バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』
#アイドル #映画 #梶野竜太郎
アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。
●今回のお題
バレない浮気の疑似体験MOVIE
『セブンカラーズ』
監督:蒲原生人
女性主演:あいださくら、成瀬心美、浅乃ハルミ、倖田李梨
彼女の美貴(あいださくら)と同
じ大学に通うため、美貴の母親
(倖田李梨)が経営するアパート
越してきた秀一。しかしそこは、
某一流企業の社長秘書・若葉(西
野翔)、国際線CA・夏樹(夏川
亜咲)、女医・静(浅乃ハルミ)、
女教師・あずみ(成瀬心美)たち
美女だらけの楽園だった!? 若葉た
ちは毎夜、秀一の部屋に押しかけ
宴会三昧。美貴との半同棲生活を
夢見ていたが、ままならない状況。
しかも、秀一のモノが大きすぎて、
美貴とのHもお預け状態。はたして
若葉たちの誘惑に打ち勝ち、美貴
と初Hをすることができるのか……。
グラビアデビューを果たし、「なんつ~ビーバー顔の女の子なんだろ~」と思ったら、いきなりの着エロや脇毛の剃毛シーンで話題となり、それからわずか2年後、18歳でAVデビュー……。
映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が、往復29万6,000光年の旅を2時間18分で説明しちゃったのと同じくらい早い展開、それが、あいださくらだ。
グラビア&AV道まっしぐらの、あいださくらに芝居ができるか!? いきなり主人公に持って来ちゃったよ~! というのが、今回の作品です。
恋人と同じ大学に通うために、彼女の母親が経営するアパートへと越してきた主人公。なんとそこは、一流企業の社長秘書、国際線CA、女医、女教師たちが住む”ドキッ! 美女だらけの楽園”だった――。しかもこの美女たち、毎晩毎晩主人公の部屋へ転がりこみ宴会三昧。彼女と同じアパートに住むことで半同棲生活を夢見るも、まったくままならない生活だ。しかもこの彼氏、異常な巨根なほどのため、彼女からは拒否されお預け状態、美女たちは誘惑されまくり……。果たしてこのカップルは無事に(?)エッチすることができるのか?
この手の”同じアパートLOVE実写映画”としては、安田美沙子の『ルナハイツ』や、七瀬なつみの『ツルモク独身寮』や、石原真理子の『めぞん一刻』などが有名である。ゆく手を阻むアパートの住民をかわしながら、愛しの彼女のもとへ……という展開が一般的。実は、アパート題材って映画にとって最適なんですよ。個性的な隣人が描きやすいからね。
この『セブンカラーズ』も同じく、ジャマする隣人をかわして、愛しの彼女へ! なんですが、ジャマする隣人全員が、「ゴールの愛しの彼女より美人」というとんでもないお話。腹ぺこで牛ヒレステーキの誘惑を乗り越え、ゴールに置いてある牛丼を食え! というものですな。さぁ! 美女軍団の誘惑を乗り越え、憧れのビーバー系アイドルAVにたどりつけるかぁ!! しかし、ほとんどが男子と思われる視聴者の気持ちを鑑みたら、「あいださくらをGETせよっ!」ではなく、「ジャマする者に捕まっちゃえ!」という気持ちになるのが本心。この作品が上手なところは、実はそこなんです。
「がんばれ!」という気持ちと「捕まれ!」という気持ちを両方とも網羅しちゃってるワケですが、この喜も怒も哀も楽も、美人に囲まれたハッピーオンリーの作品をどう楽しく見ていくか。
この作品、ズバリ「バレない浮気の疑似体験MOVIE」なのです。
どうですか! 男にとって「バレない浮気」って、最強じゃないですか!? どんなに彼女を愛していたとしても、物凄い自分の好みのロリでキャピでおっぱい大きい女の子が現れても、理性に悩まなくてもいいっていうことですよ!? 愛しているけど、はに丸に似ている彼女と、絶対にバレない原幹恵クラスの美女との浮気! そんな疑似体験のつもりで見るとたまらないんです。
では、一体、この作品の何が疑似体験なのか?「そんな美味しい話の映画、山ほどあるじゃないか!」と思う人も多いですが、この作品、ちゃんとその時の男の眼になってるんです。これを撮った監督さん、さすがです。
意図的なのか、本心なのか。
恋人のあいださくらと毎回うまくいかないSEXの場合、なんかカメラが攻めに入らず、ちょい引きで2人を撮影。まるで、AVの導入部分のように。ぎこちなく、うまくなく。なのに、あいださくらの裸はしっかり拝める。そう、つまり、手に入れたくても入らない彼女にまだ勇気を出しきれない弱さと、理性が格闘するように撮影されています。
一方、本命ではないけど、ムチャクチャ美女軍団とのエッチシーン。これこそ本命ではないはずなのにそりゃもーおっぱいは大きいわ、こっちは何もしなくてもするだけしてくれるわ、ある意味、楽園パラダイス!(同じだよ)
そして、このシーンの場合、物凄いんです! カメラの寄りがっ! これぞ男心!! これぞ性欲! これぞ快楽! これぞ3Dじゃないけど、3D級映像!! こうなるんですよ、浮気が絶対にバレsないという安心感と、巨乳のお姉ちゃんを好き放題できるという気持ちをカメラで表現すると!!
同じ女でもその2パターンをカメラで表現したこの作品。無駄に気持ちいいハッピー性欲作品であります。どうせならさ! ジャマする美女たちを4人なんていう少ない数字にしないで、48人行っちゃいませんか!! はやりのフォーティエイトでっ!! 現実的にはありえないので、せめて映像でっ! 予算下さい!! 予算くれたら、私が撮りますっ!!!!
(文=梶野竜太郎)
●かじの・りゅうたろう
映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。
短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。第2回したまちコメディ映画祭 in 台東にて、新作『魚介類 山岡マイコ』を上映。2010年に長編版として劇場上映が予定されている。現在、ニコニコ動画チャンネル『魚介類TV』(毎週日曜日20時~)に出演中。
詳しくは→http://mentaiman.com/
ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/
vol.2もあるようで。
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