会話はつかみで9割が決まる 元祖爆笑王の『3秒で「場をつかむ」技術』
#本
新年会に送別会、また歓迎会と会話をする機会が多くなるシーズンを迎え、頭を悩ませている人も少なくないのではないだろうか。「男は黙って……」も好印象で迎えられない昨今だから、会議でも宴会でも、しゃべらないよりしゃべったほうが印象がいいに決まっている。しかし心配はご無用。実は会話ベタと言われる人は、場を”つかむ”ことに失敗しているだけなのだ。
会話は”つかみ”で9割が決まる!? 『3秒で「場をつかむ」技術』(メディアファクトリー)は、人気放送作家・元祖爆笑王氏が、お笑い芸人のしゃべりの技術を応用して、場を温め、会話を盛り上がらせる方法を語った新書だ。オードリーやナイツ、サンドウィッチマンなど、その他多くの芸人のネタを実例として挙げ、その “つかむ”技術を解析し、伝授してくれる。氏が放送作家になったきっかけや、方言にコンプレックスを抱いていたこと、手がけてきた企画のことなどを盛り込みながら簡潔に説明していくさまは、まさに話芸の技術。分かりやすく、楽しく読み進められる本だ。
ご存知のとおり”つかみ”とは、お笑い芸人が登場するときに場を惹きつける技術。それは決して難しいことではなく、気にかければ、誰でも、日常的に使えるものばかり。そのつかみの技術の一部をご紹介しよう。
場をつかむための会話の切り出し方は、大きく分けると次の3パターン。
1.投げかけ型つかみ
相手に質問を投げかける、語尾に「?」マークのつく疑問文。
(例)「僕は秋田県の出身ですが、あなたはどちらのご出身ですか?」
聞かれたほうは無視できない鉄板のパターン。ただし、相手の答えが「はい」「そうですね」で終わるような質問はつかみにならない。
2.感情型つかみ
自分の喜怒哀楽を相手にぶつけるのが「感情型つかみ」。
(例)「実は愛犬が死んでしまって、すごく落ち込んでいるんです」
同情や共感を引き出し、相手との距離が一気に縮まるだろう。初対面の人より面識のある間柄、多人数より1対1の場面で有効。
3.同意型つかみ
「~ですよね」と相手に同意を求めるつかみ。
(例)「ゴルフは本当に奥が深いスポーツですよね」
同じような環境にいたり、趣味趣向が似ている場合に効果がある。相手の情報を事前にリサーチしておくのがよい。
「雄弁は銀、沈黙は金なり」という格言があるが、元祖爆笑王氏はあえて「沈黙は禁なり」と言い換える。アイディアが出ず、静まり返った会議で、見聞きしたことを思いつくままにしゃべることで数多くの企画を成立させてきたからだ。仕事でも雑談でも合コンでも使える”つかむ”技術。”つかめる”者は、コミュニケーション不全と言われる時代において、より一層重要性を増してくるだろう。
(文=平野遼)
・がんそ・ばくしょうおう
放送作家。本名:高橋裕幸。1964年秋田県生まれ。日本大学芸術学部在学中に高田文夫に師事。26歳で『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば』の構成を担当。以降『笑っていいとも!』『めちゃ2イケてるッ!』『爆笑レッドカーペット』などの人気番組を手がける。また、吉本総合芸能学院やワタナベコメディスクールなどで講師を務めながら、オーディションの開催やお笑いライブのプロデュースも行う。著書に『漫才入門』など。
でっきるっかな~♪
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