目のチャンネルで次回からは放送しますよ、ということ。

 地デジ放送ではこのマルチチャンネル編成によって、メインの放送と同時に2番目、3番目の放送を行うことが可能になる。今回MXでは1月下旬から、主にアニメの再放送枠などをこのS2放送に移行したわけだが、当然この機能に対応していないアナログ視聴者は、次の放送からこの番組が見られなくなってしまう。アナログ視聴者にとってはいよいよ地デジへの移行を実感しそうな状態ではある。

 あるテレビ関係者が言う。

「NHKやMXでは、比較的早い段階から積極的に地デジやワンセグでのマルチチャンネル編成に取り組んでいるんですよ。ただ、そこまでまだ浸透していなさそうで、多くの視聴者が実際に見たことないんじゃないかという気はします。切り替え方もよく分からない人も多いんじゃないでしょうか」

 たとえば、TOKYO MXで言うところの「092」チャンネルを見るためにはどうしたらいいのか。いつもなら、MXのチャンネル番号「9」を押すわけだが、これだとメイン放送のいわゆる「091」が映ってしまう。ここで、リモコンに付いている上下方向ボタンなどを押すことで、チャンネルは切り替わる。または「3桁入力」といった機能から数字ボタンで「0、9、2」と入力していく方法、地デジの番組表機能から選択するといった方法などがある。

 TOKYO MX編成局にたずねてみたところ、マルチチャンネル編成を本格的に開始したのは、2006年7月のこと。これまで「東京シティ競馬中継」や「東証マーケット情報番組」などの長時間プログラムを放送してきた中、今回さらに強化をはかった策なのだという。そのタイミングについては、

「都内でのデジタル対応テレビの普及率が9割を超えたことと、『東京シティ競馬中継』などの視聴習慣の定着を見つつ、7月24日のアナログ放送停波の半年前であるこのタイミングでの編成変更を、会社の方針として決定しました」

 とのことだが、アニメ再放送枠ではストーリーの途中で放送が切り替えになってしまい、続きが見られなくなってしまったアナログ視聴者も少なからず存在してしまう。

「これにつきましては、各作品がそれぞれシリーズの話数に違いがあり、全ての作品のベストなタイミングでの移動は難しく、確かに各作品がシリーズ途中での変更となってしまっています。変更につきましては、HPや放送上のスポット告知等でご連絡を申し上げています」

 前出のテレビ関係者は言う。

「たとえばスポーツ中継の延長放送なんかは、マルチチャンネルの利点がすごく活きると思うんですよ。続きはS2放送で、ということで最後まで放送することが可能になる。あと、アニメや通販番組、天気予報などはもちろん、同じ内容での字幕付き放送や、視聴者がある程度限られそうな、趣味的な内容の番組も流しやすくなりますよね。それこそ再放送専門という編成も可能で、そっちのほうが視聴率を取ったりするなんてことも起こりうるでしょうね」

 完全移行にともなう不安点も当然ある。

「チャンネルの切り替え方もそうですが、スポンサーはどのぐらい付いてくれるのかという点や、放送を振り分けるために、どうしても画質がいわゆる標準画質の放送になってしまうという点など、7月以降しばらくは少し混乱しそうです。MXやNHKが先鞭を付けてくれてることで、その混乱が少し薄まるのかなという気はしますが」(同関係者)
(文=太田サトル/「サイゾー裏チャンネル」より)

テレビが言えない地デジの正体

なになに?

amazon_associate_logo.jpg

【関連記事】
「決め手は信頼感!?」BOOMER、X-GUN……ボキャブラ勢に再ブレイクの兆し
時代遅れのヒーローでも構わない!? 開き直ったキムタクが背負う”SMAP”の重み
アナログ停波期限まであと1年半! 「放置状態」の地デジ問題にどう切り込む!?

最終更新:2011/02/02 08:00
ページ上部へ戻る

配給映画